山の上では紅葉が始まりましたね♪

 

みなさま、いかがお過ごしですか?

 

秋本番となり、ハナアブの撮影も再び忙しくなってきました。

 

最近は、自宅からほんの数分で行ける場所へ専ら通っていますが、行くたびに新たな出会いがあって楽しいです。

 

コウゾリナやシオンの仲間の花々には、オオオビヒラタアブをはじめ、様々なハナアブが訪れています。

 

黄色と黒の目立つ種類の他に、地味な、黒っぽい色のハナアブも多くいます。

 

地味な種類であっても、採集してよくよく観察すると、それぞれの個性が光ってきて、興味は尽きません。

 

クロモンコハナアブ Pipiza lugubris

19.Ⅸ.2023. Ina-valley. Nagano. Japan.

 

全体的に黒いですが、翅の中央に目立つ斑紋があったり、よく見ると全身に美しい銀色の毛をはやしているなど、じつにチャーミングです。

 

コヒラタハナアブの仲間 Pipizini は、幼虫が別の虫を捕食するプレデター。

 

でも、その暮らしぶりは…地味なためでしょうか、よくわかっていないようです。

 

ミフシコヒラタハナアブ Triglyphus aureus.

19.Ⅸ.2023. Ina-valley. Nagano. Japan.

 

こちらも同じくコヒラタハナアブの仲間 Pipizini。

 

黒い体に体長は5㎜ほどの小ささで、目立たないことこの上なしです。

 

しか~し!

 

実体顕微鏡で観察してみると…ふっ、腹部が!腹部がぁ~ぁ~ぁ~!!

(興奮と動揺を隠しきれません!!!)

 

「地味で、どれも同じでしょ?」とか「ハエと大差ないじゃん」なんて、心無い声が聞こえてきそうですが、そんな発言はナンセンス極まりなしです!!!

 

「多様性の神」は、地味で、些細なところに宿ります。

 

小さいけれども大きな違いがわかったとき、道が開けるのです。

 

同じように、そういった些細なところにこそ「人生の妙味」も隠れていると、私は思います。

 

体長5㎜程度の黒くて小さなミフシコヒラタアブを、拡大し、調べ、識別できたときの感動。

 

たくさんの石の中から、輝く宝石の原石をみつけたような、その感動を、もっともっと多くの人に味わってもらいたい!!

 

『地味だからこそ、輝く』

 

それが、私の、誰にも譲れない想いです。