Tue 240924 朝の散歩/首相の口癖「まあ」/ちょっと・いちおう・受けて・悲鳴 4571回 | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Tue 240924 朝の散歩/首相の口癖「まあ」/ちょっと・いちおう・受けて・悲鳴 4571回

 東京は今朝から何だか急に秋らしくなって、午前3時半、いつもと同じようにTシャツ1枚で近所の散歩に出かけたら、1時間歩いてもサッパリ汗をかかなかった。

 

 一昨日までは、ホンの10分も歩けばたちまち汗びっしょりになって、ハンカチで汗を拭いても拭いても、またいくらでも汗が噴き出した。1時間、決めた散歩コースをしっかり歩き通せば、もうハンカチ1枚びしょびしょ、もうどこにも汗を拭う場所がないぐらいになっていた。

 

 朝3時半にオウチを出て、近所をぐるっと5キロほど回ってくるのである。8月下旬までは、帰ってくる頃には夜もだいぶ明るくなってピンクの朝焼けにうっとりしたものだったが、もう秋分の日も過ぎて、昼より夜が長い季節に入った。帰ってきて4時半、まだ夜明けまで間のある、一番暗い時間帯である。

(NHK首都圏の「熱中症予防情報」。3日ぐらい前から水色の「注意ちゃん」が姿を現した)

 

 それでも、すぐにお風呂に入る。つい先週までは「ハンカチに拭うところが残らない」というレベルの猛暑の朝が続いていたから、とてもお風呂に入らずにはいられなかった。

 

 昨日の朝に小雨が降って、小雨でも傘を持って散歩に出た。その小雨を境に急に気温が下がり、今朝なんか汗もほとんど流れず、「これは朝のお風呂は必要ないかな」と躊躇するぐらいだったが、まあ、習慣というものはマコトに恐ろしいもので、ワタクシはすでに20年以上、お風呂は朝に入るものと決めている。


(NHK首都圏の「熱中症予防情報」。9月24日、とうとうブルーの「ほぼ安全ちゃん」も出現。ワタクシの大好きなオレンジのヤツは、忽然と姿を消した)

 

「まあ、習慣というものは」と書きながら、まもなく任を退く日本国首相の口癖を思うのである。「ふみきゅん」という渾名が地元・広島では一時大人気だった(らしい)現首相は、よほど人見知りで控えめな性格なのか、この3年の間に「まあ」「まあ」「まあ」と、ずいぶん「まあ」を連発した。

 

 まあずいぶん支持率も、まあ下がってしまったが、まあワタクシなんかは、まあそんなに嫌いな首相では、まあなかったのである。まあ人見知りで、まあ控えめ、まあ大事なところに「まあ」がたくさん入り込む。あのまあ記者会見やまあ国会答弁も、まあまもなく聞くことがまあ出来なくなる。

 

「まあ住民の皆さんの安全を、まあ最優先にして、まあ緊張感をもって、またまあスピード感をもって、まあ早急にまあ対応していくように、まあ全閣僚に、まあ指示いたしました」

「まあ世界平和を、まあ国民全体として、まあ真剣にまあ一丸となって、まあ希求していく姿を、まあ国際社会全体に、まあ訴えかけてまいります」

(夏の思ひ出:8月16日、猛暑の京都、四条大橋から北山方面を望む)

 

 ワタクシなんかも、それこそまあ控えめで、まあ人見知りな、まあ立派な大人なのであるから、まああんまりこういう場で、まあ退任間近な、まあ現首相の口癖を、まあ厳しく指摘しない方が、まあいいのかもしれないが、もし指摘するとすれば、まあ今が、まあ最後の機会かもしれない。

 

 思えば、まあ3年、メディアの皆様も気づかなかったのか遠慮したのか「大事なところに『まあ』がつく」という首相の癖は、まあ誰も指摘しなかったように思う。しかしやっぱりこれからは、まあ大臣クラスやまあ党首クラスの偉い人は必ずコンサルタントをつけて、まずは口癖の除去に努めた方がいいと考える。

(夏の思ひ出:8月15日、京都宝ヶ池プリンスホテルで麻婆豆腐を満喫する)

 

 もっとも、マスメディアの原稿を書いている人々だって、まあごく普通の「街の人」たちだって、まあ耳につく口癖というものが、まあ皆無であるわけでもないのだ。NHKのニュースを聞いていると、この5年ほど、滅多やたらに「を受けて」の連発になっている。

 

「この事故を受けて」「○○氏の発言を受けて」「今回の地震を受けて」「大谷選手の大活躍を受けて」「度重なる不祥事を受けて」「野党の攻勢を受けて」など、次から次へと「 ... を受けて」が登場、これだけ「 ... を受けて」を連発されると、さすがにちょっと耳につく。

(夏の思ひ出:8月15日、京都宝ヶ池プリンスホテルで山盛りチャーハンを満喫する)

 

 その「ちょっと」が口癖の人も少なくない。「困ったなって、ちょっと思って」「ちょっとスゴくいけないことなんじゃないかって、ちょっとやっぱり、ちょっと気になって」、それこそまあちょっと気になる口癖なんじゃないか、ちょっとそう感じることが、まあちょっと頻繁にある。

 

