2016年05月02日(月)

Fri 160408 ワシャワシャ駅下車 イーストサイドギャラリー(ドイツ・クリスマス紀行33)

テーマ:ブログ
 何となく「乗り鉄」と言われそうで気が引けるが、ベルリンの地下鉄に乗るのはマコトに楽しい経験である。パリの地下鉄と双璧と言ってよくて、「出来るだけ昔のものを大切に」というヨーロッパの人々の考え方は素晴らしい。

 パリなら1号線・2号線・6号線。白とペパーミントグリーンの可愛いツートンカラーがたまらない。フランス語・英語の後に日本語のアナウンスが入るのはギョッとするが、それだけ日本人観光客がたくさんパリを訪れ、パリの人も日本に親しみを覚えてくれているということで、それもまた素晴しいじゃないか。

 日本語の次が、ドイツ語。「おお、ドイツより日本が先なの?」という感激で、パリのクマ助の目頭はあっという間に熱々に燃え上がる。もっとも、2016年のパリ地下鉄ではとうとう中国語のアナウンスが登場。シャルル・ドゴール空港なんか、すでに中国語表示の嵐である。日本ももっと頑張って、日本語が消えないようにせんといかんね。
ワシャワシャ
(1902年開業、ベルリン地下鉄1号線の終点は「ワルシャウアー・シュトラーセ」。車内放送でのドイツ語は「ワシャワシャラーセ」としか聞こえない)

 このごろのパリの地下鉄は、多くの路線でホームドアがつき、コチラが何にもしなくてもドアが自動で開閉する形式になって、何となく風情を失った。昔ながらの「ハンドルをグルッとしないと、ドアは開閉しませんよ」という意地悪な感じのほうが好きだった。

 その点ベルリンの地下鉄は、その「昔ながらの意地悪な感じ」を今も保持している。車体は全て黄色であって、どの路線に乗っても、とにかく車体はひたすら黄色。日本みたいに、車体を見ただけで「ああ、○○線ね」みたいな、余計なお節介は一切なしだ。

 そして何と言っても、ヤタラに小さくて狭い。「何でこんなに狭いの?」と、思わず嬉しさに絶叫するほどの狭さが絶品だ。色は東京の銀座線とソックリだが、車両の面積も容積も、銀座線や大江戸線より遥かに小さい(気がする)。

(気がする)とか、妙に弱気な書き方をするのは、実際にメジャーで測定したわけではないからで、大きな肉体のドイツ人がズラリと乗り込んでくれば、日本の地下鉄だって相対的にググッと一気に小さく見えるかもしれない。
駅
(Wittenberg Platz駅。奥ゆかしい駅の表示にも、20世紀初頭を生々しく感じる)

 容積の小ささに歓声をあげるのもどうかと思うが、「狭いな♡」「狭いな♡」「小さいな♡」と感じて嬉しくなるのは、もうまるまる13年もニャゴロワと生活しているんだから、ある意味で仕方のないことである。ニャゴは普通のネコ君たちとおんなじで、とにかく狭い箱の中に入り込むのが大好きなのだ。

 普通のネコ君と違うのは、ニャゴが「超デカい」ということである。「そんなに小さい箱に入るのは無理だろ♡」と苦笑したくなるような箱にでも、無理矢理「入る」。正確には「入る」ではなくて「はまり込む」。はまり込まれた箱クンのほうが迷惑し、ニャゴの肉体の形に丸く膨らんでしまう。

 四角い箱を丸くして、いかにも満足げなニャゴの丸い顔と白い肉体を、ぜひ諸君にも見てもらいたい。つきたての大量のオモチを、そのまま小さな箱に詰め込んだら、間違いなくこんなふうになる。全体としてまあるく柔らかく盛り上がり、ホカホカ湯気を立てそうだ。

 そういうネコと暮らして13年、今井君としてもベルリンのオモチャみたいな地下鉄を眺めて、思わず「おっ♡」と叫びそうになった。「おっ♡」ならまだいいが、ふと「うにゃにゃ♡」とか「ニャゴニャゴ♡」と唸っていることもある。人間は、一緒に暮らしているネコにどんどん似てくるらしい。
壁東側1
(旧ベルリンの壁東側、「イーストサイドギャラリー」 1)

