チョコレートコスモス | 個人的読書

チョコレートコスモス

恩田 陸
チョコレートコスモス

「チョコレートコスモス」
恩田陸・著
毎日新聞社・出版


『天才演劇少女あらわるあらわる。』


 本書は、本の雑誌の、2006の上半期のベスト本にもエントリーされていて
面白い、面白いって、噂は聞いていましたが、
評判どおりの面白さ、テンションが凄かったです。
 
 簡単に言うと、これって、恩田版「ガラスの仮面」なのですが、
それを言っちゃうとそれまでなので、、、。


 W大でも、かなり傍系の演劇サークルが、公園で地味ーっに練習しているところに、
一人のこれまた地味ーっな少女が現れます。
 彼女の名は、佐々木明日香。
そう、彼女実は、天才舞台女優だったのです。
 というお話し、、。


 恩田さんって、恩田さんがやみくもに読書していた時代に親しんだ
作品を割りと簡単にぽーんと持ってきて、恩田ワールドに組み込んでしまう
と、書いてしまうと悪口になっちゃうので、書きませんが、(←書いてるじゃん)
これもガラスの仮面から、easyにぽーんと持ってきたとは、
決して思いたくないほどの面白さ!!。


 というのも、恩田さんの作品ティストってスーパーナチュラルまではいかないけれど、
誰もが、微妙に感じる不思議な力とか能力を作品の骨子にもってくることが、多いし
それこそが、恩田さんの作風なのですが、
 この演劇の演技という身体表現ほど、体の使い方と物理的に恩田さんは
アプローチもしていますが、これほど、オーラというか、えもいわれぬ表現力で相手に伝える、
不思議な能力はほかにありません。
正に、恩田ワールドに合致するテーマです。
いままで、恩田さんが、作品にとり挙げてこなかったことのほうが、不思議なくらい。

 その演技力と言う不思議な力をおかしな力でしょって、取り上げるだけでなく、
オーディションと、舞台上の異様な緊張感みたいなものをあわせて、
物凄いテンションで、正にオーディションは、バトルなので。
 書ききったのが、本書です。
読みどころは、各種お題が出されて、名女優たちが、
文字通り、戦う、オーディションの場面ですね、、。
 そう来たか、ああするか、そんなことまで、表現するか、
そんな感じです。
 演劇に疎い、私など、圧倒されっぱなしでした。 


 「欲望という名の電車」もオーディションで使われるのですが、
何にも判っていない、高校生の時ビデオで名画だからと、
ヴィヴィアン・リーの映画版を
漠然と見ただけで、こんなに深く理解していなかったなぁ、と恥ずかしくなりました。


 「ユージニア」に引き続き、恩田さんには、圧倒されっぱなしです。
これで、恩田さんの打率が高い、と書きたいところですが、
 大量の恩田作品の中から、私が、勝手に自分に合いそうなのを、
choiceして、読んでいるので、打率の点は、保留ですね、、。
でも、この本は、面白いですよ、オススメ。


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