2015年01月17日(土)

Wed 141224 ニームの古代闘技場 映画「海峡」 ワニさんのこと(夏マルセイユ滞在記22)

テーマ:ブログ
 つい3週間前にはローマにいて、カラカラ浴場だのコロッセオだのチルコ・マッシモだの、古代ローマの遺跡を訪ね歩いていたが、そのまた3ヶ月前にはフランスのプロヴァンスをウロウロして、ローマのミニチュアみたいな街を歩き回った。

 「アルルの女」で有名なアルルは、ゲルマン民族の大規模侵攻にさらされてガリアを捨てることになった末期ローマ帝国が、ガリア最後の砦としたところ。それまでガリア防衛の中心だったモーゼル河沿いのトリアーから、一気に地中海沿いの街まで撤退したわけである。

 そのアルルにもローマ式の古代闘技場があって、あと1週間残っているマルセイユ滞在中に、どうしてもアルルも探訪しなければならないが、たったいま到着したニームもまた古代闘技場が有名。ニームの観光と言えば、「何が何でも闘技場」である。

 地中海世界に数ある闘技場の親玉は、もちろんローマのコロッセオ。15年前の映画「グラディエーター」で、ラッセル・クロウ演ずる将軍マクシムスが獅子奮迅の活躍をした舞台であるが、もちろんあれは史実ではなくて、モデルとなった古代の武将の名はマクシミアヌス。闘技場でのコモドゥス帝の哀れな最期も、やっぱりフィクションである。
闘技場
(ニームの古代闘技場)

 コロッセオの建設が始まったのは、紀元70年。暴君として名高いネロ帝の死後、ローマは皇帝を名乗る者が3人乱立する大混乱の時期を迎えるが、混乱を収拾して皇帝の座についたのがヴェスパシアヌス。10年後、ついにコロッセオを完成させたのは、その息子ティトゥス帝とドミティアヌス帝である。

 古代ローマ人はお祭りやイベントがお好き。猛獣とヒト、ヒトとヒト、猛獣と猛獣を戦わせて、血なまぐさいお祭りをかなりの頻度で満喫した。宗教儀式からイベントまで、血のニオイはつきものだから、古代の人々に街は信じがたいほど鉄臭かったんじゃなかろうか。

 今井君は、鉄のニオイと火薬のニオイが大の苦手。平和な21世紀に生きることができて幸運であった。古代から中世にかけては血のニオイ。鉄砲や爆弾が大活躍するようになった近代以降は、火薬のニオイ。クマ助にはとても耐えられない。

 クマどんは心の底から戦争反対の平和主義者。火薬と鉄のニオイに満たされた空気を長期間にわたって呼吸するなんて、考えただけで目玉がクリクリ動き出しそうである。「何だ、そりゃ」であるが、クマ助の目玉は、イヤなことを考えただけでクリクリ動き始めるクセがある。
メゾンカレ
(ニーム、「メゾン・カレ」。紀元5年ごろ建造の神殿である)

 アルルでもニームでも、古代闘技場は今もなお「血のニオイ」が漂いだすことがあるらしい。この2つの街は「フランスの古代ローマ」であるが、「フランスのマドリード」でもある。古代闘技場は今や闘牛に利用され、闘牛の開催される週末には、入りきれないほどの人が詰めかけるのだという。

 というわけで、ニームの闘技場はコロッセオに比較すると規模はたいへん小さいが、メンテナンスは驚くほど。闘技場の前に立つ闘牛士の像は蛇足と思うけれども、黒ずんだ岩の色もまた、古代から続く長い歴史を感じさせてくれる。

 しかし諸君、やっぱり血のニオイはいかんよ。普通に楽しく遊んでいる牡牛クンを無惨に殺しちゃって、それを見る数千数万のヒトが興奮して大歓声をあげるだなんて、牡牛クンがあんまり可哀そうじゃないか。
闘牛士像
(ニーム古代闘技場と、闘牛士の像)

