1.国民投票と国政選挙の違い

 

国民投票と、国政選挙の投票では、まるで違います。

 

国政選挙は、『反対』を投じることはできません。

棄権しようが、当選させたくない候補の名前にXをつけようと、反対票としてカウントされることはありません。

必ず、誰かが当選します。

つまり、選択の投票です。

しかも、現行憲法では、任期があるので、選択の修正の機会があります。

 

これに対して、憲法改正の国民投票は、承認/否認の投票です。

国民投票法では、全条文の一括承認とされています。

『賛成』が有効投票数の過半数に達すれば、全条文が施行されます。

政権にとって不都合が生じない限り、改正された憲法が半永久的に運用されます。

 

 

定期的に行われ、必ず誰かが選出される国政選挙とは異なります。

ひとたび改正が決定すると、次の改正がいつになるかわからない上、人権保障も定める法律なので、慎重に判断しなければなりません。

 

改正案を『反対』しても、今より悪くなりません。

ですが、『賛成』してしまえば、今より良くなる場合もありますが、悪くなる場合もあります。

この点からも、慎重に判断しなければならないのです。

 

 

 

〈目次へ戻る〉