 ベルリン地下鉄は1902年の開業。銀座線の開業が1927年だから、四半世紀も先輩だ。昔はトンネルをあんまり大きく出来なかったから、車両が小さいのは当然。今では10路線もあるが、開業当初は1号線(U1)と2号線(U2)の2路線のみであって、しかもその2路線がすこぶる短かった。

 その時代から続く駅は、まさにベルリンのど真ん中ばかりである。Zoologischer Garten・Wittenberg Platz・Potzdamer Platz・Warschauer Straße・Möckernbrückeと並べば、渋谷・表参道・新橋・銀座・上野・浅草、要するにそういう風格である。

 その頃の東の終点がWarschauer Straße。「ワルシャワ通り」であって、ドイツ語の発音をカタカナで表記すれば「ワルシャウアー シュトラーセ」である。お隣ポーランドの首都ワルシャワにつながる長い街道の出発点なのだろう。
壁東側2
(旧ベルリンの壁東側、「イーストサイドギャラリー」 2)

 ところが諸君、その「Warschauer Straße」が、日本人の耳には素直に「ワルシャウアー シュトラーセ」とは聞こえない。車内放送に何度も耳を済ましてみたが「ワシャワシャラーセ♡」「ワシャワシャラーセ♡」としか聞き取れないのである。

 ワタクシとしては「わしゃわしゃ」「わしゃわしゃ」に納得がいかず、なかなか電車を降りる気になれなかったけれども、とにかく終点だ。放っておけば電車は車庫に入ってしまう。

 万が一そういう事態になれば、コワーいドイツ人の強烈なお説教に圧倒され、まるで常識知らずの極悪人と罵られたみたいに言われて、ションボリ日本に帰るハメになる。ここは「わしゃわしゃ」に納得がいかなくても、諦めて素直に電車を降りるしかない。

 何しろ20世紀初頭の古い地下鉄だ。2度の世界大戦も、敗戦後の大混乱も、冷戦による東西分裂も経験している。長い歴史を誇るワシャワシャラーセの駅は、ゴツい鉄骨に支えられた高架上の駅。銀座線渋谷駅とおんなじであって、地下鉄の駅が周辺で一番標高の高い位置にある。

 真冬の輝かしい日光を浴びて、カラダはポカポカ暖かい。不都合な地球温暖化は、アル・ゴアどんの予測をさえ超越し、遠慮なく進行しているらしい。ここから旧ベルリンの壁が長く北に向かって残っているが、こんなに暖かいんじゃ、ベルリンの壁をめぐるいろいろな悲劇も忘れてしまいそうだ。
壁西側
(ベルリンの壁・西側はもうこの通り。厚塗りの落書きに蹂躙されている)

 ベルリンの壁の廃墟は、ワルシャウアー・シュトラーセ駅の西側から、かつて東ベルリン中央駅であった「オスト・バンホフ」にかけて保存されている。人々の表情は穏やか、冷戦の記憶に粛然と張りつめた様子はもうほとんど見かけない。

 壁の東側は冷戦当時から描かれてきた壁画がズラリと並んでいる。「イーストサイド・ギャラリー」と呼ばれる巨大な風刺画の連続であって、ブレジネフでもホーネッカーでも、今もなお遠慮なしに風刺され続けている。

 一方、壁の西側は落書きだらけ。蹂躙の限りを尽くされて、眺めていても何だか情けなくなってくる。フランスやイタリアのローカル列車は、この種の厚塗りの落書きに傷めつけられているが、状況はあれとおんなじだ。

 落書きの上に落書き、そのまた上にまた落書き。落書きが10層にも20層にも重ねられて、腐った塗料がボロボロ剥がれ落ちている。

 うーん、10年前は冷たい雨の夕暮れ、東側の大胆な風刺画を見て感激したものだが、今度は温暖化のポカポカ陽気の中、落書きの厚塗りと腐蝕を眺めてミジメな気持ちに陥るのだった。

1E(Cd) Harnoncourt:BACH/WEIHNACHTSORATORIUM 2/2
2E(Cd) Eduardo Egüez:THE LUTE MUSIC OF J.S.BACH vol.1
3E(Cd) Brendel:BACH/ITALIENISCHES KONZERT
4E(Cd) Casals:BACH/6 SUITEN FÜR VIOLONCELLO 1/2
5E(Cd) Casals:BACH/6 SUITEN FÜR VIOLONCELLO 2/2
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