Sat 141018 新幹線マイルとラウンジがほしい 南山城・岩船寺 露天神社と林間田園都市 | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Sat 141018 新幹線マイルとラウンジがほしい 南山城・岩船寺 露天神社と林間田園都市

 5日間に及んだ大阪滞在も、11月7日、この日が最終日である。旅の終わりはいつも寂しいけれども、そんなことを言っていても何にもならないから、早起き鳥♡今井は朝8時半から電車に揺られて、秋の大和路を目指すことにした。

 大阪駅から環状線で鶴橋。鶴橋で近鉄に乗り換えて奈良へ。朝の近鉄には奈良行き特急がないから、通勤通学のラッシュの中、吊り革につかまって生駒山地を越えていかなければならない。

 諸君、クマどんは相変わらず右肩が痛い。吊り革にぶら下がっていくのはたいへんな苦痛である。万一これを近鉄関係者が読んでいたら、是非お願いしたいのは、「朝にも指定席の設定されている特急を走らせてくれへんか?」ということである。

 ついでに思いついたから、JR関係諸氏にも2つほどお願いしておく。
① 新幹線に、ヒコーキみたいなマイレージを設定してくれないだろうか。
② 新幹線に、ヒコーキみたいなラウンジを作ってくれないだろうか。
以上2点、「航空会社との競争を勝ち抜くため」というより、乗客の利便性を向上させるために、是非ともお願いしたいのである。
猫
(岩船寺から、鎌倉時代の石仏が並ぶ道へ入っていくあたり。初冬の日だまりが暖かそうだった)

 特に②は早急に考慮する価値があると信じる。東京駅や新大阪駅、名古屋や博多でも同じだが、早めに駅に到着してしまった時、
「ボクはどこで電車を待ってたらいいの?」
「ワタシはどこで時間をつぶすの?」
と、茫然と立ち尽くすことが少なくない。空港みたいにゆっくり過ごせるラウンジがあれば、まさに大助かりである。

 確かに東京駅地下には「GranSta」と言ふ広大な地下飲食店街がある。おそらくJRサイドとしては「そこで時間をつぶしててください」みたいなスタンスなのだろうが、あんな大混雑の中で時間をつぶすのはハッキリ言って困難。どの店も間違いなく満員で、空しくタメイキをつきながら地上に戻ってくるのが関の山である。
十三重塔
(岩船寺、十三重の石塔。鎌倉時代のものである)

 VISAとかAMEXとかMasterとか、カード会社のラウンジでもいい。これもハッキリ言うが、空港のカード会社系ラウンジはマコトに旗色が悪い。航空会社のラウンジの快適さに比較して、「狭い・暗い・面白味がない」の三拍子が揃ってしまっている。

 この際、むしろ空港から撤退してでも、東京・名古屋・京都・新大阪・広島・博多みたいなウルトラ主要駅にラウンジを設定してはいかが。「ゆっくり落ち着いて新幹線を待てるなら、有料だって全然構いません」という乗客は多いはずだ。むしろ1000円ぐらいの有料設定の方が、落ち着きはグンと増すんじゃないか。

 ラウンジの有料設定ということなら、①の「新幹線マイレージ」もついでに考えたらいい。
「距離と運賃に合わせて、新幹線でもマイルが貯まります」
「貯まったマイルはショッピングやご旅行にどうぞ」
「新幹線のカード会社ラウンジを、マイルで利用できます」
など、夢は膨らむばかりであって、どうしてその程度の工夫をしないのか、秋のクマ君は首を傾げて腕組みするばかりである。
三重塔
(岩船寺、三重塔。岩船寺は8世紀に行基が創立と言われているが、この塔は室町時代のものである)

 さて、11月7日の大和路グマであるが、吊り革につかまって痛みの倍増した右肩をナデナデしながら、9時半過ぎに近鉄奈良駅に到着。駅構内に渦を巻いていた修学旅行生にヒヤヒヤしつつタクシー乗り場に向かった。

 「どうして『修学旅行生にヒヤヒヤ』なんですか?」であるが、諸君、考えてもみたまえ。奈良や京都の観光の最中、あるいは羽田空港や京都駅で「あ、今井先生だ!!」ということにでもなったら、たいへんな騒ぎになりかねない。

「サインしてください♨」
「写真とってもいいっすか?」
「何でこんな所にいるんすか?」
「すげ」「すげ」「すげ」
の類いの嵐は、一般の人から見たら「何だ、ありゃ」「あのクマ、何なの?」とという奇怪な光景である。

