「ROBOT(ロボット)」榊原郁恵

作詞・松本 隆 作曲・筒美京平 編曲・船山基紀
 

榊原郁恵さんのベストアルバムを購入して聴いてみました。

郁恵さんは ホリプロスカウトキャラバンの

第一回グランプリになられて芸能界入りされたと記憶しています。

何事もそうですが第一回、というのは続けるためには大変重要で

ホリプロも社運を賭けての大プロジェクトだったのではないかと

感じます。

 

なにしろ第一回グランプリの郁恵さんですから

シングルを集めたこのCDを聴いても

バックの演奏が豪華ですし とにかく手を変え品を変え、と

ホリプロのプライドを感じるような郁恵さんの作品を

聴かせていただきました。

 

周りもものすごく頑張っていらっしゃったこと良くわかりますが

ご本人もその期待に応えようと きっと必死だったんだなぁと

そういうことを感じました。

 

郁恵さんは とにかく元気印で

パワーがおありでしたので

多分 好きなように自由に歌ってください、と言ったら

朗々とのびやかに

明るく楽しく歌い上げられる方なのだろうと思います。

それは天性のもので素晴らしいと思います。

ただ 普通の人と比べると 郁恵さんのパワーが大きすぎるので

普通の人が ずっと聴き続けていると

気持ちがついて行けなくなってしまうというか

休憩したくなってしまう・・・という感じもなきにしもあらず、

という感じもしてきます。

 

声質が明るいですし

パワフルですし

のびやかですし

屈託がなく素直ですから

気持ちがルンルンの時に聴くと

楽しくて最高だと思います。

 

しかし そういう時ばかりではないので

この明るさがしんどい時もあり

難しいのだなぁと思います。

 

スカッと明るい歌声で

感情もとても歌に込めて歌われる方ですから

郁恵さんは 性格も良くサッパリとして素直な方なのでしょう。

 

さ行を とてもはっきり パッと発声されるために

お色気とか哀愁が 少し感じられにくく

思った以上に はつらつと元気な感じが出てしまい

抑えた感じが難しかったんじゃないかな、って思います。

 

そういう面に注目して 全曲聴いて思うのは

やっぱりこの「ROBOT(ロボット)」は 一番いいな~

さすが 松本&筒美コンビの作品だと思いました。

 

ロボット、という設定にされることで

感情を抑え 淡々と歌われることをされたのです。

お二人は敢えて

気持ち良く歌い上げる部分を作られなかったんです。

 

やっぱり すごいなぁ~

さすがだなぁ~~っ、って。

 

月だけが夜の空を彩り

ため息のほうき星が流れる

あなたに命令されれば

私は何処でも飛んでく

 

だからこの曲は特に歌のはじめの部分がすごくいいんです。

とても哀愁が出ています。

心地良いですし 共感できます。

 

郁恵さんは 紅白でこの歌を歌われたように記憶しています。

その年 お父様が亡くなられて

天国のお父様に向かってこの歌を晴れの舞台で

歌われたと思いますが

きっと天国のお父様に届いたのではないかな、と思います。

この歌は記憶に残る歌ですし 紅白でも

ひと際 目立っていましたし

なんかテレビを見ながらもらい泣きしたように思います。

 

記憶に残る 郁恵さんの「ROBOT(ロボット)」は

名曲だと思います。