ホームページに掲載された文章のリライトは著作権侵害か | 知財で日本を元気にしたいと願うブログ
2012-01-07 20:38:00

ホームページに掲載された文章のリライトは著作権侵害か

テーマ:著作権

昨日に続いて「スメルゲット事件」(控訴審)のお話です。


「スメルゲット事件」(控訴審)というのは、知的財産高等裁判所で出された
「平成17年(ネ)第10094号請負代金請求控訴事件」のことです。


この事件は、被控訴人が、控訴人の下記ホームページ
http://smellget.trialmall.com/ranali-log/
に掲載された、「子どもがアトピー性皮膚炎に」、「お年寄りのぜんそく発症」、
および、「花粉症・不眠症・うつ症状」という各タイトルで記載された症例に関する
文章をリライトし、自社のホームページに記載しています。



具体的には、「子どもがアトピー性皮膚炎に」というタイトルの箇所については、
①「新築の団地に引越しました。そうしたら子供がアトピー性皮膚炎にかかって,アレルギー体質になっちゃったの・・・。」のようにリライトしています。


また、「お年寄りのぜんそく発症」というタイトルの箇所については
②「今まで,ほとんど風邪もひかずに元気に過ごしていたのですが,自宅をリフォームした後しばらくして,ぜんそくになってしまったんです・・・。」のようにリライトしています。


そして、
「花粉症・不眠症・うつ症状」というタイトルの箇所については、
③「新築マンションを購入したんですが,引越してすぐ,鼻がきかなくなってきたんですよ。さらに夜眠れない,どうも気分が悪い,そんな症状が出てきて・・・。」のようにリライトしています。


どれも内容は変えずに表現だけを変えていますが、一部は表現そのものが
共通しています。


まず①の文章については、原文との共通部分は、
「新築の団地に引越」、「娘がアトピー性皮膚炎にかかり」、そして、
「アレルギー体質となってしまいました」の3ヶ所です。


次に、②の文章については、原文との共通部分は、
「今までほとんど風邪もひかず,元気だった」、「自宅をリフォーム」、そして、
「ぜんそくを発症」の3ヶ所です。


最後に、③の文章については、原文との共通部分は、
「新築マンションを購入」と、「引越してすぐに鼻がきかなくなり」の2ヶ所です。


判決では、これらの共通部分について、シックハウス症候群が疑われる例を
普通に用いられるありふれた言葉で表現したものにすぎず、表現上の格別な
工夫があるとはいえないとしています。


その上で、上記①~③の文章と原文とは、表現上の創作性がない部分
において同一性を有するにすぎないから、各原文について複製権ないし
翻案権の侵害があったということはできないと認定しています。


このように本件は、判断の手法として、まず共通部分を抜き出し、
次にその共通部分に表現上の創作性があるかどうかを判断することを
示した点で参考になると思います。


しかしながら、リライトした文章について、常にこのような判断がされるとは
限りませんので、やはりリライトする場合でも、自分の言葉で表現することが
大切だと思います。


この事件では、他にも、ホームページ自体の著作物性について判断が
されています。これについては、明日のブログで書きますね。


ご質問については、こちらへどうぞ。

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zve02617@gmail.com


弁理士 今井孝弘


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