Thu 100902 反省の大将 落下傘的な切れ切れ人生 何の専門もない「賞状コレクター」 | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Thu 100902 反省の大将 落下傘的な切れ切れ人生 何の専門もない「賞状コレクター」

 さて、昨日の本題であるはずが今日に持ち越されてしまった「切れ切れ」と「キレキレ」であるが、「切れ切れ」とは要するに切れ切れのことであって、電通→学究社→河合塾→駿台→代ゼミ→東進と、ホントに細切れにブツブツ切れ切れに生きてきて、いつの間にかこんな年齢になるのに「これは私の専門です」「これだけは任せてください」と言える分野が一つとして見当たらない。そのことに対する深い反省がある。
 もちろん、受験生に英語を教えること、特に文法と長文読解と会話文を解説して異常なほど理解させることについては、「任せてください」だし「スミマセンが私より上手な人がいたら驚きです」というぐらいの自信はあるけれども、その妙竹林な自信が切れ切れ人生の原因にもなったのだから、それ自体が反省の対象(パソちゃん、「反省の大将」って、やりすぎでしょ?)である。
 だいたい、その自信のせいで(代ゼミ時代は特に)多くの人に迷惑をかけてきたのは間違いないのだ。「やっとのことでサテライン担当講師になった」と喜んでいた先生がたが、今井の切れ切れ人生のせいでサテラインから何人降ろされてしまったか。考えるとホントに反省は深い。
歓喜
(猫ヨガ 歓喜のポーズ)

 地道に地道に努力を続けた講師が、ある日の午後、教務課長から「来年から高2のサテラインを担当してもらいたいんですが」と切り出される。この世界のことを知らない人のために解説すれば、その日こそ(「日こそ」で何故かパソコンちゃんは「彦三」と変換した。彦三くんに興味のある方は、是非お試しあれ)予備校講師にとって夢実現の日なのである。
 彼は喜びにふるえ、「とうとうサテラインをやることになったよ」と、早速親にも友人たちにも彼女♡たち♨にも伝える。「おめでとう♡」「よかったね♡」「すっごーい♡」と祝福の電話やメールや抱擁(パソどん、「法要」って?)やその他いろんな激しい感動の渦に飲み込まれ、「ボ、ボ、ボクは、ついに夢を実現させたんだ!!!」と、日記なりブログなり、今ならtwitterなりにその喜びを激白するのである。
 ところが、考えても見たまえ。そこに今井クマ五郎がノンキに落下傘に揺られながら、天から降ってくるのである。「悪魔が来たりて笛を吹く」みたいなものである。あっという間に「トンビにアブラゲさらわれる」というか、ウワバミにいいところを全部さらわれて、獲得したはずのサテライン講座は、気がつくとみんな今井のものになっている。
ぐにゃ
(猫ヨガ ねじれた雲のポーズ)

 この場合、イケナイのは完全に今井であって、奪われた講師本人も、その家族も、彼の彼女♡たち♨も、彼のファンたちも、すべて今井を心から憎んで当然である。だって、今井のルックスとかがスンバラシイなら、ハナシもわかるのだ。しかし、あれま、ルックスはあくまで「普通のオヤジ以下」である。
 身長172cm座高100cm、足の長さはわずか72cmである。甘いマスクみたいなものとは完全に無縁であって、「残念なマスク」「全体的に黒が目立つマスク」「鼻に画鋲を刺して180度回転させてもほとんど同じマスク」である。外から見ただけでは「どこがいいのか、サッパリわからない」ということになって当然だ。
 うーん、切れ切れ人生=落下傘人生は、ヒトに迷惑をかけすぎたのだ。駿台までは自分でも「実力でのしあがった」というプラス評価しかないが、代ゼミ時代はどうしても「天下り的」というか、いきなりその小さなムラ社会のテッペンに空から舞い降りるような、イヤらしい生き方をしてきたというマイナス評価が入り混じる。友人たちは「実力の世界なんだから、仕方ないんじゃないか」「気にする必要はないんじゃないか」と言ってくれたものだが、年齢的にもそろそろ苦い反省が似合う世代になってきたように思うのである。
跳躍
(猫ヨガ 跳躍のポーズ)

 ついでに言えば、今井君が苦々しく思うのは「切れ切れ人生の果てに、何の専門もない」ということである。高校生の頃から今井どんにはその傾向があって、ある友人は「器用貧乏」と指摘したものである。高校3年で理系医系進学クラスにいて、それなのに進学先は文系学部というのも「器用貧乏」の証拠であって、文系人間なのに数学も物理も何とか器用にこなすから、気がつくとどっちつかずで結果もチャンと出てこない。
 つまり、何をやっても上手い。上手くないのは鉄棒と跳び箱とマット運動ぐらいのもので、たいていのことは平均以上にこなす。仕上げさえしっかりやればどんなものでもピカピカ光らせるぐらいのことは出来る。しかし、ではその作品が1位とかグランプリとか優勝とか、そういうことになるかと言えば、残念ながら常に「佳作どまり」「入賞どまり」であって、賞状は引き出しにゴッソリあるが、ピカピカ光るおっきなカップは玄関にも応接間にも、1つも飾られていないのである。
黒雲
(猫ヨガ 黒雲のポーズ)

 銀メダルばかり獲得していると「シルバーコレクター」と悪口を言われるが、残念ながらクマどんは「賞状コレクター」に留まっている。これ全て「切れ切れ人生」の成れの果てであって、小結/関脇クラスまでの出世は早いが、そこで伸び悩む力士のようなものである。だからこそそういうタイプのヒトの悩みを理解できるのだが、ヒトの悩みを理解できるのと、自分でその立場を打開できるのとは、ハナシが全く違うのである。