「いちおう」も多い。「いちおう」の連発は、発言者の本気度を疑わせる恐れがあるから、ちょっと可及的速やかにヤメる努力がちょっと必要だ。「いちおう本気で、ちょっと頑張ってみます」「いちおう当社のミスだと存じますので、まあ上席の者にもいちおうちょっと連絡して、まあ後ほどまたいちおうご連絡いたします」。こりゃいかん。

(夏の思ひ出:8月16日、ホントに久しぶりに「にしんそば 松葉北店」を訪問する 1)

 

「かたち」なんてのもある。「まあちょっとそういうかたちで、ちょっと話を進めていこうというかたちで考えていこうと、みんなで今ちょっと話し合っているかたちです」。営業マンの営業トークに、この「かたち」が多い気がする。

 

 天気予報に多いのが「ただ」である。本来なら「しかし」「それに対して」が適切であるところに、「ただ」が使われる。「ただ」の連発、これもやっぱり、まあちょっと気になるかたちだ。

 

「首都圏を中心とする関東では急に秋めいてきました。ただ、西日本ではまだ真夏のような暑さが続きます」と言うのだが、この「ただ」は、「しかし」「それに対して」でなければいけないんじゃないか。

(夏の思ひ出:8月16日、ホントに久しぶりに「にしんそば 松葉北店」を訪問する 2)

 

 この数年ぐんぐん増えちゃったのが「悲鳴」。何があってもそこいら中から悲鳴があがる。雨が降れば観光地が悲鳴、少子化で予備校業界が悲鳴。円高で輸出関連企業が悲鳴、円安で観光客が悲鳴、高齢化で水産業関係者が悲鳴、若者のアルコール離れで居酒屋が悲鳴。いやはや悲鳴だらけで夜も寝られない。

 

 料理番組で多いのが「していきまーす」だろう。むかしこのブログでも一度指摘したのだが、料理番組になった途端に、文末のほとんどが「していきまーす」に変わる。

 

「焼いていきまーす」「切っていきまーす」「刻んでいきまーす」「塩をふっていきまーす」「炒めていきまーす」「レタスで包んでいきまーす」「串に刺していきまーす」。「いきまーす」が料理番組を占領してしまった感がある。

(夏の思ひ出:8月16日、ホントに久しぶりに「にしんそば 松葉北店」を訪問する 3)

 

 ただ、このままではそのうち、「匂いをかいでいきまーす」「味わっていきまーす」「咀嚼していきまーす」「のみこんでいきまーす」「消化していきまーす」なんてのが登場しそうで、まあちょっとコワい。いちおう指摘しておくから、だれか料理番組の台本を書いている放送作家さんに伝えてくれないか?

 

 有名な料理人でなくてもいい。「料理研究家」みたいなステイタスの人で構わない。「サンマを焼きます」「ひき肉を炒めます」「ネギを刻みます」「レタスで包みます」「高温の油で揚げます」と、スカッとすっきり勇ましく、カッコよくやってみせてくれないか。ワタクシは間違いなくその人のファンになる。

(夏の思ひ出:8月16日、ホントに久しぶりに「にしんそば 松葉北店」を訪問する 4)

 

 みんなでこの種の口癖を、まあちょっといちおうしっかり検討した方がいい。ただ、あくまで人々の好き嫌いの問題だから、今井君の発言を受けて、あんまりマジメに「考えていきまーす」ということになっては、まあちょっといちおうコワいけれども、ワタクシが心配しているのは、AIどんの恐るべき学習速度なのだ。

 

 だって、ライターさんたちが書いている原稿やら、キャスターさんやタレントさんが口にする発言やらを、その立場を虎視眈々と狙っているAIどんたちが、それこそ高速学習で学び続けている。

(夏の思ひ出:8月16日、ホントに久しぶりに「にしんそば 松葉北店」を訪問する 5)

 

 ということは、AIどんたちの超高級で超優秀な脳細胞が、まあいちおうちょっと超高速なかたちでこの種のおかしな言葉遣いを「とりいれていきまーす」「学んでいきまーす」「吸収していきまーす」と、独特の直線的努力を日夜続けていることになるのだ。

 

 こりゃ、危ないじゃないか。美しい日本語が、何ともダラシない妙ちくりんな言葉に変わってしまうじゃないか。ワタクシは、日本語の将来を深く危惧するのである。暢気に英語の授業なんかやってる場合じゃないのかもしれない。

(夏の思ひ出:8月16日、ホントに久しぶりに「にしんそば 松葉北店」を訪問する 6)

 

 ただ、今井はどこまでも予備校の英語講師だ。こういう状況を受けて、「英語の授業をもっと磨き上げていきまーす」という努力以外、まあ誰も振り返ってくれないのである。

 

 今や「ジュンコロー」を名乗る今井君。ますます準古老の知恵をこのブログ上に披露して、昔みたいに毎日更新とはいかなくても、せめて2日にいっぺんは更新、まあそういう努力をしなきゃいけないと、まあちょっといちおう考えるのであった。

 

1E(Cd) Solti & Chicago:BRAHMS/SYMPHONY No.1

2E(Cd) Solti & Chicago:BRAHMS/SYMPHONY No.2

3E(Cd) Solti & Chicago:BRAHMS/SYMPHONY No.3

4E(Cd) Solti & Chicago:BRAHMS/SYMPHONY No.4

5E(Cd) Hungarian Quartet:BRAHMS/CLARINET QUARTET・PIANO QUINTET

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