こんばんは。
字を書くのが楽しくなり、もっとお稽古したくなるペン字・書道教室の太田真采世です。
38都道府県で緊急事態宣言が解除されましたね。
まだ私の住んでいる埼玉県は解除されませんので、行き来はできないのですが、せめて手紙だけでも・・・と友人に手紙を書いてみました。
このところ快晴続きで気温も夏のようなので、スカッと爽やかなPILOTのink「blue」で。
ボトルインクは万年筆だけじゃありません。
このようなコンバーター式の筆ペンでも使えます。
PILOTさんだと色彩雫(いろしずく)がカラフルなボトルインクの先駆けで、私も大好きです。
この前の記事で、ガラスペンで使ったのは色彩雫の松露という濃い緑色のインクでした。
でも今日はスキっとした潔い青に心惹かれたので、オーソドックスな「blue」です。
軽さを出したいので、ペン先のインクをティッシュで少し拭き取って書きます。
写真の文字も、色はすっきりした青ですが、濃度は薄めだと思いませんか?
でもこれ、全部が薄いとダメなんです。
例えば書き出しの相手の名前は他よりも濃く書いているのがわかりますか?
これが「ごぶさたして」の「たし」が濃かったら、何だか変に見えますよ。
他の言葉よりも少し協調しておきたい部分で、ゆっくり書くとか、2重で書くなどの技を使って、濃さの調整をするとすてきに見えます。
ちなみに2重で書いて濃くするのは、2重に書いてもなぞったことがバレない人限定です。
書道で「二度書きはするな!」とよく言われますが、二度書きしても二度書きしたことがバレないようになぞれるなら、なぞっても良いんです。
それも立派な技ですから。
でも多くの方は、「あ、ここ二度書きしたでしょ。」と指摘されるような出来だから、やってはダメと言われるのです。
筆ペンで書くときも、ゆっくり書くとインクが多く紙に落ちますから、濃度が濃くなり、早く書くとインクの色が薄くなります。
そして文章でここは強調しておこうと思う言葉が濃くなるように、速度なりなぞるなりして濃淡を出します。
この濃淡は、カートリッジ式の筆ペンでは残念ながら出せません。
インクが常に同じように出てしまうため、薄い部分が作れないのです。
もしカートリッジ式の筆ペンで何か違いを出そうと思うなら、太細の変化をつければ良いでしょう。
あなたも久しぶりに友人や実家の両親にボトルインクで手紙を書いてみませんか?
きっと喜ばれますよー。