フラレてもなお美しい男役の美学「ベルばらフェルゼン編」 | 後輩が怖すぎて食堂に行けません

後輩が怖すぎて食堂に行けません

一人生んで職場復帰したら、仕事もろくにできない後輩から「パートじゃダメなんですかぁ?」と言われて傷ついてから食堂に行けなくなったメンタル豆腐の女。いわゆるワーママ。できるかも分からない二人目不妊治療中

雪組の千秋楽に花組とかの退団ニュースがあり、

SNSはそっちの方に流れていきましたね。


なんか、こう、

やっている公演より

ニュースやスキャンダル系の話がSNSを席巻するのってなんか違うと思ってしまう、昭和の女です。


というわけで、

我が愛する彩風咲奈さんの大劇場千秋楽が来てしまいました!!


でもま、作品と盛大なフィナーレのおかげで悲しいとかなく、

「ここまで彩風咲奈ワールド」で辞められるとはなんと素晴らしいことか!と思いました。

サヨナラショー含めて。

まだまだ駆け抜けていくぜ!

というわけで、最後の日まで配信で見たサヨナラショーの感想はかかない。


というわけでベルばらの感想を(今更)

盛大にネタバレしますよ!!



私は、悪名高きウエシン&谷正純作品を

ある一定の作品で大変に評価しているのいる数少ないブロガーだと思っているのですが、

ウエシン作品の素晴らしいところはずばりここ!!!


「フラレてもなお美しい男役の姿」


その真骨頂がこのベルばらの「フェルゼン編」だと思います。



だって、牢獄のシーンであっきらかに盛大にフラレて、

それでも

両手を広げて、愛する女を抱きしめる。


断頭台にのぼっていくマリー・アントワネットはさいごに「さようならフェルゼン」って言わないのよ!!


それでも諦めきれずに「王妃様ぁぁぁぁぁぁあ!!!」と叫びながら終わるという。


いやぁ、あんた、ふられてんだよ

(スイマセン、こんな陳腐な言い方で)


この盛大なフラレっぶりにもめげず、かっこよく美しく一途に、愛し抜く

が昭和男役美学の真骨頂だと思っています!!


あ、あれかな、アントワネットはあの世で結ばれるからさようならフェルゼンって言わないのか??

なんか、昔言ってなかったっけか。

わすれました口笛



まあ、ね、作品的には途中さぁ、

「プロローグいつまで??」(しかもラストわかっちゃうやつ)とか

「ザッツ説明ゼリフ」(細かい説明ありがとう)とか

「でたぁ!説教ゼリフ!」(でも井上ひさしよりマシ)とか

「娘役雑っ!」(でもあんなくだらないシーンがやたら癒される悶絶の奥様と失神の奥様)

「え?近衛隊シーンは近衛兵のセリフ『はい!』オスカル『諸君!』だけですすむけど平気??」

「アンドレの一人独白はなにそれぇ!」

「急に1789意識してみた??」

「近衛兵はみんな衛兵隊に転属してました??」

とかはあるけれど。

(まだまだあるけれど)


まあ結局、盛り上げシーンの作り方が大変に上手くて

なんかごまかされちゃうというか。


もう、さ。

オスカルの

「シトワイヤン、いこーう!」

フェルゼンの

「王妃様あぁぁぁぁ!」


で全て許される。


ツッコミどころはなく、破綻のない作品は最近数あるとは思うのですが、だからといって心揺さぶられるかというと、そうでもないし結構内容忘れちゃうんだよなと思います。

もちろん、お金払ってるんだから、全てが良いもの、という方がいいんでしょうけど、そんなものはなかなか生まれないから「名作」なのであって、

演劇なんぞ、そういうシーンがたった一つでもあればいいというのが私の気持ちです。



ちなみに私はオスカル編とかアンドレオスカル編がそこまで好きでないのですが、それはオスカルはやっぱ女性なので、ウエシンの女性の心理描写はちょっと私的には、イマイチかなと言うのがありまして。

あとベルばらのラストで馬車で2人で飛んでハッピーエンドというのがなんかこう、私の漫画のイメージにも合わないなと。


あと、男役がオスカルをやることになんかこう

やっぱちょっと抵抗がwww

いやぁ、なんて言ったらいいのか分からないけど

私は宝塚に男役を観に行きたいのであって、

男になりきれず女としても生ききれないという

男社会で生きていく女性の苦悩という現実に合致しそうな葛藤をみたくないという

(まあ私の精神性の問題)


話は戻りまして

「フラレても美しい男役の美学」の

第二位は

三角関係の末にフラレた

「我が愛は山の彼方に」

です。

これも「万姫ーーー」と絶叫するシーンが照れ

第三位は

フラレてもめげない。でも最後に心は折れた。

しかし愛し抜きたいから別れる、の。

「風と共に去りぬ」

です。

でもまあ、どちらもフェルゼンの「王妃様ぁぁぁぁぁぁ」にはかなわない。

あのシーンを思いついただけでもはや神

(あの部分だけ)


私は咲ちゃんのラストのセリフがあれになることを大変に嫌がっていましたが

もう、あそこまでやってくれたら

「これでよかったのかも」みたいな気持ちになれました。

それほど美しかったです。ありがとう!!!



余談

今回私が一番に突っ込んだのは

オスカルがフェルゼンからの手紙でアンドレの気持ちを知っちゃうところ

「人の気持ち勝手に教えたら、今のご時世アウティングで訴えられるぞ」グラサングラサングラサン

ここがね、一番昭和だなって思いましたねてへぺろ


というわけで、

とうとう東京にやってくるベルばら!!

ぜひぜひ

心のなかで様々なツッコミを入れつつ

楽しみましょう!!