「命を大切に」と言われたとき、何を大切にするか。
自分の体?心臓?脳?
でも例えば「自分の命」は、体の輪郭で終わりはしない。
自分の中心から、身体の端っこ、皮膚までいって、そこで終わりではない。
大地に続いて、空気に広がって、自分がいる環境そのものが命。
この世が、環境がなかったら自分は存在できない。
逆をいえば、自分が存在しなかったらその環境も存在できない。
昔誰かに聞いたインディアンの詩の話。
「人は生まれた瞬間に膜に包まれる」
その膜は体のことではなく、きっとこの世界。
命はバランス。
共存するしか仕方がないもの。
自分の体がいろんな細菌やウイルスや細胞とバランスをとって存在してくれてるように、自分自身も外側のいろんな環境とバランスをとっていくもの。
だから、何でも自分の思い通りにコントロールしなくてもいい、というか、すること自体がナンセンス。
そんなシャカリキになって躍起になって、神様に勝負を挑もうとするかのように、必死になって生きなくてもいい。
自分だけを大切にしたつもりでも、それは自分を大切にできていなかったことに気づいていないだけ。
寄せては返す波のように、影響されて影響して、その繰り返しで流れていく時間。
それが命。