 そこへいくと、数年前にリスボンで見たポルトガル式の闘牛は素晴らしかった。牡牛クンを殺したりしないのだ。
「牛もヒトも、もう十分戦った」
「ホントに見事なファイトだった」
「このへんで終わりにしようじゃないか」
という結末になって、まず戦っていた男たちが闘牛場から姿を消してしまう。

 すると諸君、取り残されてキョトンとしている牡牛クンを連れ帰りに、雌牛の群れが姿を現すのである。雌牛チャンたちは、7~8頭で牡牛クンを取り囲む。
「いつまでも、何あばれてんのよ」
「もうオウチに帰りましょうよ」
「早く、早く。ゴハンが冷めちゃうわよ」
と、まだ暴れたがっている牡牛クンを急かすようにグルグル走りまわる。

 雌牛たちの首の鈴が気持ちいい音で鳴り響くと、猛り狂っていた牡牛クンも思わず納得。「そっか、帰ろっかな」と悟った一瞬が、見守る観客にも伝わってくる。あたたかく湧きあがる大拍手の中、トコトコ会場を後にする雄々しい牡牛クン。みんなが涙する瞬間である。
ワニさん
(ニームは、ワニの街でもある 1)

 実は今朝は午前3時に目を覚まし、いよいよセンター試験会場に向かおうとする受験生諸君と同じ、緊張感みなぎる朝を迎えた。と言っても今井君自身がセンターを受験しにいくわけではないから、明け方の空に向かって今日の諸君の健闘を祈っただけであるが、まあそのぐらいはさせてくれたまえ。

 やっぱり「冬はつとめて」であって、早朝のピリッとした寒さの中で祈りのコトバを呟いているのはいいものである。その後、東京はよく晴れて、昼近くには「ぬるびもてゆけばわろし」になってきた。あまりの手持ち無沙汰にテレビをつけると、高倉健出演の映画「海峡」をやっていた。

 25年も津軽海峡にはりついて、青函海底トンネルを掘る男の話である。渋い国鉄職員を演ずる高倉健があんまりカッコいいので、「オレも一生かけてああいう仕事をやりたかったな」と、思わず職業選択を後悔するほど。今井君の父親も、ウルトラ真面目で立派な国鉄職員だった。

 しかし諸君、考えてみるとトンネル掘削というのは、火薬や爆薬との付き合いを避けることはできない。火薬がキライ、硫黄のニオイがキライ。そんなんじゃカッコいい男を貫けなかったのが、近代という時代だったのかもしれない。
ワニさん小
(ニームは、ワニの街でもある 2)

 ニームは、ワニの街でもある。いたるところにワニの像があり、ワニの形のお菓子もある。道路の敷石に打ちこまれた鋲もワニのマーク。いくら温暖な気候といっても、まさかプロヴァンスにワニがウヨウヨしていたわけでもあるまいし、「いったいどうしてワニなんだ?」である。

 どうやらこれもまた古代ローマと関係があるらしい。アウグストゥスがアントニウス&クレオパトラ軍を撃破したのは「アクティウムの海戦」だが、その軍に従っていた兵士たちに、植民都市として与えられたのがニームの起源だというのである。

 というわけで、アフリカの象徴・ワニを鎖につないだマークが街のシンボル。もっとも、せっかくの雄々しい物語にケチをつけるヒトは必ずいるもので、
「バーカ、そんなの伝説だよ」
「古代のニームはコインを鋳造していたので、アクティウム戦勝記念でワニ貨幣も作った。それが後代になって大量出土したのが、ワニがマスコットになったキッカケなのだ」
と、マコトに冷めたご意見が今の定説になっているらしい。

1E(Cd) Joël Cohen:L'HOMME ARMÉ
2E(Cd) Joël Cohen:L'HOMME ARMÉ
3E(Cd) Solti & Chicago:HÆNDEL/MESSIAH①
4E(Cd) Solti & Chicago:HÆNDEL/MESSIAH②
5E(Cd) Barenboim, Zukerman & Du Pré:BEETHOVEN/PIANO TRIOS, VIOLIN AND CELLO SONATAS 2/9
total m130 y2241 d15171
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