「藤木、で死ねますか?」 | 仰いだ先は青く

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諸葛亮、三国志が大好き。読書、旅行、ゲーム、映画、なども好きです。

ブクログをまとめていたら、色々懐かしい本が沢山思い出されてきました・・・。

そんな中、ものすごくハマって今でもたまに読み返すシリーズがあります。

「ブラディ・ドール」シリーズ(by北方謙三御大)

“ブラディ・ドール”シリーズ(全10冊)
架空の都市N市にある酒場、「ブラディ・ドール」の経営者である川中を中心に展開されるハードボイルド小説。第1作の『さらば、荒野』と第10作『ふたたびの、荒野』が、川中を主人公とした一人称小説であり、その他の巻では、それぞれ別の人物を主人公としている。

・さらば、荒野(カドカワノベルズ 1983年 / 角川文庫 1985年 『ブラディ・ドール1』)
・碑銘(角川書店 1986年 / 角川文庫 1987年 『ブラディ・ドール2』)
・肉迫(角川書店 1987年 / 角川文庫 1990年 『ブラディ・ドール3』)
・秋霜(角川書店 1987年 / 角川文庫 1990年 『ブラディ・ドール4』)
・黒銹(角川書店 1988年 / 角川文庫 1991年 『ブラディ・ドール5』)
・黙約(角川書店 1989年 / 角川文庫 1992年 『ブラディ・ドール6』)
・残照(角川書店 1990年 / 角川文庫 1992年 『ブラディ・ドール7』)
・鳥影(角川書店 1990年 / 角川文庫 1993年 『ブラディ・ドール8』)
・聖域(角川書店 1991年 / 角川文庫 1993年 『ブラディ・ドール9』)
・ふたたびの、荒野 (角川書店 1992年 / 角川文庫 1993年 『ブラディ・ドール10』)

(wikipediaより引用)

北方謙三はハードボイルド作家ですが、このシリーズは特にその傾向が強いと思います。

「北方三国志」にドはまりした自分が読み出したこのシリーズですが、もうとにかく「男臭い」(笑)

この小説の舞台が「架空の街N市」となっているのですが、明らかに「モデル、沼津っしょ?」という感じですので(S湾とか出てくる)よく「浸りたい」時には一人で沼津まで車を飛ばして、駿河湾見ながらタバコ吸って帰ってくる、という中二病まがいな事をしていた時期もありました。
(何やってんだ私は・・・)
ちなみに、ドライマティーニはふた口で飲むのが鉄則です。

もう、出てくる男達が格好良過ぎて・・・。

特に、藤木年男!君だよ、君!

タイトルの「藤木、で死ねますか?」はブラディ・ドール好きであれば絶対に知っている名言です。

もはや北方謙三ファンでこの名言を知らない奴ァ、もぐりですよ(机ばしばし)

男どもが放つ名言が多過ぎてどれをあげればよいのやら・・・。

出てくる小物や車、葉巻の銘柄やお酒、そういったもの全てから「男」の匂いが漂う、コッテコテのハードボイルド小説。
こういうのが好きな人間にはたまりません。
どうせやるのであれば、ここまでやりきっていただきたい。

北方謙三は特に好き嫌いが大きく分かれると思いますし、文章についても「すっごく上手か」と言われると「ん?」という気もします。・・・正直。

ですが、文章の巧さはこの際どうでもよろしい。

「この人じゃなきゃ書けない」そこに価値があるんだと思います。
文章巧いだけなら国語の先生だってそうさね。

この人じゃなきゃ、若者の人生相談の回答に「とりあえず、ソープに行け」とは言わないよ(笑)
それの善し悪しは二の次。
「この人じゃなきゃ」というのが大事。
私にとってはね。

以前どこかのインタビュー記事で読んだ気がしますが、北方謙三が大学生の頃、同棲していた女性が部屋で自殺をしていた(ちょっと曖昧ですみません)という重い経験をした時「死って、こんなものか」と思った、そういう旨の記述を覚えています。

そういった経験や学生運動の内ゲバなどで生徒同士の殺し合いなどを見てきた為か、北方謙三の書く「死」は非常にあっさりしている事が多いです。

これはこのブラディ・ドールでもそうでしたし、三国志でもそうでした。

この「死」の扱い方は、当時の自分にとって非常に衝撃的でした。
それまで、小説などの作品の中で一番の「クライマックス」は「死」だと思い込んでいたのですが、そういった固定観念をひっくり返されました。

それまで物語の核となっていた人物があっさりと死んでしまう。

そして周りの人間の反応もすごく淡々としている。
慟哭したい気持ちを抑えて「こんな、もんか」という風にやり過ごす。

よくもわるくも「死」は日常の風景なのか、とぼんやり考えた覚えがあります。

「覚えていれば、それでいい」という風に、今まで心のそこから繋がっていた友人の死体には見向きもせずに立ち去ります。
もう、死んでしまったら、それは友人ではない。
覚えていること。それだけが、自分に出来る事だ、と。

ああ・・・かっこいいなあ。

まあ、こういうのを実際にやられた日にゃ「大丈夫?ちょっと病院行こうか」という話になりますが、小説の中であるからこその美しさ。

ちなみにこの「ブラディ・ドール」シリーズの他に「約束の街」シリーズがあります。
6巻目の『されど君は微笑む』から川中(ブラディドールの主人公)が出て来ています!
さーらーに、坂井も!
坂井は歳を重ねる毎に藤木に似ていくねえ・・・。
読んでいて切なくなる時があります。

って、調べていたら新巻『されど時は過ぎ行く』出てるじゃないですか!!
びっくり!買わなきゃ!
(御大、同じシリーズのタイトルに「されど」が重なってますよ・・・編集が注意してあげてよ、こういうの)
社会人やって忙殺されている内にこういうロマンから遠ざかっていたよ、自分・・・。反省(なんの?)

やっぱり、ロマンって大事ですよねえ・・・。
よし!これからもロマンを大事にして、人生を邁進するぞー!
ドライマティーニはふた口で飲み干せー!
ジッポに墓碑銘忘れるなー!
蕎麦はとろろだー!

・・・は!なんかテンション上がってた今。

まあ、そういうかんじですよ。諸々。
(最悪の逃げ方でスミマセン)