Sat 100821 「クラブ活動」について 今井君は見学するだけである きつい日々が始まる | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Sat 100821 「クラブ活動」について 今井君は見学するだけである きつい日々が始まる

 日本のワイン通のほとんどはロゼワインなど鼻にもかけない。「ロゼワインを注文する」のは、「ワインバーでコカコーラを注文した」「NHKのど自慢に応募した」「桜田ズンコと森昌子のファンだった」というのと同じぐらい、ワイン通には決して許せないワインへの冒涜行為なのである。
 しかし、カタルーニャのヒトは昼でも夜でもみんなロゼワインを飲む。赤や白のワインを傾けているヒトは、2週間の滞在中1人しか見なかった。もちろん、鏡に映った今井君である。9月16日のミクニでも、もちろんロゼが話題になることもなかったし、選択肢としてトーナメントの1回戦に名を連ねることさえなかった。
 あのあと(スミマセン、まだ9月16日の宴会が続いています)1時間弱の志D先生によるワイン講義は広く深く、劣等生の今井クンがずっとバカバカしいことを言ってふざけつづけていたのを除けば、たいへん意義深く蘊蓄の深いものであった。1時近くなって、いよいよ店のヒトたちが帰りたそうにソワソワしはじめたところで、お勘定をして店を出た。
 吉N先生のブログによれば「授業のあとは部活」「講義のあとはクラブ活動」となっているが、熱心なクラブ活動は他の3人に任せて、今井君は「クラブ活動の見学」に留めた。別に気難しいオジサンでもないし、気取るつもりもないが、今井君の性格はクラブ活動向きではないのである。
 だから、断りきれないとき以外は滅多にそういう場所に出入りすることはなくて、せいぜいで1年に1回、いや2年に1回、「今夜は楽しすぎて、一人でさっさと帰るのはもったいない」という夜に限られる。しかもひたすら大人しく見学をきめこむので、「どうしたんですか?」「気分でも悪いんですか?」と心配されることが多い。
エロスキー
(エロスキー。バルセロナ周辺に多いスーパーマーケットチェーンである。昔のイトーヨーカドーのマークを思い出して懐かしい。それにしてもダンナ、「エロスキー」ですよ、「エロスキー」)

 今井どんは聴衆が100人以上いないと、いつもの様子からは信じがたいほど無口になり、硬い貝殻の中に籠って、意地でも出てこなくなる。相手が4人とか5人とかが一番苦手なので、「クラブ活動」とはまさに今井君の最も苦手な活動である。中でも「何を言っても相手が笑ってくれる」というシチュエーションは、貝の殻をますます硬くしてしまう。
 100人以上の聴衆が、今井君に何だか敵意をいだいていて、「意地でも笑ってやるものか」と手を握りあって互いに目配せしているような状況こそ、今井どんの闘志をイヤが上にもかき立ててくれる。敵意むき出しの聴衆が、「どうしてももう笑いをこらえきれない」と顔を真っ赤に紅潮させて、それでもギリギリで耐えている状況が好きなのだ。それでも我慢ができなくて、会場のあちこちで「ぶーっ!!」「ぶぶぶ…くっくっくうー…ぶ!!」「ばおーっ!!!」という破裂や噴火や爆発が起きる。そこでこそ今井どんのトークは炸裂する。
ビンボ
(バルセロナで発見した「ビンボ」。おお、ビンボであるよ、ビンボ)

 クラブ活動では、何でもかんでも同じように平板に笑ってくれる3人や4人を相手にトークに励むことになる。やはりどうも、今井君には向いていない。見学にとどめ、決してムリをせず、他のヒトたちの活発な活動を、近くで暢気に眺めているほうが向いている。
 まあ、ひたすら大人しく時間を過ごして、やがて銀座は午前2時を回る。バルセロナを出発して40時間が経過。こうしてオデュッセイアの英雄たちの冒険は終わりである。近い将来の再会を固く誓い合って、客の数より多い銀座のタクシーに4人、別々に乗り込んだ(だって行き先がみんなバラバラなのだ)。バルセロナへの出発が9月2日、2週間ぶりに帰還した代々木上原で、疲れ果てたクマどんはダラしなくヨダレを垂らしつつ、昼近くまで眠りこけたのである。めでたし、めでたし。
アホイ
(チップス・アホイ。あまり食欲をそそらない。というより、松井秀に似すぎていないか?)

 9月20日からは授業収録が始まった。いつまでも浮かれているわけにはいかないのである。20日は熊本大学2009年の解説授業4時間。21日は朝からお茶の水に出かけて、浪人生対象の生授業2時間。15年も昔になるが、古巣・駿台のすぐそばが会場である。22日は再び吉祥寺で、熊本大学2010年の解説授業4時間。23日24日は吉祥寺で岡山大学2008年と2009年の解説授業4時間。
 25日は午後から広島に飛び、広島で講演会。26日に帰京して、27日は吉祥寺で岡山大学2010年の解説授業4時間。初冬にかけては以前書いた講演会スケジュールにさらに金沢、前橋、佐賀、所沢が加わって、全部で26カ所を回る。おお、たいへんな日々である。決して極楽トンボみたいにリスボンだロンドンだバルセロナだと遊び回っているだけではないのだし、ワイン公爵だ落合シェフだクラブ活動(あくまで見学)だと浮かれ回っているだけではないのである。
オヤジ
(バルセロナ・ゴシック地区に立っていた巨大オヤジ)

 別に自慢するのであるが、おお、忙しい忙しい。こんなことを書いているヒマがあったら、今日も明日もひたすら予習、予習。大学入試問題1年分の解説をこなすには、4~5時間の予習時間が必要である。あらま、結構キツいですねえ。12月のクラクフ&ワルシャワ旅行を楽しみに、しばらくはマジメな日々に全力を尽くすことになる。