2015年01月02日(金)

Tue 141209 初秋のリゾート 基礎と音読の徹底 オレンジに染まる(夏マルセイユ滞在記8)

テーマ:ブログ
 リゾートというものはどこも同じだと思うが、9月に入った南フランスの寂寥感はひとしおである。街から日々ヒトがどんどん少なくなっていき、レストランでテーブルが空くのを待つことも、カフェが超満員でウンザリすることも、いつのまにかパッタリとなくなってしまう。

 事情は北イタリアでも全く同じであって、6年ほど前に訪れたマッジョーレ湖は、8月の夏真っ盛りと9月上旬の落差が余りにも激しかった。8月31日にはまだバカンスの真っただ中だったのに。9月10日になるともうそこいら中のホテルが「冬期休業」で固くシャッターを降ろしはじめる。

 カフェもレストランも同様に次々と「冬期休業」に入って、「ホンの10日前までは超満員でランチにもありつけなかったのに」という湖岸の街から、あっという間にシャッター街よろしくヒト気が消えてしまう。
13579 大聖堂1
(マルセイユ、サントマリア・マッジョーレ大聖堂。日没2時間前には、まだチャンと白黒シマシマだ)

 しかもその「冬期休業」は、何と翌年4月まで延々と続くのだ。営業しているのは5月☞6月☞7月☞8月。経営者の皆さんは、たった4ヶ月で1年分を荒稼ぎして、残り8ヶ月は悠々とどこか遠くで暮らしていらっしゃる。うーん、諸君もそういう一生を考えてもいいかもしれない。

 もちろんその場合「残り8ヶ月」をグータラ過ごしたんでは何にもならないので、夏4ヶ月を北イタリアかプロヴァンスの荒稼ぎで費やしたら、残り8ヶ月を全て懸命なボランティア活動に使ってもいいし、日々の生活に追われない集中した研究なり執筆なりに没頭することもできる。

 もしそういう人生設計をするなら、諸君、出来るだけ早めにそれを実現させようじゃないか。数百年前、今井君の人生設計もその相似形であって、まだ若かった受験バブルの時代、
「30歳代前半を予備校講師として『一気に荒稼ぎ』につかい、オカネを稼いだらとっとと引退して、その後は面白おかしく旅に専念、残りは本を書いて暮らそうじゃないか」
と、トンでもないことを企てたものだった。
13580 大聖堂2
(サントマリー・マッジョーレ大聖堂。日没15分前には、こんなに赤く染まってしまう)

 しかし諸君、やっぱり「そうは問屋が卸さない」のである。時代はすでに少子化に向かい、90年代後半、予備校の事務局側からは毎年毎年「少子化のせいですかねぇ。今年も浪人生は20%減です」という嘆きの挨拶が続くようになって、「30歳代前半で荒稼ぎ」☞「とっとと引退」というシナリオは脆くも崩れおちた。

 諸君、「毎年20%減」という数字の衝撃度を理解してくれたまえ。「前年の8割」がもし10年続いたら、10年で浪人生数がどうなるか。要するに0.8を10回掛け算すればいいだけだから、ちょっと計算してみると、どうだい、目の前に「0.1073」という強烈な数字が出てくるじゃないか。

 つまり、そのまま手をこまねいて10年を無策で過ごせば、浪人生数はたった1割になってしまう。たとえいま目の前に5万人の生徒がいても、その事実に安住してニヤニヤしていれば、10年後にはたった5千人になってしまうということだ。
13581 ホテル
(夕暮れのインターコンチホテル。「さすがは19世紀の施療院」の風格を発揮する)

 「少子化」ということのあまりの衝撃に、10年前の今井君はいろんな場所でその計算を披露した。みんな一応マジメな顔で0.107という数字を眺め入り、しかしすぐに呆れたような顔で「でも、そんなことは現実にはありえない」と一笑に付したものだった。

 同僚の代ゼミ講師たちも、事務局側のヒトビトも、「今井先生がまた奇妙なことを言いだした」と言って取り合わず、それどころか教室の生徒たちの前で「今井サンがバカなことを言っていた」とご披露に及ぶセンセも存在したのである。

