何を目的にやるか明確でないものに成果は期待できない | 今井アツシオフィシャルブログボクラノミライPowered by Ameba

何を目的にやるか明確でないものに成果は期待できない

4月末に行った荒川区の視察についてまとめます。

最近は資料作成の仕事が増えて、中々自分のブログを書く事ができなかったので、タイムラグはありますが、視察で学んだ事を少しずつまとめていきたいと思います。

荒川区では
①荒川区報Jr.
②安全・安心ステーション
③ICTを活用したキャリア教育
の3点について学んできました。

荒川区報Jr.は、幅広い層に区政に興味を持ってもらい、郷土愛を育む目的で小中学生向けに発行されています。毎号、取材先に近いを学校にジュニア記者を依頼し、子ども達が取材をするという形で毎号作成されています。
これまでに234人のジュニア記者が活躍してきたそうです。

学校で配布を行い、学校での指導にも活用されているとの事でした。
自分の住む町に関心を持ち、政治や行政に興味を持つ事で、社会を構成する一員であるという意識を育てる事のできるよい取組であると感じました。
制作委託料は約850万円で約1000万枚発行しているそうです。

安全・安心ステーションは、平成18年に交番の統廃合が進められた際に、3交番の土地を東京都から無償譲渡を受けて整備されました。そのうち2ヶ所については、警視庁からOBが派遣されているそうで、費用は警視庁持ちということでした。1ヶ所については、区で警察OBを雇い地域のパトロール等に取り組んでいるとのことでした。
交番が無くなる事による地域の不安感解消の役割を果たしているようです。
都や警視庁と積極的に連携を図っていく取組は参考になります。

ICTを活用したキャリア教育は、校長先生の意識が非常に素晴らしかったです。
諏訪台中学校でヒアリングを行わせていただいたのですが、PowerPointを活用し、非常に上手くプレゼンテーションをされていました。
キャリア教育=ゲストティーチャーを呼んで話を聞くという画一的なイメージがあるが、それで終わりではなく、学力向上につなげていく事が重要であるという考えで長年にわたり創意工夫をされてきたそうです。

「学校は授業が面白くない。
 学校の勉強が将来につながっていると思っていない。
 目的意識の欠如が極めて大きな課題になっている。」

このような課題を解消する為に、キャリア教育の必要性があり、今やっている事を見つめ直し、いかに学習意欲を高めて学力向上に資するかが重要だという説明がありました。

学校選択制についても、学校がビジョンを示して選ばれる時代になったことで、保護者や生徒にアピールし、成果を検証し、サービスを向上させていくチャンスであると捉えられていたのが印象的でした。

ゲストティーチャーを呼ぶ場合にも、事前に打ち合わせを丹念に行い、狙いを共有化した上で授業に取り組むそうです。
「何を目的にやるか明確で無いものに成果は期待できない」と校長先生はおっしゃっていました。

また、新しい取組を始める際に、
「学校に素材が無い」という人がいるが、見つけようとしていないだけだと力強く語っていました。

キャリア教育によって外部人材を活用することで教員への刺激にもなり、成長・学びの機会になっているそうです。
教員のチームの組み方も、新しい取組に精通した人とそうでは無い人を組ませ、組織をブラッシュアップしする成功体験を積んでいくことを大切にされているそうです。

また、取組を進める上で大事な事はやりたい事を焦点化すること、数値目標を示すことだというお話もされていました。

校長先生の話を聞いて、学校経営・学校マネジメントとはこういうものなんだと感銘を受けました。

校長先生は、ギリシャの日本人学校で勤務された経験が有り、そのときに企業や大使館と連携して仕事をされていたそうです。また、1年間教職を離れて職場体験をする制度を活用し、衛生局の仕事をしたことで、「学校の常識は世間の非常識」だということに気づけたことも大きかったと語っていました。

学校と一般社会の「意識」の乖離。
ここを埋めていかなければ、そこで学ぶ子ども達は学校での勉強や活動が将来につながっているという意識を強く持てるようにはならないのかもしれません。

官民の人材交流はこれからも絶対に重要になってくるとあらためて思いました。