2013年09月12日(木)

Mon 130819 出発の暗澹たる気分 肉々しい肉で一新(第2次ンラゼマ地球一周記15)

テーマ:ブログ
 8月31日、サンパウロへの出発の朝である。どうやら昨日の夕暮れにシカゴを襲った豪雨は、寒冷前線の通過だったらしい。激しい雷雨の後はグッと気温が下がって、「おお、秋が来たな」と実感する。
 北米でもヨーロッパでも、8月が終われば、それと同時に夏も終わる。夏のリゾートはいきなり店じまいして、コモ湖とかマッジョーレ湖とか、夏の間ヨーロッパ中のお金持ちでごった返したリゾートは、9月中旬からのお客は受け入れない。来年の5月まで完全休業になる。
 要するに、夏が終わればいきなり冬がくるのである。途中の秋はきわめて短くて、おやおや、もうプラタナスの葉は茶色く染まり、路上にもカサカサ落ち葉が舞っている。ヒトビトはウィンドブレーカーどころか厚手のジャンパーを着込んで、「夏は終わったな」と寂しげにボソボソ話し合っている。
サルーン
(シカゴ最終日のランチには、「サルーン・ステーキハウス」の巨大ステーキを選んだ)

 かく言う今井君も、8月31日の朝は暗くふさぎ込んでいた。だって、今日がシカゴの最終日。3日前の到着以来、ディープディッシュピザ、分厚いゲンコツステーキ、いくらでも食べられるリブステーキと、3日連続で超グルメの日々を満喫したのだ。
 それなのに、昨日の豪雨とともに秋が来て、今日でシカゴにサヨナラだ。今日の夜にはヒコーキに乗って、いきなり南半球に向かわなければならない。「ブラジルを旅してきます」と言っただけで、「えーっ、大丈夫なんですかぁ?」とビックリされるような国に向かうのである。
 ガイドブックには「治安はきわめて悪い」「世界一の犯罪都市だ」と書きまくられ、外務省の渡航情報なんかにも、犯罪の実例が多数列挙されている。
「襲われても、周囲のヒトビトは助けてくれません。『ああ、またか、可哀そうに』という顔で遠巻きに眺めているだけです」
「警察官も、全くアテになりません。被害証明書を書いてくれる程度です」
ホントに、ガイドブックにはそういう文字が羅列されているのだ。
 無数の悪人がウヨウヨ渦を巻いている真っただ中に、気のいいサトイモ君が降り立って、「さ、強盗サンたち、襲ってくれていいですよ」とニコニコ笑っているイメージである。いやはや、南米のヒトビトにはマコトに失礼な、悪質な情報の洪水である。
スープ
(サルーン・ステーキハウスのオニオングラタンスープ)

 そんな情報ばかり聞かされていたら、旅立ちの朝に暗澹たる気分になるのも仕方ないじゃないか。しかも、昨日の記事でシカゴの豪雨について書いたとき、大事なことをヒトコト書き漏らしてしまった。
 雨粒について「カンロ飴」の比喩を使ったところで(スミマセン、昨日の記事を参照してください)、「まるで節分の豆まきのように」「成田山新勝寺の節分の豆まきよろしく」と書こうと思って、ずっとウキウキしていたのだ。うーん、そこを思わず書き忘れてしまったのが心残りで、ますます心は暗澹としてくる。
 これもまたイメージであるが、悪辣な黒雲団の主役は、元横綱の朝青龍みたいなヤツ。マスメディアの皆さんはよほど朝青龍が憎かったらしくて、「品格がない」という表現でしつこく個人攻撃を繰り返し、とうとう努力家の外国人青年を相撲界からイビリ出してしまった。
 しかしサト助は、いかにも悪童然とした、「ヒールをやるために生まれてきました」という彼の生き方や表情が大好き。夕暮れのシカゴの空にやってきた豪雨の神様だって、きっと全盛期の朝青龍そっくりの悪辣な笑顔で、巨大な枡いっぱいのカンロ飴みたいな雨粒を、シカゴの街にまき散らしていたに違いない。
店内風景
(サルーン・ステーキハウス店内。冷たい雨の土曜日、ランチは閑散としていた)

