チャコズガーデン/明野 照葉
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好きな作家さんです。人を殺したとかでない本をやっと読んで、そして、やっぱり、サスペンスやホラーばかりだとつらいなっと感じたのでした。普通の話は、ほっとします。



この本の根底にあるのは、”禍福の法則”----大きな幸福を得たものは、大きな代償を支払わなければならない----っといったもののような感じがします。作者自身が、この感覚を持って、それを登場人物に当てはめたっという感じでしょうか。私も似たような観を持っていますが、少し違います。私は、無償にて、人のためなるをしている人は、幸福の代償を払うことはないと思ってますから。それに幸せは、我慢や努力をしなくてもいいというのとは、ちょっと違うと思うのでね、まあ、その辺りですか。。。



渚の夫が気に入って買った東京吉祥寺の瀟洒な分譲マンション。渚が夫と幸せにそこで暮らしたのは3年足らずだった。夫は運命の人を見つけたと言い、渚にこのマンションを慰謝料として渡して出て行ってしまう。渚は、何もする気力がなくなってしまって、引きこもりのようにようになってしまうが、ケイトたちが引っ越して来た頃から、いろいろなことが起こり、引きこもりでいられなくなってきてしまった。そして、今まで知らなかったマンションの住人のいろんな事情、孤独を知ることになっていく。最上階7階全部を一人で使っている老婦人、ペントハウスレディとは、どんな人なのか。7階にだけある直通エレベーターは、ペントハウスレディが最初から入ることが決まっていて作られたものなのか。昔の近所付き合いのような関係が、このマンションで始まっていく。



久しぶりの明野さん。こういうほのぼの系というのも面白かったですが、明野さんの女の世界のような小説をまた読んでみたいと思ったのでした。