Wed 170215 3月の東奔西走・第1ラウンド終了/冬の旅/列車内とヒコーキ機内の騒然 | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Wed 170215 3月の東奔西走・第1ラウンド終了/冬の旅/列車内とヒコーキ機内の騒然

 これを書いている段階で、3月10日の午後2時。3月上旬の東奔西走&南船北馬を見事に耐えぬいて、昨日の夕暮れに大阪からヒコーキで東京に帰還した。

 3月の第1ラウンドは、1週間で松山 ☞ 大阪 ☞ 福井 ☞ 東京 ☞ 旭川 ☞ 室蘭 ☞ 西宮。これほどの東奔西走は、モロッコやブラジルやポルトガルやギリシャの旅でも、なかなか経験したことがない。「ホントによくご無事で」と、自ら感動の熱い涙が滲み出る。

 しかし諸君、今日からまたまた南船北馬の第2ラウンドが開始される。この直後ワタクシは東京足立区の綾瀬で公開授業。帰宅はおそらく23時、明日からの福岡 ☞ 福岡(ダブルヘッダー)☞ 久留米 ☞ 東京 ☞ 函館 ☞ 三重県松阪 ☞ 千葉県柏、そういう強行軍に入るのである。

 だから、出かけた先で温かく迎えられれば、自ら過剰と思えるぐらいに激しく感激するのである。一昨日の西宮では、大好物の酒饅頭を8個もいただいた。

 詳細と写真は明日の記事でということにするが、控え室に酒饅頭8個の姿を発見しただけで、思わず号泣しそうになった。西宮北口駅前校でのウルトラ大盛況もマコトに素晴らしかった。
札幌雪景色
(3月8日朝、JRタワーホテル日航33階からの風景。札幌も新雪におおわれた。これから西宮に移動する)

 繰り返しになるが、旭川もホントに嬉しかった。懇親会に出席してくれた若い諸君が、全員ワタクシのブログを予習してくれていて、今井君の激しい海外旅行歴や、お酒や食べ物の好みまで、みんな熟知してくれていた。

 公開授業でも懇親会でも、大成功のキーはその辺りにあるんじゃないか。マジメな講師ほど、連日マジメにブログ更新に励んでいる。数学のSDセンセも、古文のウルトラYSNセンセも、すでに約10年にわたってブログの更新を怠った形跡がない。

 だからボクらは、可能なかぎり予習に励んでほしいのである。「ボクら」とか、複数形を使って他の先生方を巻き込むつもりはないが、少なくとも今井君は、スタッフにも生徒諸君にも講師についての予習に励んでもらいたいのだ。ワガママを言い過ぎですかね。

 むかしむかし懇親会の席で「今井先生の担当科目は何ですか?」と大胆に尋ねてきた大学生があった。そりゃさすがに困るじゃないか。予備知識が何にもないんじゃ、公開授業も懇親会も、最大の成果は上がらない。

 同じように「海外には行かれたことがあるんですか?」「お酒はお好きなんですか?」みたいな質問を受けると、精神も筋肉も骨格もグンニャリ萎えに萎えて、翌日の仕事に励む元気もなくなるぐらいである。

 そのへん、ワタクシは立派なオトナだから、体力的にも精神的にもビシッと自分を鼓舞することは出来る。どんな東奔西走の最中でも、「ほれ、サトイモ法師、しっかりするんだ♨」と自ら叱咤すれば、サトイモの葉っぱはすぐにツルツル&すべすべ、血色もビシッと生き返る。
暑寒別岳
(北海道、美唄ー砂川間で。暑寒別岳方面の雪景色が美しい)

 ただしワタクシは、日本の公共交通機関すべてにどうしても訴えたいことがある。簡潔に一言で言ってしまえば、「静かにしてくれませんか?」である。ドタバタ、ガヤガヤ、うるさすぎて、車内でも機内でもちっともくつろぐことができない。

 この1週間、関西や北海道で鉄道に乗りまくったわけであるが、あのアナウンス洪水については、さすがにみんなで声をあげるべきだと思う。JR北海道がもしも経営的に苦しいというなら、せめてアナウンスだけでも、もっと控えめにしたらいいんじゃあーりませんか。

 例えば札幌から室蘭まで、特急「スーパー北斗」に乗車して、アナウンスの入っている時間と、静寂の時間とを、ストップウォッチで計ってみたまえ。驚くなかれ、静寂の時間のほうが短いことを発見するかもしれない。

 放送は、列車が入線してすぐに開始される。まず事前収録した日本語で90秒。英語と中国語で90秒ずつ。やっと終わったと思ったら、発車までの15分間に全く同じ内容を3回ずつ繰り返す。

 その合間に、車掌さんの生アナウンスも入る。そりゃカラオケと同じことであって、車掌さんだって黙っちゃいられない。札幌から函館までの停車駅と到着時間も言いたいし、スマホやケータイの使用上の注意だって繰り返したい。「忘れ物に注意」も言っておかなきゃ気が済まない。
留萌本線
(北海道、深川駅で。留萌本線の列車がしょんぼり停車していた)

