嵐の後・・都民の日に東京で。。 | いのPのブログ~エンタメ温故知新!

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音楽、映画、エンターテイメント大好き!しかし気付いてみたら古いものばかり!
半田健人も真っ青?のエンタメライフ。

皆さん、いかがお過ごしでしょうか。

日曜は台風が来ているし、月曜は夕方から仕事なので、東京都内で一泊することにしました。

この日は、10月1日都民の日。

台風が過ぎ去った後の東京の月曜の朝は、青空が広がり気持ちの良い朝でした。

$いのPのブログ~エンタメ温故知新!-ミニチュア01

ところが、外の様子が変なんです。

そこで、急いで外へ出て街の中心部へ行ってみました。

・・・・・・・。

な、なにコレ? 台風の影響??

$いのPのブログ~エンタメ温故知新!-ミニチュア東京02

よし、もっと先へ行ってみよう。


!!!


・・・・・・・・。


え~~~!!!

$いのPのブログ~エンタメ温故知新!-ミニチュア東京01


さらに道路のほうへ出てみると

??????

!!!!!

$いのPのブログ~エンタメ温故知新!-ミニチュア

おい、おい、戦車まで出ているぞ! もしかして、戦争?!

い、いったい、何があったんだぁ。。。

そのヒントは、次の映像をご覧下さい。それでは、どうぞ!



実は、これらの写真は、こちらで撮ったもの。

$いのPのブログ~エンタメ温故知新!-特撮博前景

東京都現代美術館です!

えっと、奥の日本ファッションの未来性じゃなくて・・・

モチロン!手前の「特撮博物館」へ行って参りました!(^O^)

そこでは、こんなものをやっています。こちらも映像でどうぞ。



円谷英二から繋がる日本の特撮技術にスポットを当てて、ミニチュアなど手作りの職人芸で
CGを使わない日本の特撮技術の歴史と素晴らしさを知ってもらおうというもの・・でいいのかな?

最初のほうは、ある世代ならば懐かしいものばかり。

このあたりの特撮映像でワクワクした世代はかなり幅広くて、今でも子供に人気があるので
親子連れでやってきて、親子で喜んでいる姿が印象的でした。

でも、この博物館の狙いは、そんな懐古趣味のところにあるのではないと感じました。

これらの昔ながらの特撮技術を受け継ぎながら、さらに新しい時代の技術として進化させようと
いう意図を感じたのです。まさに、温故知新そのものが、そこにはありました。。

それが結実したのが、最初に見せた「巨神兵東京に現る」という9分ちょいの特撮映像です。

これは凄いの一言。

一切CGを使わず、ほぼ全てをミニチュア等の「作り物」で「本物らしく」見せるという職人芸の世界。

(古い手法のみならず、試行錯誤をし、手間を惜しまず、新しい技術も生み出していました。)

実は、オモチャの犬が出てきたり、部分的にチャチな所があるのが、他の部分があまりにも
凄いために目立ってしまうのですが、これも、後でメイキング映像を観てわかるのですが、
ちょっとしたジョークでありながら、そこに特撮、いや映画そのものが虚構であるんだという
監督のこだわりを感じたのです。(あくまでも、僕の感じた個人的感想です。)

作り物であり虚構であるからこそ、それがリアリティーを持って、いかに我々に迫ってくるよう
にするか?そこを追求するのが、特撮も含めた映画の醍醐味ではないかと感じました。

リアリティーを追求した黒澤明監督も、ちょっと現実とは、かけ離れたことでも、映画として
面白くなるためには積極的に採用したと聞いたことがあります。

ところで、月曜でも都民の日で、都内の学校等はお休みですから、大勢の家族連れが来ていました。

皆さん、東京に住んでいる人達ですから、この映像は作り物とわかっていても、東京の街並が
リアルに再現され、破壊されるのですから、本当に怖かったと思います。

凄くリアルに恐怖を感じても、作り物、虚構だから、皆、安心してリアル感を楽しめるのです。
これが現実だったら、目をそむけたくなるでしょう。映画で良かったですね(笑)。

