オーストリアは、常にソビエトを意識して、戦闘機の選定に手心を付けてきたそうです。

その背景には、第二次世界大戦後の独立の経緯があったのです。

 

第二次世界大戦(ヨーロッパ戦線)の戦勝国は、アメリカ、イギリス、フランス、ソビエトでした。(厳密には、現在の台湾も、戦勝国に含むべきかも)

ヒトラーの出身地であり、ドイツと一体化して第二次世界大戦を戦ったオーストリアは、当初は、この4ヶ国によって分割統治されていましたが、1955年に永世中立国として、独立を果たします。

ですが、ソビエトの衛星国であるチェコスロバキア、ユーゴスラビア、ハンガリーに東半分を囲まれていたため、常にソビエトを意識した国政が行われていました。

 

その一つの現れが、戦闘機の選定だったのです。

 

 

 

冷戦時代のオーストリアでは、戦闘機の選定において、アメリカ製を使用しないように、注意していたそうです。

アメリカ製戦闘機を採用すれば、アメリカ寄りと看做されかねないためでした。

そこで、スウェーデン製(当時、スウェーデンはNATO非加盟)戦闘機を採用していました。

このような配慮の結果、オーストリアは、ソビエトからの直接的な干渉を避けることに成功しました。

 

その間、ハンガリーでは、『ハンガリー動乱(1956年)』がありましたが、ソビエトとハンガリー政府によって潰されました。

チェコスロバキアの『プラハの春(1968年)』は、半年後にソビエトが侵攻して潰されています。

 

それくらい敏感な時代を、何とかソビエトの干渉を躱し続けていたのです。

 

 

 

安全保障の妙は、軍事力に力を入れるより、むしろ軍事力を抑える方が、安全に寄与する点でしょう。

 

ウクライナは、ロシアに侵攻されました。

でも、侵攻前の国防予算のGDP比は、日本より遥かに高かったのです。

一方、ロシアと1000kmにも及ぶ国境線を持つフィンランドは、欧州では最低レベルの国防予算(GDP比)でした。

オーストリアも、国防予算は、GDP比を1%未満という非常に低いレベルに抑えています。

 

力で迎え撃つような安全保障は、より強い相手には通用しないことを、ウクライナとフィンランド、オーストリアが示しています。

 

日本政府に求められる安全保障外交は、フィンランドやオーストリアのような方向性なのだろうと思います。

ですが、日本の保守派は、防衛予算を激増させようとしています。

戦争をしたいのか、それとも侵略されたいのか、愚かな判断です。

 

 

 

声高に安全保障を訴えている人々には、どうせ理解できないのでしょうね。