ダークゾーン/貴志祐介
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人気作を何気に予約していたら、貴志さんでした。前作でファンになってしまった私としては、大いに期待大。しかしですね、こちらの作品は、ちょっとばかり疲れるものでした。


将棋の7番勝負を人間将棋のように戦うわけですが、目次を見ると、8局あるんですね。で、4勝した方の勝ちということが最初に書かれているので、つまりは、8局目までは、勝負がつかないってことだなってことがわかります。


そして、その1局1局が殺し合いなわけですが、これが疲れる。8局まであるんだから、もう、どっちが勝ったとか結果だけでいいよなんて、私は、思ってしまいました。ただ、戦いの中にも、現実世界に関することがチラホラと書かれているので、そこのところは、飽きさせないようにとの配慮もあったのでしょうね。



プロの将棋棋士を目指す大学生の塚田は、ふと目覚めると、異次元のダークゾーンという場所にいた。赤のオーラをまとった18人の奇妙な容姿と特殊能力をもつ、しかし、よく見れば全員知っていた人たちで構成されたチームの王将(キング)となっていた塚田は、なぜここにいるのか、なぜ戦わなければならないのか、訳のわからないまま、青のオーラを身にまとう18人のチームと戦わなくてはならなくなっていた。そして、青の王将(キング)は、将棋のライバル、奥本だった。どちらかが、キングを殺せば、その勝負は終わるのだが、4勝しなければ、勝利にならない。そう、人間将棋ならぬ、殺し合いバトルだった。そして、一つ勝負が終わる度に、現実世界での塚田の生活が浮き彫りになっていく。



最後まで読むと、このダークゾーンのオチがわかるわけですが、うーん、もっと面白い、神秘的なオチが良かったなんて、思ってしまいました。


まあ、将棋、チェスを全然知らなくても、面白く読めたのですけど。