Sat 170211 関西の休日/サトイモ京都に出現/にしん蕎麦を批判する者たち/福井へ | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Sat 170211 関西の休日/サトイモ京都に出現/にしん蕎麦を批判する者たち/福井へ

「そんなに強烈なお酒をクイクイやったら、身体に悪いですよ」であって、70°のグラッパなんか、マトモな人は滅多に注文しない(スミマセン、昨日の続きです)。「そんなん飲んだら、胃が融けちゃうで」という意見もあったし、「口がビリビリ痛くてとても飲めません」という人もいた。

 そんなのを3人分、みんなもらって飲んじゃったから、おそらく3月3日の懇親会のメンバーは「今井先生は明日は2日酔いでたいへんだ」と思ったことだろう。確かに、ビアにシャンパンにワインにグラッパに日本酒、たいへんなチャンポンの1日だった。

 しかし諸君、この今井サトイモ入道を甘く見てもらっちゃ困るのだ。ホテルの部屋にたどり着いてから、ビシッと映画も1本観ちゃった。就寝は午前2時半。起床は午前7時。おお、さすがサトイモだ。行動の1つ1つがソツなく濃厚にネットリまとまっている。

 ところが諸君、7時起きだしたのはいいが、今度は「何をしたらいいか」という問題に直面した。3月4日は、公開授業がお休みの日。普通なら東京に帰るところだが、翌5日は午前11時から福井で公開授業であって、このまま大阪に留まっていた方が遥かに便利である。
河原町
(3月4日、ワタクシは京都を訪れた)

 翌日は朝8時の特急サンダーバードで福井に向かう。だから明日はいいとして、問題はこれからの24時間である。うーん、京都か奈良あたりに観光に出かけてもいい。ちょうど梅が見頃だ。受験生の応援と称して、北野天満宮か長岡天神に梅を眺めにいくには絶好の快晴だ。

 ところが、グラッパのせいか、どうも気合いが入らない。まずお風呂にゆっくり入って、ホテルのテレビでCNNを見て、BBCを見て、ラグビーの5カ国対抗戦を見て、そんなことをしているうちに10時半になった。おお、こりゃ何にもしないで終わるパターンだ。

 しかし諸君、くまのプーさんなら「何にもしないをしているところ」とか、そんな言い訳をしてもいいわけであるが、天下のサトイモ法師ともあろうものが、春の大阪で丸1日、「何にもしない」をしていましたなんてのは、余りにもカッコ悪い。

 とりあえず身支度を整えて、阪急梅田の駅まで行ってみた。行き先は、歩きながら決めればいいじゃないか。
「いやはや、あったかい。こりゃ春だ」
「梅は咲いたか、桜はまだかいな」
早春の土曜、ごった返す梅田駅前を、暢気に鼻歌を歌いながら歩いた。

 阪急梅田駅では、その整然とした発着ぶりにいつも感激させられる。路線は3つ。神戸行き、宝塚行き、京都行き。この3本が同時に出発し、同時に十三に向かって走り出す。淀川をわたるのも、キレイなお揃いのチョコレート色3編成が、仲良く並んで行くのである。
鰊からし
(春の休日、京都の蕎麦屋でお酒を楽しむ。ツマミは「鰊からし漬」と「蕎麦味噌」。これこそオジサマ最高の贅沢だ)

 今井君が選んだのは、京都行き。京都河原町まで40分強、のんびり景色でも眺めながら旅をしてきたい。この段階で、もう観光地なんかどうでもよくなった。

 こんなに暢気な春の日に、京都まで電車で行って、そのまま帰ってくるだけでも楽しいじゃないか。中国団体ツアーの皆様で溢れかえる北野天満宮で、邪魔にされつつイライラしながら梅なんか見るより、大好きな祇園四条「松葉 北店」でゆっくりくつろぐだけでいい。

 考えてみれば、ちょうど先月の今ごろも京都にいた。蹴上のホテルに3泊して、雪の金閣と銀閣を眺め、雪の七条「わらじや」で鰻雑炊に舌鼓を打っていた。最後の〆に「松葉 北店」でたっぷりお酒を飲んでから東京に帰った。あれから1ヶ月、京都もすっかり春の景色に変わっていた。

 疲れ気味のサトイモ法師は、迷わず四条大橋をずいずい渡って、「松葉」に直行。大混雑の本店より、いつも温かく迎えてくれる北店が好き。その辺もワタクシはおヘソがギュッと曲がっているのである。

