池田 信夫氏のブログから
ルイス・キャロルの『鏡の国のアリス』
に、赤の女王というキャラクターが出てきます。この世界では、すべてがあべこべで、アリスが女王と一緒に走ってもまわりの風景は変わりません。アリスが驚いて「まあ、まるでずっとこの木の下にいたみたいだわ! なにもかももとのまま!」というと、女王はこう答えます。「ここでは同じ場所にとどまるだけで、もう必死で走らなきゃいけないんだよ。そしてどっかよそに行くつもりなら、せめてその倍の速さで走らないとね!」
このメタファーは有名で、生物学にも「赤の女王仮説」
というのがありますが、ビジネスにも通じます。資本主義は、つねに新しいことを続けていないと競争に敗れる、赤の女王の世界なのです。これは実は、新古典派経済学が想定している市場経済とはまったく別の原理です。市場経済は古典力学的な均衡に向かう熱的な孤立系で、均衡状態では利潤はゼロになります。しかし利潤がゼロになったら、資本主義は終わりです。それはつねに外部からエネルギーが供給され、利潤という不均衡を作り出す非平衡系なのです。
活きの良い鰯を消費者に提供するために,銚子沖から港まで鰯を運ぶ水槽の中にアンコウを入れるそうだ。
鰯はアンコウに何匹か食べられるけれども,そちらの方が鰯が死ななくて,活きが良いということを以前聞いたことがある。
この仮説も資本主義経済に似ていると私は思う。
明らかに犠牲者はでる。
競争社会では,勝ち負けがはっきりと分かれる。
赤の女王と鰯と・・・・
鰯。
資本主義経済の仮説なんてあっちこっちにある。
皆が意識していないだけだ。