Sun 090215 新刊書の見本入手(発売は2月20日ごろ)宮崎から大阪へ 大阪・茨木講演会 | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Sun 090215 新刊書の見本入手(発売は2月20日ごろ)宮崎から大阪へ 大阪・茨木講演会

 2月12日、ホテルを午前11時にチェックアウトして、東進スタッフの木村さんのクルマで宮崎空港に向かう。中国大陸から黄砂が押し寄せて視界が霞んでいるが、黄砂というより、春霞という方が当たっているかもしれない。それにしても驚くほど暖かい。「春を通りこして既に初夏」という雰囲気は昨日もだったが、今日は完全に度を越していて、クルマの窓を開けないと汗が滲み出てくるぐらいである。翌13日から14日にかけて九州から関東まで、広範囲で春一番の嵐になり、静岡で26℃とか、まあ温暖化の心配をみんなで口にしなければならないほどになったが、宮崎はすでにこの朝から初夏の陽気だったのだ。のどかな田園風景の中で、赤や黄色のポピーの花が小刻みにクラクラ首を揺らしていたし、駐車場の脇のキャベツ畑にはモンシロチョウでも乱舞しているのではないか(実際にはすぐに通り過ぎてしまったので見えなかったが)と思うほどのウラウラした陽気。半月前、2月1日の鹿児島では新幹線の線路に陽炎が立っていたのだが、わずかの間に季節が2つ進んでしまった。


 空港で昼食をとっていると(宮崎地鶏セット1200円)、ケータイに電話がかかって、新刊書「これを知らずに、塾には通うな」(KKロングセラーズ)の見本が出来上がった、自宅に10冊ほどお送りする、との連絡であった。本当に久しぶりの出版だから、早く見本が見たい。この5年ほど、何でこんなに怠けてしまったのか、自分でもよくわからない。書こうと思えばいくらでも書けるのだし(ブログを読めば、書けない人間でないことは解っていただけると思う)、出版社からの注文がないわけでもない。というより、いろいろな注文を受け、「ハイ、書きますよ」と自信たっぷりの返事をするのだが、そこからの執筆が進んでいない、というケースが多いのだ。


 本来なら昨年12月に東進ブックスから出版しているはずの英文法の参考書も、上巻の執筆は完了したのに、下巻の執筆が止まったままでいて、(上下巻揃えて出版したいので)出版は2009年の7月上旬頃にずれ込みそうである。まあこれなんかは、今は部活に夢中になっている高2生で「部活を引退したら、高3の夏休みに40日かけて、まずじっくり英文法から仕上げたい」と考えている生徒が多いだろうし、もうすぐ高2になろうとしている諸君が「早めにスタートを切ろう、高2の夏に英文法を完成させよう」と考えた場合にも、そのニーズに応えられる本になるはずだから、「2009年7月上旬出版」は、実は誠に巧みに出版時期を考えた結果でもあるのだ。

 

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(大成功の大阪・茨木講演会 1)


 しかしとにかく、「どんどん出版モード」に入ったのだ。「どんどん書いて、どんどん出す」とブログでしっかり宣言してしまって、後には引けない状況を作るのも悪くない。「今年は7冊」と宣言してしまえば、怠け心もいくらか遠慮してくれる。もう「時効」と言っていいだろうが、某出版社からの出版予定で「平成8年3月原稿締め切り」の注文を受け、そのまま踏み倒してしまったことがある。その「某出版社」からは今でもまだ他の著者の新刊書のサンプルを送ってきてくれるから、完全に見捨てられたとか、完全に腹を立ててしまったとか、そういう訳ではないだろうが、11年前の約束をネグってしまって、誠に申し訳ないことをした。その出版担当者とはつい4~5年前まで何度かお会いしてお話もしたし、手紙でキチンとお詫びもしたのだから、何とか許してはもらえたのかもしれない。近いうちに書き下ろしのしっかりした完成原稿を持ち込み、ご迷惑でなければ本にしてもらえたら、と願っている。


