1 性格

ミンジュンは、400年を生きた人であり、その年を表現するため、様々な方法が使われた。まず、20代はあまり使わない表現を使うことで、実はお兄さんにあたるとしであることを見せてくれた(ダンチュエ(一体の意味)、李朝白磁(今韓国では李氏朝鮮と言う表現は使わない。植民地時代を生きたお年寄りだけ)、人の名前の後に「イ」をつける、ゴル・アパ(発音はゴラパ:ゴルは頭、アパは痛い)、3を、サンやセッと発音せず、ソクと発音するところなど)。また、現代の人々は絶対わからない朝鮮時代の悪口を使うことや、明心宝鑑の内容や四字熟語をよく引用する。例えば、「嫁に行くとき、財物を論じるのはオランケの道である(明心宝鑑)」、長幼の序(五輪)、胸中生埃、孤掌難鳴などがある。

このように、年輪がある表現を使っていることを、相手役のセリフや反応からも示してくれる。尊敬語で返事をしたり(10話ソンイ)、思いがけずに相手を納得させたり(6話フィギョンの「わかった。…それをなんでお前が決めるんだ!」、真顔で「お年がどうなりましたっけ」(18話ソンイの母親)などがその例である。

また、ポケットベルを使用していて(3話)、それに驚く人たちの反応を気にしない。時代の変わりも、それに対する周りの反応も気にしないことがわかる。弁護士と会うところも、昔ながらのお茶屋、行ったところも麻雀店など。また、やっと携帯を買いに行って、少なくとも10年以上の前の「よくつながるもの」をしている(この時の店員の反応からも、この時代はずれであることがわかる。一方、このセリフは、ソンイといつも連絡していたいおいうミンジュンの気持ちを表すためにも使われたと考えられる)ことから、周りの反応や社会の変化に無関心であることがわかる。

このような無関心のためなのか、気がきかない。例えば、一緒に暮らそうかという反応がほしいことから光熱費の話を出しているソンイに、真剣に考えた後、「お金、必要なのか」と聞くところや、ドラマの中盤までセミの「いい子ぶり」にきづいてなかった(んじゃないかという視聴者の意見-でも、17話で、セミのことを「猫かぶり」と言ったことから、おそらく気づいていたのではという推測ができる)ことなどがある。

一方、ソンイのお母さんフィギョンを気に入っているのは彼の富のためで、ソンイもまたお金のことで受け入れそうになっていたことを知っていながらも、物事をお金で解決しようとしないことを通して、ミンジュンの道徳的な面を見せている。金で解決しようとするフィギョンと問題解決に金を使わないミンジュン(ジェギョンとの契約を解消するために契約金の3倍の違約金を払ったことが唯一)との対比、また、人間であるにも関わらず倫理的な思考プロセスのないジェギョンと、人間ではないのにもっと道徳的なミンジュン(チャン弁護士を助けようとした時に、調子が悪くて超能力が中間に解けそうになってたことを、弁護士を殺すところだったという。「危うく、彼を殺すところでした」)との対比を通してミンジュンの性格を表しているとともに、物語の展開の面白さを増す効果をもたらしている。

 

2 クセ

気分がいい時にはモノを浮かばせる。反面、気分がいい時でなければ、酔っぱらってる時にでも浮かばせない。7話で、ソンイに「明日からは必ず私のそばについていてね」と言われた後、書斎に入って本を飛ばしたことや、朝鮮時代にお酒を飲んで人も物もすべて浮かばせたこと、また、ソンイと別れ、チャン弁護士とお酒を飲む時にチャン弁護士が、「私はちょっとモノを飛ばすくらいだと思ったのに」と言うシーンがある。これらの内容から、モノを浮かばせるのは気分が良い時に限るという事実がわかる。

 

3 宇宙人の地球人生

最初:好奇心も多く、自分が持っている能力を使って人を助けた

→守ってあげたかったが死に(イファ)、助けたかったがもっと悪くなったり(市場でのギャンブル店の男性客)、変人であると思われる(岩を持ち上げて助けた男性や旧友)。

また、人間は早く死んでしまう。ミンジュンにとって人と関係を持つことはすなわち、別れを意味する。私たち(人間)には短いけど全部である時間が、ミンジュンには限りなく短い時間であるうえに、残された側だけが「傷つく」からだ。

→心を閉ざして誰も信じないようになった。

→心を開いたら、忘れられたくない人ができた(7話)

→しかし、すでに心は開かれてしまった(7話)

→素朴な暮らしを切望するようになった(8話)

→一緒にいたいがそうはできないことから、フィギョンがソンイのそばにいれるように、状況を作ってあげようとする

→ジェギョンが様々なことをし出す

→最善を尽くして守る

このような一連の流れを、19~21話の多くのセリフを通して確認させてくれて、21話で愛の有効期間の3年が経った後も、お互いに愛し合っている姿で再会する。

 

ミンジュンが人との関係を持とうとしない理由は、(少なくとも)二つある。それは、人と別れが嫌だからであって、ミンジュンが特別な存在であることを知っていても彼を利用しようとしない人はほとんどいなかったからだ。まず、別れを嫌がって人と仲良くならなかったのは、21話の最初の部分のインタビューで確認してくれていて、ミンジュンが助けてあげたりして正体を明らかにした時の相手の反応については9話のセリフからわかる。

「私が持っている能力で人を助けたことは多くありません。能力を見せるということは正体を現すということであるが、私がどんな存在なのかをわかってながらも私の利用しようとしないで、ありのままで受け入れてくれる人はあまりいないからです」

このように、ミンジュンが特別な存在であることを知りながら、彼を利用したり、彼から離れたりしなかった人は、イファ、許浚先生、許筠(ホ・ギュン)先生、チャン弁護士、そしてソンイだけだった。逆に、離れたり、変な反応を見せた人たちは、4話に登場した芸者や8話の飲み屋の人たち、13話の10年来の友達などがいる。面白いのは、ミンジュンから離れなかった人のうち、許浚と許筠(ホ・ギュン)先生は歴史的に名前を残した偉人であり、その他の人たちはミンジュンの人生に多大な影響を与えた人であることだ。

 

ミンジュンは2話で、400年を暮らしてきたが持っていく記憶はあまり残っていないと言っている。そのミンジュンに、ソンイと会った後の3ヵ月はあまりにも短い時間だったが、最も大切な記憶を作り出した時間だった。これを通して、「大切なのは時間の長さではなく、共にした人である」というメッセージを見せてくれる。