Fri 220805 広島県福山の大盛況/花の色はうつりにけりな/山口県徳山の大盛況 4253回 | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Fri 220805 広島県福山の大盛況/花の色はうつりにけりな/山口県徳山の大盛況 4253回

 昔から「来年のことを言えば鬼が笑う」と言うが、先月のことを言えば鬼も読者もみんなガッカリ、「なんだ、そんな昔のことですか」と、赤鬼さんも青鬼さんも黒鬼さんも、そろってソッポを向いてしまいそうだ。

 

 しかし諸君、ワタクシのブログはあくまで日々の正確な記録が目的。すでに4250回にわたり、この15年の正確無比な記録を続けてきた以上、残念ながら2022年7月だけ、1ヶ月の記録をスポッと怠けてしまうわけにはいかないだろう。

 

 その前の関西滞在の6月があんまり充実していたから、7月についてはあんまり書く気がしないのだ。6月がどれほど楽しかったか、皆様も十分にわかってくれると思う。延々と京都、延々と大阪、別に極端な贅沢をしているわけではないのに、ブログの記録はとどまるところを知らなかった。

 

 一方の7月は、東京を中心に猛暑の関東平野をウロウロするばかりで、特に中盤から後半にかけては厳しい日帰り出張の連続。夕暮れのお仕事前にすでに汗まみれ、仕事の90分もしゃべりまくって当然汗まみれ、仕事の後の「懇親会」はもちろん禁止で、満員電車で帰宅。ますます汗まみれになった。

 

 カンタンに言えば、サウナに3回入ったみたいなものである。仕事前・仕事中・仕事後の連続サウナで、「熱中症に注意」も何もあったものではない。熱中症寸前の日々が続いた。確かに間違いなく23時のビールは絶品だったが、7月の終わりの頃のワタクシは、すっかりションボリ、しおれたヒマワリみたいなアリサマになっていた。

(広島県福山、200名の大盛況。キャパ1/2は確保している 1)

 

 それでも、7月2日の広島県福山、7月3日は山口県徳山、広島駅前に2連泊して、まだまだ元気に暮らしていた。2日の朝、羽田空港から久しぶりにヒコーキで広島入り。広島空港があまりに遠いから、最近は新幹線を利用していた。久しぶりの広島空港だった。

 

 どっちにしたらいいんだろう。新幹線なら、東京から広島まで4時間も座りっぱなしだ。東京駅でお弁当を買って、しかし新横浜どころか品川の手前でお弁当は空っぽになる。

 

 お仕事前だからお酒を飲むわけにもいかないし、コロナの世界では、新幹線車内でお酒を楽しむにも、周囲の視線がやたら気になる。20年前には東京 ⇆ 名古屋往復の新幹線で参考書を執筆、2年で4冊も出版したものだが、今はもう参考書でコツコツ勉強する受験生も少ないだろう。

 

 だから、新幹線車内での参考書執筆もしない。いやはや、「キーをたたく音がうるさい」と、通路の向こうのオバサマに厳しく叱られたこともあったが、あれもまた今は昔。お弁当は平らげ、お酒はご法度、どうせ誰も読まない参考書執筆もメンドー、となると、可能なのは惰眠をむさぼるぐらいのことである。

 

 新幹線のそういう4時間を思うと、やっぱりヒコーキでビューンと広島まで飛んじゃったほうがいい。しかしヒコーキで広島空港に着いても、そこからがマコトにたいへんだ。空港から広島駅前まで、高速バスでまるまる1時間もかかるのである。

 

 何しろ高速道路だから、贅沢に「タクシー!!」などということにすれば、片道15000円もする。気分的に「タクシー!!」でもいいやと思うのは5000円程度まで。さすがの高級サトイモでも、空港から駅までの移動に15000円はなかなか思い切れない。

 

 だから致し方なく「高速バスのまるまる1時間」を選択するのであるが、このバスがなかなかのクセモノであって、なにしろヒコーキの乗客をほぼ全員1台のバスに詰め込むから、容赦のない超満員になる。

 

 1台発車して、その5分後にもう1台出るが、どちらも全座席が埋まる超満員。場合によっては「補助椅子をご利用ください」ということになって、このコロナの真っただ中なのに「スーパー密」の1時間に耐えなければならない。

 (夜の福山駅。22時を過ぎると、乗客の姿はほとんどない)

 

 それでも我慢してバスを利用、広島駅前に到着する頃にはもうヘトヘト。「新幹線で惰眠を貪ってきた方がまだマシだったな」と深く重いタメイキをつく。しかも諸君、羽田空港までの移動時間・羽田空港での待ち時間、そういうのを合算してみると、新幹線とヒコーキ、所要時間はほとんど変わらない。

 

 何だかすっかりションボリして、いつもの広島シェラトンホテルで数時間、これまたションボリして過ごす。こんな空き時間にも、20年前なら参考書執筆に夢中になっていたが、どうしても「イマドキ参考書でコツコツ勉強するヤツなんかいないだろう」という諦めが先に立つ。

 

 16時半、広島駅から新幹線で福山に向かう。スタッフとの待ち合わせは18時だからちょっと早すぎるが、広島から福山まで利用するのは「こだま」。こだま君は停車する駅ごとに10分ずつジッと停車して、エリート♡のぞみ君たちの通過を待たなければならない。広島から福山まで60分もかかる。

 

