先日、少し遠出して、家族で福井県立恐竜博物館に行ってきました。
恐竜が大好きな子供たちに連れられて、混み合う館内をあっちこっち。
お目当ての恐竜…というよりは、恐竜の大きさを実感したり、多様性に触れたりすることがいちばんの楽しみ。
ブラキオサウルス・アルティトラクス Brachiosaurus altithorax を下から見上げたところ
「おっきいなぁ!」「うわーおっきい!!」
ゾウやキリンを遥かに凌ぐ巨大生物が、この地球上に息づいていたという事実に、純粋に感動しました。
スピノサウルス・エジプティアクス Spinosaurus aegyptiacus の頭骨
「やっぱりスピノはかっこいいね!」
「おやっ、スピノはスコミムスと比べて歯が太いねぇ…肉食性が強かったとか!?」
さまざまな恐竜を見比べて、多様な暮しぶりを想像し、心躍りました。
ただ、この恐竜たちがすべて絶滅してしまったという事実には、深い深い寂しさを覚えました。
6,600万年前、直径10㎞の隕石が地球に衝突して起きた、大絶滅。
栄華を極めた恐竜たちの時代は、そこで一つの区切りとなりました。
暗黒と寒冷の時代を生き抜いた、小さな命たち。
―いま、恐竜たちは鳥となって、大空から我々を見下ろしています―
世は「人新世」とも呼ばれる時代。
地球上のありとあらゆる場所に進出したヒトの活動が、恐竜の大絶滅を超えるスピードで生物を滅ぼしています。
大絶滅を生き抜いた恐竜—鳥—たちは、そんな我々を見下ろして何を思っているのでしょう。
ふと、福井に向けて出発する前、家の庭でみつけたハエを思い出しました。
キアシケバエ Bibio pomonae ♀.
23.Ⅺ.2023. Ina-valley. Nagano. Japan.
フルカ(古蚊)とも呼ばれるケバエの仲間は、多くの化石種があります。
古くは後期白亜紀の化石もあり、先の大絶滅を生き延びた「生き証人」の一人です。
大絶滅時代をどう生き延びたのか、この古老なら、ひょっとして何か知恵を持っているのではないか…
地の虫、空の鳥に、尋ねる日々は続きます。