 これが諸君、停車駅ごとに繰り返される。新札幌・千歳・南千歳・苫小牧・登別、とにかく停車して発車するたびに、録音の音声2分×3カ国語+車掌さんの生音声を聞かなきゃいけない。

「急停車に注意」なんてのも入る。「エゾシカなど野生動物が出没するため、急停車することがあります」。これも3カ国語。急停車の理由まで説明されるより、静かな車内で睡眠をとっていきたいのだが、そんなことは一切おかまいなし、喋りたいことは何でも喋りまくる。

 やっと終わったと思ったら、マコトに元気な女性の声で「みなさん、こんにちは」。何がどう「こんにちは」かと言うに、「4種類のアイスクリームについて、車内販売からご案内いたします」と続くのだから恐れ入る。

「御弁当・お茶・お酒やおつまみなどをワゴンに載せて、前方の○号車から後方の△号車に向かって販売してまいります」「ご用の際は遠慮なくお申し付けくださいませ」。うーん、今井君は御弁当やお酒より、充実した静寂が欲しくてたまらない。

 その辺は、北海道よりも九州のほうがもうワンランク激烈である。3カ国語に韓国語が加わって4カ国語。車内で販売するコーヒーやお菓子が他と比較してどう優れているかまで、懇切丁寧に解説してくださることになっている。

 日本という国の最大の欠点は、この種の「サービス過剰」なんじゃあるまいか。冬のJR北海道では、暖房の過剰も問題だと思う。いくら何でも暖房が効きすぎだ。

 札幌 ⇔ 旭川間に復活した特急ライラックなんか、ポカポカが行き過ぎてムワムワになり、ムワムワはボワボワに嵩じて、車内のヒトビトはみんな汗ビッショリ、「暑いね」「暑いね」と頷きあい、駅に停車するたびにドアの所まで行って、外の気持ちいい冷気を浴びてくる。
弟子屈
(新千歳空港「ラーメン道場」にて。お客の入りがイマイチで寂しそうだった「弟子屈ラーメン」を選択した)

 こういうふうだから、今井君は静寂を求めてヒコーキを選択する。ヒコーキだってやっぱりアナウンスの洪水だが、さすがに列車よりは若干マシだと思われる。

 ところが、最近はそうでもなくなってきた。サービス過剰は、空の旅にも浸透しつつある。雲の上の上質な静寂の中で、1時間ないし2時間の休息を求めるのだが、そんな贅沢品は滅多なことでは手に入らない。

 日本独特の喧噪は、搭乗前から今井君をギュッと取り囲む。ラウンジは、もうアナウンスの嵐。自分の搭乗便とは全く無関係のヒコーキの運行状況・優先搭乗のご案内・ラウンジ使用のマナーについて、のべつまくなし放送が入って、「くつろぐ」というコトバと無縁の喧噪が支配する。

 やっとのことで搭乗して、プレミアムシートに落ち着くわけであるが、諸君、ここからがたいへんだ。ワタクシは最初の段階で、「食事はいりません」「ドリンクもいりません」「新聞も必要ありません」とビシビシお断りを入れる。しかしCAの皆さんはなかなか許してくれない。

「ホントにお食事を召し上がらないんですか?」と驚きの表情で確認され、「せめてドリンクだけでも」と、両手を組み合わせ身を捩らせてドリンクを勧められる。「いりません」「必要ありません」「何にもいりません」と言い続ける今井君のほうが、何だか意地悪しているみたいである。
弟子屈ラーメン
(弟子屈ラーメン。おいしゅーございました)

 そこへ、お隣のお客さんがやってくる。「新聞はいかがでございますか?」「ああ、日経ちょうだい」。その横柄な口調に、思わず隣でムカつくのであるが、CAさんがもってきた「日経新聞」を、彼はペリペリ&パリパリ、バッサバサ、まるで新聞にウラミでもあるかのように激しくめくりまくる。

 それでも頑張って目を閉じていると、CAさんたちが次から次へとやってくる。「ドリンクはいりません」と伝えておいたのに、「せめてお水だけでも」と、ペットボトルのお水をギュッと突きつけられる。

 御弁当は断っても「クッキーでございます」がくる。「機内販売でございます」もくる。「焼き菓子を、お持ち帰りになりませんか?」「おしぼりをお使いになりませんか?」も続く。大阪から東京まで、わずか1時間のフライトで、ドタバタ&ドタバタ、心の休まる時間は2〜3分に過ぎない。

 ワタクシもとうとうANAのミリオンマイラーになったんだから、一度ぐらいは航空会社の方に「上質の静寂」を要求していい立場にあるんじゃないかと思う。ちっともアナウンスのない欧米の無愛想な列車、無愛想なヒコーキ、ワタクシはやっぱりあの静けさが好きなのである。

E(Rc) Rozhdestvensky & Moscow Radio:BARTOK/DER WUNDERBARE MANDARIN & TWO RHAPSODIES FOR VIOLIN & ORCHESTRA
E(Rc) Darati & Detroit:STRAVINSKY/THE RITE OF SPRING
E(Cd) 東京交響楽団:芥川也寸志/交響管弦楽のための音楽・エローラ交響曲
6(DMv) ANONYMOUS
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