このところの当ブログで、名著『アメリカ・インディアン悲史』(藤永茂さん著/朝日選書)を取り上げました。当ブログ6月2日~3日に書いたように、あとからやって来た白人たちが「先住民」にどのようなことをしたか、この本を読むと、人間はここまで残虐なことができるのか……と思ってしまいます。

その中に、「チェロキー族」を強制収容所に入れ西チェロキーに移住させるくだりがあります。豚小屋のような収容所に押し込み、監視して外に出れないようにして病人や死者が続出。13000人の移動に50台の幌馬車。これには老人や病人が乗せられ、多くの人が1300キロの道のりを歩かざるを得ないというものだったのです。この移動を、白人の業者が一括して請け負い、費用を中抜きし、先住民の人々には劣悪な環境を押し付けていたのです。何しろ、出発にあたって毛布一枚しか支給しなかったといいますから、人間扱いしていないのです。そうやって、先住民の命を蔑ろにして「利ざや」を稼ぐ業者が肥えていったのです。

同じような構図が今もありますね。東京都庁の「プロジェクション・マッピング」、2023年の予算は7億円、今年2024年はさらにあがって9億5000万円の予算となっています。映像制作に3億5000万円、投影機器のリースや保守点検に6億5000万円と何ともザックリとした内訳です。何と2年間で16億円ですが、これを仕切っているのが「電通」の子会社なのです。

はて? 「電通」は「東京五輪組織委員会」との癒着、中抜きで「出入り禁止」処分になったのでは? もう「ほとぼり」がさめたと思ったのか、いつの間にかまた、政界に食いつき、入りこんでいたのです。

都知事選に立候補した蓮舫さんも指摘していましたが、都庁の「プロジェクション・マッピング」を年がら年中やる必要があるんですかね? 僕なんか東京にずっと住んでいるけれど見たことないし、見たいとも思わないんですけど。観光客向けとか理由をつけているけれど、要は「電通」ありきの癒着事業なんでしょう。もっと、税金を使うべきところがあると思いますがね。

「東京五輪2020」では組織委員会の三分の一を派遣したという「パソナ」とかも相当な「中抜き」で潤ったといいますよね。コロナ禍で小さなお店が経営に苦しんでいるときに、タケナカ平蔵のような銭ゲバがガッポリ稼いでいたわけです。

利ざやが得られると見るや目ざとく、ハゲタカのように群がってくるのです。自分たちに金が集まれば、ほとんど、人の命や生活なんかどうでもいいというこの連中、「チェロキー・インディアン」の移動で荒稼ぎした白人悪徳業者と変わりません。(ジャッピー!編集長)