 こりゃ諸君、あんまりひどすぎないか? 広島から福山まで「さくら」なら27分。こだま君は60分。東広島で10分、三原で10分、新尾道で10分、合計で5本だか6本だか、信じられないほどたくさんのエリート♡のぞみ君たちに道を譲り、在来線とほとんど変わらない時間をかけて、ほうほうのていで福山にたどり着く。

 

 しかし福山では、嬉しくなるほどの受講生諸君がワタクシを待っていてくれた。もちろん「キャパ1/2ルール」厳守であるが、7月2日はまだ、ギリギリ第7波の直前にいた。高1と高2だけで、出席者約200名。19時開始、20時半終了、コロナ前までのスタンダードに近い熱狂を満喫できたのである。

(広島県福山、200名の大盛況。キャパ1/2は確保している 2)

 

 翌日7月3日は、山口県徳山での公開授業。ただし仕事は午後4時からだから、広島のホテルで2時過ぎ前でノンキに過ごすしかない。

 

 この辺も、コロナ前までの今井君とは趣きを異にする。2019年までの広島の今井は、必ずタップリの生ガキを満喫しに出かけた。牡蠣舟「かなわ」、昼前から1人で出かけて、生牡蠣45個、ちょっと調子が出なくても35個、真夏の生牡蠣を飲むように貪って、それから仕事に出かけた。

 

 ついでだから、この店の名物「土手鍋うどん」もすするのである。真夏でもギュッとクーラーの効いた部屋で土手鍋うどんは旨い。店の人がビックリするほど七味をかけて、大汗をかきながら土手鍋うどんをすすれば、さっきの生牡蠣45個が、胃袋の中でグツグツ煮えていくような高揚感があった。

 

 そういうサトイモの様子を見て、隣のテーブルの高級オジサマが声をかけてくれたこともあった。「銀座5丁目で帽子屋を営んでいます」というのだから、今井君なんか遥かに凌ぐ高級オジサマだ。「牡蠣の食べっぷり、大したものですね」「今度ウチの店にボーシを作りにきてください」と、真顔で褒めてくださるのであった。

 

 しかしまあ、ああいう思い出もコロナの世界の彼方に飛び去った。今や、真夏の真昼の生牡蠣なんか夢のまた夢。広島駅の駅弁を1個購入して、ホテルの部屋で1人寂しくムチャムチャ&もぐもぐ、ペットボトルの烏龍茶で悲しく飲むくだすだけである。

(夜の徳山駅。こちらも22時を過ぎると、乗客の姿はほとんどない)

 

 広島から徳山までは、やっぱり「こだま」君で30分。こちらはどう言うわけか、エリート♡のぞみ君の待ち合わせがなくて、あっという間に徳山に着いた。

 

 徳山は諸君、昭和の高度成長期の申し子であって、新幹線からの眺めはまさに「工場萌え」そのもの。特に夕暮れ以降に徳山を通過する新幹線に乗ると、イデミツ石油の広大な製油工場の風景を、ワタクシは窓にかじりついて眺めたものだった。

 

 しかしそのイデミツも、すでに徳山を撤退した。巨大製油コンビナートは、今は別会社が運営しているそうだが、イデミツ撤退で徳山の人口は大きく減少。かつて今井君が小中学生の頃には四大工業地帯を凌駕する勢いだった「瀬戸内工業地域」の優等生・徳山も、急速に規模を縮小しつつある。

   (JR徳山駅前。ずいぶんオシャレに姿を変えた)

 

「小中学生」と入力したのに「焼酎学生」とは、Mac君も相当に意地が悪いが、今井君が焼酎学生になったのは大学学部2年から先のことである。

 

 そしてそのまま焼酎学生を継続、小野小町よろしく「花の色は うつりにけりな いたづらに 我が身世にふる ながめせしまに」をやっている間に、今井も、徳山も、日本全体も、高度成長の夢をすっかり失くしてしまった。ホントに間違いなく「花の色はうつりにけりな」が現実になっちゃったわけである。

 

 それでも徳山会場、出席者約150名。主催者サイドの塾長も大いに喜んでくれた。最近の徳山で、塾の公開授業にこんなにたくさんの人が詰めかけてくれることは滅多にないんだそうな。

      (山口県徳山、150名の大盛況)

 

 しかも最近、ワタクシの講演会や公開授業には、日本国中どこでも保護者の参加率も極めて高い。徳山会場にも、やっぱり保護者の皆様の姿が目立った。何しろワタクシ、予備校講師になってすでに4半世紀を過ぎ、かつての生徒が立派な保護者に成長して、懐かしいサトイモの勇姿を眺めにきてくれる。

 

 こういうのは、やっぱりいい。しかも今井は、20年経過しても、25年経過しても、ちっとも衰えを知らない。というか、今井サイドから見ると、20年前や25年前の若々しい自分が恥ずかしくなるほど、グイグイ成長を遂げている。

 

「あの頃は、稚拙な授業で失礼しました」「今ならもっと、ずっと上手な授業をしてあげられるんですけどね」と、今は保護者となったかつての受験生諸君に、ホンワカ笑顔で謝りたいような気持ちなのである。

 

1E(Cd) Kubelik & Berliner:DVOŘÁK/THE 9 SYMPHONIES 3/6

2E(Cd) Akiko Suwanai:SOUVENIR

3E(Cd) Karajan&Berlin:HOLST/THE PLANETS

4E(Rc) Amadeus String Quartet:SCHUBERT/DEATH AND THE MAIDEN

5E(Rc) Solti & Chicago:BRUCKNER/SYMPHONY No.6

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