前回、私がやってきている食事療法について書きました。

 

さて、ではこの食事療法で癌が治るのか?、については、「劇的に治る、完治する人もいれば、全然治らない人もいる。その境目、どういう人・癌に効いて、どういう人・癌に効かないかは、一定の傾向や予想はできるが、明確なことは言えない」というのが、現時点での真実だと私は思っています。

星野先生ご自身が、再発後は標準療法を断り、食事療法を中心とした代替療法で完治されたのは紛れもない事実だと思いますし、済陽先生の本に掲載されている、改善、あるいは完治したたくさんの例も、これも事実だと思います。医師やマスコミの中には、「癌の食事療法」という言葉を聞いただけで、「インチキ」「でたらめ」「根拠なし」と言う人もいます。しかし、医学界から「異端」とされるリスクを負ってまでこうして堂々と本を出版されており、この本や食事療法でお二人が儲かるわけでもなし、嘘を付くメリットや理由が全くみあたらないと私は思います。食事療法は基本自由診療のため、患者からもらえるのは「相談料」くらいなので、不当に高額の食品を売りつけるのでない限り、食事療法で医師が大きく儲けるのは非常い難しいのです。お二人は、私が知る限り、何かの食べ物を推薦されることはあっても、直接は食品の販売をされていません。(済陽先生は、本の印税が多少の収入にはなっていると思いますが(笑))

また、済陽先生については、私は一度、実際に先生が経営されている西台クリニックに行って、対面で食事療法の相談を受けました(自由診療で、3万円也)。PET/CTを必ずセットで受けない点が少し面倒であり、また、お金もかかるのですが(PET/CTは、癌患者なら保険が効くと思います。私は効きました)、実際にお会いしてお話を聞いても、普通に食事療法のアドバイスをしてくださっただけで、もちろん高額の何かを売りつけられたりは一切ありませんでした。本当に熱意と信念で食事療法を普及させたいと思っておられるのだと思います。私に関しては、食事療法のアドバイスそのものは、正直、本に書いてある以上のことはほとんど言われず(私は済陽先生の本だけで6冊くらい読んでるので当然かもしれませんが)、また、肺癌には正直あまりお詳しくないようで(PET/CTの読影は、他の先生もいらっしゃり、大丈夫だと思います)、二度目はないかなという感じです。また、食事療法は消化器系の癌や乳がんには比較的効きやすく、肺癌には比較的効きにくいとも仰っていました。

肺癌に効きにくいというのはその通りで、私の食事療法の結果はと言えば、再発してしまったことからすると、少なくとも癌の再発・進行を止めるほどには効きはしなかった、という残念な結果でした。ただ、だから食事療法が全く無駄だったかと言えば、体調は以前にも増してよくなりましたし、薬の副作用も比較的軽かったので、それは食事療法の効果があったのだろうと思っていますし、だからこそ今も続けています。

また、私の親については、消化器系の癌だったからか、その後5年を超えては生きましたので、一定の効果はあったと思います。

ということで、済陽先生や星野先生の本には、食事療法で劇的に改善した症例がたくさん紹介されていますが、その一方で、全く効かない人がいるという事実は、極めて重要だと思います。確かに、お二人の本には、全ての癌患者に効くとは仰っていませんが、どうしても治った人に焦点があてられているので、バイアスをかけて読んで、それに頼り切って完全に標準療法を絶ったり、CTなどの経過観察もせずにいると、食事療法が効かずに完全に手遅れということになりかねません。少なくとも、CTなどの画像診断は、客観的に体の中を見ることができる非常に有効な手段なので、代替療法をやっていても、何年も経ってもう完全に大丈夫とんなるまでは、定期的に行うべきだと思っています。

食事療法が効果がなかったという一例を挙げると、『僕は、死なない』という本を書かれた刀根健さんという方は、末期の肺癌患者でしたが、診断後徹底的な玄米菜食中心の食事をされたと書かれています。明確には書かれていませんが、内容からしておそらく星野式だと思います。しかし結局、食事療法や、その他の陶板浴等々の数々の代替療法の甲斐もなく、癌はどんどん進行し、もう死ぬ寸前まで行かれました。といっても、生きていること自体が奇跡的なくらい客観的には悪い状態だったようで、代替療法が一定の効果はあったのかもしれません。でもたぶんそのままだともう本当に亡くなるという寸前までいったときに、ALK遺伝子変異陽性だということが分かり、その分子標的治療薬を服用してから、劇的に改善した、ということです。つまり、この方の場合、「引き寄せの法則」とかスピリチュアルなことをいろいろ仰っていますが、客観的に事実だけ見れば、食事療法を含む代替療法は癌の進行を止めるほどの力はなく、逆に、標準療法(現代医療)の分子標的治療薬が劇的に効いた、という例だと思います。

 

他にも、いろんな闘病ブログや、代替療法の本をアマゾンで探すときに「1」が付いたレビューをぱらぱら見ても、食事療法を信じて続けたが結局甲斐なく亡くなったという書き込みをけっこう見ます。それらの方々がそこで嘘を付く理由もほとんどないので、それは事実なのでしょう。なので、食事療法、代替療法だけを信じて治療を進め、標準療法を完全に絶ってしまい、画像診断すらしないのは非常に危険だと思います。ただそのことは、標準治療についても同様で、標準治療だけを信じて医師に自分の人生を預けるのも、場合によってはそれしかない、あるいはそれが最善のこともあるでしょうけど、癌の進行度合いが低ければ低いほど、自らより良い選択肢を断ち切ることのように思います。


ということで、私については食事療法だけを信じて、タグリッソの服用をやめるわけにはいかないなと思っています。

では何を考えているかは、また次に。(なかなか結論にたどり着かず、すみません)