 現についこの間、10月末の伊丹空港でそういう騒ぎが起こっている。「修学旅行生にヒヤヒヤ」は常に同じことであり、実はこの直後、まさにそのヒヤヒヤが静かな山のお寺の前で現実化したのであった。

 運転手さんに「岩船寺」と告げると、「は?」と怪訝そうなご返事。「浄瑠璃寺のそばのガンセンジです」と言ってもまだ首を傾げているので、試しに「いわふねでら」と言ったら、すぐに理解してもらえた。地元の人には、むしろ「いわふねでら」なんですかね?
石風呂
(岩船寺、山門前に石風呂または岩風呂がある。これも鎌倉時代のものらしい)

 岩船寺は、奈良県と京都府の県境、京都側の「当尾」と呼ばれる山里にある。いわゆる「南山城」であるが、諸君、この文脈で、まさか南山城を「なんざんじょう」と思ったんじゃないだろうね。

 文脈上明らかなように、南山城と書いてもちろん「みなみ・やましろ」と発音してくれたまえ。いやはや、日本語はマコトにむずかしいから、ブログであっても常に文脈を意識して読み進めなきゃいけない。

 大阪梅田に、近松門左衛門「曾根崎心中」の舞台にちなんで名付けた「曾根崎お初天神通り」という飲屋街がある。お初&徳兵衛の心中事件の悲しさは、ロミオ&ジュリエットのお話に勝るとも劣らないが、通りの奥には「露天神社」という神社があって、通称は「お初神社」である。

 しかし諸君、たった今キミは「露天神社」を「ろてんじんじゃ」と発音しなかったかね? これは「露」と「天神社」にわけて、「つゆ・てんじんしゃ」と発音しなきゃいけない。うぉ、難しいじゃないか。

 ついこの間も、高野山に向かう電車の中で「りんかんでん・えんとし」という英語の発音に驚かされたことがあった。もちろん「林間田園都市」であるが、英語アナウンスを担当したネイティブ女子は、「りんかんでん」まで一気に発音し、そこで一拍置いてから、「えんとし」と続けたのである。

 言わばRinkanden-Entoshiであって、しかも例の美しいネイティブの発音であるから、RinkandenとかEntoshiとか、そういう厳かな場所が存在するような錯覚さえ覚えた。Entoshiは頭のEにアクセントが置かれ、Éntoshiな感じである。
露天神社
(大阪・曾根崎、「お初天神」こと露天神社)

 しかし諸君、これは原稿を渡した日本人職員の工夫が足りないのだ。Rinkanden-entoshiと途中にハイフンが入ってしまったんじゃ、ネイティブにはやっぱり「りんかんでん」☞「えんとし」にしか見えない。

 でも、den-enみたいにハイフンを入れないでdenenとすれば、「でんえん」は「でねん」に見えてしまう。「やっぱり『林間でねん都市』じゃ、困るわけでんねん」と、すっかり困ってしまった担当者は、ここにハイフンを入れて事態を打開しようとしたわけだ。

 この場合の正しい対処は、RinkanとDen-enとToshiの間にスペースを入れることだったのである。Rinkan Den-en Toshiと原稿にあれば、ネイティブ女子も正しい発音が可能。あと、もちろん収録担当に丸投げせずに、もっとコミュニケーションをとることであるね。

 なお、このアナウンスは「特急こうや」の中だけなのかもしれない。高野山からの帰り、普通の快速急行にのったら、一瞬でよく聞き取れなかったけれども、英語アナウンスでも「リンカンデンエントシ」と一気に発音しているように感じた。それにしても、ずいぶん「ん」の多い町であるね。

 さて、岩船寺がどれほど深い山の中だったか、岩船寺の前でどんな「今井先生ですか?」騒動が起こったかなどについては、明日の記事に譲ることにする。今日のところはとりあえず写真でも眺めて、秋のクマどんとともに秋の南山城の風情を楽しんでくれたまえ。

1E(Cd) Solti & London:MOZART/LE NOZZE DI FIGARO①
2E(Cd) Solti & London:MOZART/LE NOZZE DI FIGARO②
3E(Cd) Solti & London:MOZART/LE NOZZE DI FIGARO③
4E(Cd) Sinopoli & New York:RESPIGHI/FONTANE・PINI・FESTE DI ROMA
5E(Cd) Oortmerssen:HISTORICAL ORGAN AT THE WAALSE KERK IN AMSTERDAM
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