 14時のANA宮崎発大阪行は、「これでは採算がとれないだろう」と可哀想になるほどのガラガラ。いつもは「コートと上着をお預かりしましょうか?」と言ってくれるCAも、「隣の席がおそらく空いていますから、上着等はそこへどうぞ」と言う。確かに、私の席は01A。普段なら、政治家とかVIPとかが隣にSPを従えて座る席である。ついこの間も福岡からの飛行機で01Aには自民党の山崎拓・元副総裁が座っておられた。そういうたいへん偉そうな席に、サトイモだかジャガイモだか、とにかくイモ類っぽい頭をしたツキノワグマが申し訳なさそうに腰を下ろす。1列目には、他に誰もいない。2列目は、見るからに「私は重役です」という、外見も態度も偉そうなオジサンが1人だけ。CAに向かって「キミ、スポーツ新聞はあるかね」と尋ねている。おお「キミ」「キミい」、これは30年ぐらい前に死語になったと思っていた。飲み物を尋ねられて「ビールがいいね、キミ」と来た。なかなかの徹底ぶりである。そういう座席で、変に縮こまって「すいません、冷たいお茶ください」「申し訳ありません、新聞は結構です」と敬語で話しているのは、逆に変態に見えるかもしれないが、敬語で話すのと、相手に敬意を示すのは、ともに私のDNAである。今さらどうしようもないから、大阪まで1時間、「敬語を話す珍しいイモ類」「原稿をなかなか書かない大人しいツキノワグマ」のつもりで、ひたすら行儀よくしていた。

 

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(大成功の大阪・茨木講演会 2)


 伊丹空港が近づいて、上空から大阪北部の街を眺めていると、大阪が本当に大都会であることを実感する。これほどの住宅の密集ぶりは、東京ではなかなか目にしない。東京は、皇居・新宿御苑・明治神宮と代々木公園・神宮外苑、その他大きな森林地帯が要所要所を占めていて、街はむしろ黒々と緑に覆われて見える。大阪は違う。どこまでも商業地区と住宅地が続いていて、大きな森や緑地帯が上空からはほとんど見えないのだ。点在する空間は学校の校庭だけであり、こうして上空から眺めると、この街の住民にとっての学校の校庭の重要さを再認識する。
 

 伊丹空港到着15時。いったん宿泊先のホテルにチェックインする。今日は大阪駅近くの「ウェスティン大阪」に宿泊である。ホテルマンの態度も素晴らしいし、部屋も広くて綺麗、もちろんインターネット接続その他、一昨日のようなことはない。すっかり安堵して「予想の5倍」の鞄を開け、夜の仕事に備えてPCその他をすべてセットしてから、東進スタッフの水本さんと茨木の講演会場に向かう。贅沢をしないで、大阪駅からJR京都線の各駅停車で20分強、茨木には17時に到着。駅前は穏やかな春の夕暮れの風が流れて、たいへん心地よい。
 

 講演会開始19時、終了20時40分。出席者150名弱。出席者の50%が、東進にまだ通っていない「外部生」である。常識的に考えてもわかるだろうが、外部生が多いときは会場の反応がおとなしめになり、内部生がほとんどを占めるときは抑制するのに苦労するぐらいに元気がよくなる傾向がある。しかし、今夜の茨木は全く違った。外部生が半分という状況でありながら、「内部生がほとんど」という会場に負けないぐらいに明るく元気な反応がどんどん返ってくる。この地域のトップ高校の生徒が多くて、志望校も非常に高い。この生徒層は塾や予備校ではとても元気なことが多いが、今夜の明るさはまた格別。主催者の側で事前にいろいろな準備を整えていただいたのだろうが、まさに大成功、という講演会になった。


 終了後、20時50分から「内部生だけの短い講演会」を「オマケ感覚」で開催。20分ほど。これも楽しかった。最前列に並んだ生徒たちの顔を見ると「おお、優秀ですね?」と聞きたくなるような、非常にいい顔が並んでいる。私の講座を今実際に受講している生徒を中心に、出席者60名ほど。講演会本体と合計すると、200名以上の参加者があったことになる。大成功である。校舎スタッフの皆様に大いに感謝しなければならない。