 今井君がすぐに東進に移籍を決めたのも、あのころ東進だけはこの数字にマトモに取り組み、有効な対策をバシバシ取り続けているように思えたからである。浪人生を大切にしながらも、浪人パワーに依存することなく、現役シフトを最も強烈に押し進めていた。

 特に英語のLRSW、いわゆる4技能を平等に取り扱い、基礎基本徹底重視の姿勢を前面に押し出す姿勢は卓抜。昔ながらの予備校が、どこもみんな「オマエたちはカンゼンには分かっていないんだ」と、カンタンなこともコムズカシくする古色蒼然とした授業を続けている中、「音読♨」「音読♡」「音読☞徹底」の道を突き進んでいるのは、今井君もベストの方針と信じた。
13582 船上オペラ
(旧港のクルーズ船で、オペラコンサートが始まった)

 あれから10年、今や「完全に勝負あった」の観がある。確かに古色蒼然とした予備校も講師も残存しているが、マコトに旗色が悪いのは事実であって、少なくとも「英語は音読で」「基礎基本徹底で」「カンタンなことはカンタンに」が主流。日本のヒトビトは、決してオロカモノではないのである。

 もちろん「4ヶ月で稼ぎまくって、残りは…」という人生設計は、変更を余儀なくされた。あれから数百年、気がつけばクマ助も年齢796歳であるが、何よりもまず「授業が面白くて面白くて、とてもヤメるどころじゃない」というのがホンネである。

 まさかこんなに面白いとは、若かりしクマどんが予測した10倍も15倍も面白いので、リゾートのヒトビトみたいに「4ヶ月で稼ぎまくって、残り8ヶ月は好きなこと」どころの話ではなかった。「授業それ自体が、好きなこと」であることの発見。いやはや、人生まさに塞翁が馬である。
13583 旧港
(夜更けのマルセイユ旧港)

 9月1日の夕暮れは、そんなことを考えながらマルセイユの海を眺めていた。空が赤く染まるに連れて、さっきまで白黒の縞模様だったサントマリー・マッジョーレ大聖堂は、いつの間にか白とオレンジの縞模様に変わった。大理石がこんなに鮮やかなオレンジやピンクに染まるのを、クマ助は初めて目撃した。

 ホテルへの帰り道、旧港に浮かんだクルーズ船から男女の素晴らしい歌声が流れてくる。もうすぐ2014年の夏が終わる。この美しかった今年の夏を惜しんで、船上でオペラ・コンサートが始まったのである。

 欧米人のオシャレの強烈さは、控えめな日本人にはなかなかマネできるものではないが、「目いっぱい」という着飾り方をした欧米人男女を満載したプロヴァンスのお船を、諸君もちょっと想像してみたまえ。

 一人一人が「満艦飾」の状況である。満艦飾な人間を100人も満載して、満艦飾の2乗というか3乗というか、激烈に飾り立てた豪華な夜が始まった。マルセイユ港の穏やかな波が船を揺らせば、船の歌声もまた果てしなく優雅に、果てしなく優雅に揺れ続けるのであった。

 バカンスを満喫したヒトビトが仕事に戻りはじめた9月初旬の夜、海の風はすでに冷たく、思わず長袖が恋しくなるほどであったが、船の上の熱さは相変わらずである。

 ゆく夏を惜しむ歌声に岸壁のヒトビトも唱和し、道端のイヌたちの三角の耳も、帰り道を急ぐクマどんの丸いお耳も思わずピンとそばだって、歌の一節たりとも聞き逃すまいと緊張する、寂しくも美しい、満月の秋の夕暮れであった。

1E(Cd) Bobby Coldwell:AUGUST MOON
2E(Cd) Bobby Coldwell:CARRY ON
3E(Cd) Bobby Coldwell:COME RAIN OR COME SHINE
6G(Ms) 京都国立博物館:平成知新館・名品ギャラリー
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