でもたりなくて
でも時に多すぎて
余って捨てられて
踏みにじられて
でも時に優しく生暖かいハサミで切り刻まれ
痛いけど痛くないと思いこんで
避けながらもたまに真正面からぶつかりながら
それでもいいと
私はそんな
恋をしていた
誰かに教えてほしかった
間違ってると
誰かに言ってほしかった
正解だと
何もわからなくて
描きたい絵もわからず
筆に色をふくませては
これじゃないとジャブジャブ水で筆をあらい
結局描けたものは濁った水のかたまりで
私は私が嫌いになり
それならと全てをきらいになろうとしてもなれず
道じゃない道を歩いていることに
気づいているかいないかとかではなく
歩いている夢を見ていた
そんな恋をしてきて
気づいたら
切り刻まれたこころが
分厚くはれあがり
今にも飛び出しそうな息苦しさだけが残っていた
でもこんなこんな日々の私でも
たった1人になればある時本当の心を取り戻す
心臓は穏やかに鳴り
頬に風を感じ
まぶたの裏にまで届く太陽の光を感じて
きっと微笑む
だから私はどんな恋をしたって
死なないんだと思う