 ついでにヒトコト付け加えておけば、この朝の今井君が暗澹とした気持ちでいたのは、「あーあ、これからエコノミークラスで10時間のフライトに耐えなければならない」という重苦しい予感のせいもあった。
 だって諸君、日本の優しいヒコーキじゃないんだ。外国のエアラインのエコノミー、例えばアリタリア、例えばルフトハンザ。うにゃにゃ、そういうエコノミーって、普段ANAなんかで甘やかされている日本人にとっては、ほとんど「コヅキまわされる」という感覚なのだ。
 空港でコヅキまわされ、ヒコーキでもコヅキまわされ、10時間も12時間もそういう扱いに耐えて、ガマンにガマンを重ねて向かう先は「世界最大の犯罪都市」「誰も助けてくれない街」。これで暗澹とした気分にならないとしたら、そっちの方がむしろフシギなぐらいである。
 あんまり寂しくなったので、「残り少ないシカゴ滞在を、せめてランチでいい、もう一度だけ分厚いステーキを目いっぱいエンジョイしてこよう」と決めた。チェックアウトを済ませた後、荷物をホテルに預け、予約しておいた「サルーン・ステーキハウス」に向かった。
ワイン
(アルゼンチンの赤ワインを1本)

 昨日の残りの雨がまだパラパラ降り注ぐような天気だったが、シカゴの銀座=マグニフィセントマイルを傘もささずに北上した。傘をささなかったのは、別に理由があったわけじゃない。ホテルで傘を借りようと思ったら「傘は一本残らず出払っちゃいました」と肩をすくめられてしまったからである。
 ちょうど土曜日で、マグニフィセントマイルは近郊からの観光客でごった返していた。シカゴは観光都市ではないが、土日ともなればイリノイ州周辺の地方都市から、休日を楽しみにたくさんのヒトビトが集まってくる。せっかくの土日なのに、冷たい雨がパラパラしてるんじゃ可哀そうだが、ま、いまの今井君が心配することではない。
 すっかり馴染みになったウォータータワーのところで右に折れ、人気店チーズケーキファクトリーの脇をすり抜けると、「サルーン・ステーキハウス」はすぐに見つかった。予約するまでもなかった。200人でも入れそうな広い店内に、他にお客は2組しかいない。ほとんどヒョーロクダマの状態である。
シカゴ
(出発直前のシカゴ。キレイに雲がとれて青空になった)

 注文したのは、まず何と言っても巨大なフィレステーキ。さすがのアメリカ人でも、お昼に500グラムのステーキを平らげるヒトは稀なようで、差し出された「お得なランチメニュー」には載っていなかったが、ディナーメニューの方を指差して強行突破した。
 さらに、この店の名物オニオングラタンスープ。もちろんビア、返す刀でアルゼンチンの赤ワインを1本。「お昼からワイン1本ですか?」とマジメな日本のヒトはビックリするかもしれないが、何しろこれから「外国のエアラインのエコノミーで10時間、世界最大の犯罪都市に向かう」という悲しい境遇のサトイモ君だ。許してくれたまえ。
 余計なアブラのないスッキリしたフィレステーキを心行くまで味わって、2時間ほど。入店が12時、店を出たのが14時。お肉とワインですっかり気分も上々である。
 サト助の気分をそのまま描いたかのように、午後のシカゴは雨がすっかり上がり、青空も見えて、雲の切れ間から夏の名残のまぶしい日光が降り注いだ。爽快な涼しい風が流れている。
 それでは、出発だ。ニューヨークでは拾うのに大苦戦するタクシーであるが、シカゴにはそんな意地悪をするドライバーはいない。目が合って、すぐに手招きしてくれた。ニクニクしい肉をワシワシやっただけで、こんなにガラリと気持ちの変わる男も、この世の中に珍しいんじゃないかね。

1E(Cd) Joe Sample:SWING SWEET CAFE
2E(Cd) Joe Sample & Lalah Hathaway:THE SONG LIVES ON
3E(Cd) Lee Ritenour:WES BOUND
4E(Cd) Madredeus:ANTOLOGIA
5E(Cd) Marc Antoine:MADRID
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