〇きっかけ
これまでもフラワーロスについて調べてきた。今回はとちぎ花センターの職員さんから、生産段階についてのロスについて詳しいお話を聞くことができた。
〇生産段階のロスフラワー
私:ロスフラワーについて調べているのですが、なかなか根深い問題だと感じています。
職員さん:そうなんです。花は人の生活を豊かにしてくれます。けれども、食品のようになくては生きていけないという必需品ではない。だから、ロスの問題や取り組みも食品ロスとはまた違ったものかもしれません。
私:フラワーロスには、生産と販売のシステムも関係しているように感じているんです。
職員さん:その通りです。今回は分かりやすいのでカーネーションで説明しましょう。
私:カーネーションというと5月の母の日のイメージがあります。
職員さん:おっしゃるように、母の日はカーネーションの需要のピークになりますね。でも、カーネーションはもっと早くから咲いている。生産者さんによっては11月から切り花として出荷しているところもあります。でも、母の日以外はそれほど需要はない。だから、需要が低い時期というのは収穫しても出荷せずにロスになってしまうこともあるんです。
私:市場に出る前にロスになってしまうなんて…。確かに母の日以外ではカーネーションをあまり見かけないし、自分でも買わないかも。
職員さん:実は母の日シーズンでも、ロスは起きるんです。
私:需要が高い時期にもロスは起きるんですか?
職員さん:はい。その時期はカーネーションの需要が高いので、たくさんのカーネーションが農家さんから出荷されます。たくさんありすぎて供給過多になり、カーネーションの値段がかなり落ちてしまうんですね。市場で一本10円になってしまうという話も聞いたことがあります。10円では買ってもらったとしても農家さんは赤字なんです。運送費や施設管理費、人件費などもありますから。それではわりにあわないと、出荷を諦めてロスにしてしまうこともあるんです。
私:そんなに残念なこともあるんですね。やっぱり、ロスを減らすと言っても、経済の複雑な仕組みも関係していて難しそう…。
職員さん:販売を担うお花屋さんは、ロスを出さないように工夫をしていますね。値段を下げたり、短く切って水揚げ処理をしたものをミニブーケにしたり・・・。一方で、フラワーロスの問題に生産段階から向き合っていくのは、本当に難しいと思います。
とちぎ花センターの職員さん、インタビューに答えてくださり、ありがとうございました。
〇ふりかえり
植物のビジネスや、生産に関わる農家さんをもっと応援したいという気持ちから、ロスフラワーが少なくなってくれることを願っている。今はまだ、問題の大きさに途方にくれてしまっている。けれども、自分にできる支援の方法をこれからも考えていきたい。