 今日はお仕事がないから、お酒を飲んでも構わない。まず注文したのが「鰊のからし漬け」。大好物である。2つ続けて追加して、ついでにお酒も2本追加したら、隣りのお座敷席に座っていた家族5人と会話が始まってしまった。
鰊蕎麦
(〆に注文したにしん蕎麦。思わぬ批判の対象になった♡ 出汁に映っているシマシマ模様は、ワタクシのワイシャツの袖口である)

 声をかけてくれたのは、2歳ぐらいの女の子である。「あたし、お酒、キライ」と言って、今井君の顔をギュッと睨みつける。名前は「こはる」ちゃん。どういう字を書くのか分からない。おそらく小春ちゃんだ。「お酒はカラいからキライ」というのである。

 次にサトイモ法師が「にしんそば」を注文すると、「にしんそばって、なあに?」。小春ちゃんのママが笑って「北海道でとれるニシンというお魚を入れたお蕎麦よ」と説明すると、「お魚、キライ」「お蕎麦もキライ」。おお、マコトに正直な女の子である。

 ところが諸君、今井君がお蕎麦の出汁まで全て旨そうに飲み干してみせると、「おダシが飲みたい」とさらにワガママを言い出した。ところが家族5人の丼はもうとっくに片付けられて、お会計も済んでいる。

 おや、可哀そうなことをした。お胸のあたりがヒクヒクして、今にも激しい号泣が始まるという瞬間、「おダシは、魚くさいよ」とパパに言われて、やっと納得した様子。「魚くさい」とはまた余計なお世話であるが、まあ、この際しかたありませんな。思わぬ批判に苦笑するばかりである。

 こうして、たっぷり1時間半をお蕎麦屋さんで過ごした。午後2時、他のことは一切せずに、またまた阪急電車の車窓を楽しみながら梅田に帰ってきた。等持院・大徳寺・円通寺・天龍寺、行きたいお寺はいくらでもあったが、今日あわてて行かなくても、お寺は逃げはしないだろう。
福井
(3月5日福井会場、福井大学の階段教室が超満員になった。詳細は、明日の記事で)

 こういうふうで、仕事の合間の休日はカンタンに終わってしまった。あとはお部屋で映画を3本も4本も観て、気がつけば日付が変わっていた。おお、素晴らしい怠惰。ワガママ言い放題の小春ちゃんなんか、もうとっくに寝んねした頃だ。

 翌朝は、午前6時に目が覚めた。というか、久しぶりに目覚まし時計というものを使用して、強制的に我と我が目を覚ましたのである。何しろ8時の特急に乗って、これから福井を目指さなければならない。

 福井は、遠い。特急サンダーバードは、京都から琵琶湖の西岸をゆるゆると北上して、敦賀・武生・鯖江を経由、福井までまるまる2時間かかる。

 しかも日曜朝の金沢行きは、おそらく団体ツアーのお客様が殺到したのだろう、グリーン車は満席でチケットがとれず、普通車指定席も満員。たった1席残っていた指定席のボタンを、無我夢中でポチッと押して、やっとこのことで座席を確保した。
控え室
(福井大学。控え室もやっぱり大学っぽい)

 ところが諸君、「もしかして」と思ったサトイモ法師は、自由席のほうを覗いてみた。だって大阪駅ホームを眺めるに、自由席に長蛇の列が出来ている気配も、その暑苦しい雰囲気も全くなかったのである。

 案の定、自由席はガラガラのガーラガラ。1車両に10人程度しか乗ってないじゃあーりませんか。こりゃいいや。ギュー詰めで身動きのとれない指定席より、ガーラガラの自由席でノンキに旅をする。春はそっちがいいじゃあーりませんか。

 この20年、すっかりオトナになった今井君は、「自由席」というものから長く遠ざかっていた。久しぶりに利用してみると、このユルい雰囲気、決して悪くない。福井までの2時間は、春の琵琶湖&比良山脈の絶景を楽しみながら、あっという間に過ぎていったのである。

1E(Cd) Bernstein:HAYDN/PAUKENMESSE
2E(Cd) Richter & Münchener:BACH/BRANDENBURGISCHE KONZERTE①
3E(Cd) Richter & Münchener:BACH/BRANDENBURGISCHE KONZERTE②
6(DMv) BODY OF LIES
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