さて、本題に戻しましょう。

この展覧会では、日本の手作り的職人芸にスポットを当てて、新しく作られた映像においても
一切CGを使わないというこだわりをみせています。

しかし、これはCGを完全否定しているという意味ではないと思います。

ここで、彼らが示したかったのは、安易にものづくりをしたり、妥協したりしたくないということ
だったのではないかと思うのです。

どんな作品を作るにおいても、手間を惜しまず、試行錯誤を繰り返し、産みの苦しみをして
何かを作り上げることの大切さを世に問うているように感じたのです。

それがデジタル時代は、いとも簡単にできてしまったり、安易な効率主義(効率自体は大事)に
陥って何かを見失うことの怖さを我々問うているかのようにも感じたのです。

その表現手段としてアナログ的な手法にこだわったということではないでしょうか?

とにかく、ヘタなCGよりも数段迫力があって、リアリティーを感じるので、是非一度、
9分ちょいの特撮映像を観るためだけにも来場されると良いと思います。

この映像を観た後の客の反応が、それまでと全く違ってしまい、老若男女が揃って、その後の
展示物に食いつくように、熱中している姿が印象的でした。

こういうものは、男の子、いや男性向きのものと思われるでしょうが、是非、女性の方にも
お薦めです。現実に、ここに来た、ほぼ全員が、映像を観た後に、展示物への興味が倍増する
と言っても過言ではありません。家族連れ、カップル、あらゆる方達に観て欲しいと思います。

但し、会場でメイキングを見てもらうとわかるのですが、9分ちょいの映像で、あれだけ手間と
試行錯誤を繰り返し、あれだけの人員が動いているわけですから、魂を揺さぶられるのも当然と
思う反面、これを長編で作ったら、どれだけの金がかかるか?そんなことを考えました。

はたして、今の時代に、それだけの金を出し、口を出さずに(笑)クリエイターに思う存分
やらせてくれる制作会社があるのか?ということです。

僕は、映画の世界でも、音楽の世界でも、昔と変わらない、いやそれ以上の優れたクリエイター
が沢山いると思っています。違うのは、制作会社の側の姿勢じゃないかと思っているのです。

また、あらゆる業者が複雑に絡んでたりすることもあって、それぞれの利益のために作品の
クオリティー以外のもの?が重視されてしまい、最終的には、クリエイターが望む方向とは
別の方向に行ってしまうということも多々あるのではないか?ということです。

これは、利益を出さなきゃいけない以上、仕方がないのだと思う反面、これでいいのか?と
常々、思い、現代の作品に対して歯がゆく思っているのです。

見識があり度胸もある経営者のもと、優れた作品が次々と生まれたけど、作品は残って会社は
残らなかったということもありますから難しいところです(笑)。

いずれにせよ、その気になれば、優れたクリエイターはいるし、過去の作品に負けないどころか
それ以上のものが作れるはずなんだということを付しておきます。

あと、特撮というと、ゴジラやモスラなどを安易に復活させるのも、個人的にはやめてほしい。
大切なのは、過去の技術や「魂」みたいな所を受け継ぐことであって、過去の作品の焼き直しじゃない!

それこそが「温故知新」であって、
僕が、このブログで古い作品を紹介するのも、それを焼きなおして欲しいからじゃないのです。

そこに込められたテイストとか魂みたいなものを「新たな作品」として再現することです。

また、金をかけずに、丁寧で心のこもった魂を揺さぶるような仕事もできるはずと思うのです。

いずれにせよ、今回の特撮博物館の見学は、記憶に大きく残るものでした。

できれば、展示品に目が行くと思うのですが、壁に掛けてあるクリエイターたちの言葉の
一つひとつにも目を向けてみると良いと思います。何か揺さぶられるものがあるはずです。


特撮博物館は、10月8日までですので、興味を持たれた方は、お早めに!


それでは、次回!