8/4は父の誕生日でした。

亡くなったら歳は取らないので生誕72年ですね。

 

去年のその日に私は父と電話して「年を取れるのは生きている者の特権だね」と話した。

父も穏やかに「そうだな」と言った。

 

去年の父は母は入院中で一人で回転ずしを食べてからスナック菓子を買って帰宅後、私と電話とした。

電話越しにポリポリと乾き物を食べている音がしていたのを覚えている。

「お母さんが一緒じゃなくて寂しいんじゃない?」と聞いてみたら、

「別に寂しか無いけど、いつもの話し相手が居ないのはやっぱりちょっとつまんないな(笑)」と少し笑った。

それは素直じゃない父さんの最上の感情表現な気がしました。

 

父は本当に頑固だったし、ひねくれてもいた。

何と戦ってんだろうと思うくらいに。

 

例えば、母が料理を「美味しい?」と聞けば「黙って食べてるんだから美味しいってことだ、いちいちい聞くな」と言ってよく母を怒らせていた。

私も母も「言葉はただなんだから、聞かれたら『美味しいよ』の一言だけでこっちは嬉しくなるのよ」と父に言うと、機嫌が良ければ「そうか?はい、美味しいですよー」とおちゃらけて、虫の居所が悪ければ「うっとおしい!」と言うのです^^;

 

しかしそこは長年一緒にいる母、「あったま来るわぁ」と言いながらも長引かせずさっさと気持ち切り替えていたのは偉いなと思う。

 

そんな頑固なところもあるけれど母の事はきちんと大切にしていた。

例えばバレンタインデーは父から母に甘いものをプレゼントするのだけど、ホワイトデーも父から母へプレゼントだそうな。

ギブ&ギブじゃん!

 

平均年齢より随分早く亡くなってしまい、母も60代で未亡人になってしまったけど。

数えきれないほどある幸せな、面白い、或いは腹の立つ思い出の全てはこれからも生きていく私達の心に沢山の栄養をくれます。

 

 

父が亡くなってから、父を想わなかった日は1日もありません。

父が入院し亡くなった病院の近くを通るたび苦しくならなかったこともありません。

いつか本当の意味で受け入れて生きて行けますように。