雑誌のオンライン版の記事で,「海外駐在で苦労するTOEIC高得点の特徴」というものを読みました。

 

https://president.jp/articles/-/28439

 

 「日本の学校で教わる英語」と「TOEIC」はいつも悪者にされてしまいます。

 

 「文法中心の日本の英語教育が間違いだ」

 

 「TOEICで高得点をとっても役に立たない」

 

という記事を,よくみかけます。

 

 この記事も,後者の記事です。

 

 こういう記事は,残念ですが,有害だと私は思います。

 

 日本の中学生・高校生が,「文法中心の日本の英語教育は間違っているんだ」という,誤った認識をもってしまい,日本の英語教育をまじめに受けなくなってしまったらどうするのか,大学生や若手のビジネスパーソンが「TOEICで高得点をとっても意味がないんだ」という,誤った認識を持ってしまい,TOEICで高得点を狙わなくなってしまったらどうするのか,ということを,そろそろまじめに考えた方がいいと思います。

 

1 英文法について

 

 英文法を重視しているのは日本人だけではありません。

 

 イギリスBBCのlearning Englishの中に,「grammar」というセクションがあります。

http://www.bbc.co.uk/learningenglish/english/ 

 

 また,アメリカVOAのlearning Englishの中にも,「Everyday Grammar」というセクションがあります。

https://learningenglish.voanews.com/

 

 イギリスの公共放送も,アメリカの公共放送も,「英語非ネイティブの英語学習には英文法の学習が必要」と考えています

 

 また,日本人にとっては,特に英文法が必要です。

 

 それは,日本語と英語がまったく違う言葉だからです。

 

 フランス語やスペイン語など,英語と似た言葉の話者であれば,単語を一語一語,逐語変換しただけで意味が通じることもあると思います。また,母国語の語感で適当に話せば英語が通じることもあると思います。

 

 でも, 日本語と英語はまったく違います。日本語を一語一語英語に変換してもまったく意味をなしませんし,日本語の語感で英語を話してもまったく意味をなしません

 

 「逐語変換は不可能」です。また,「語感は共通していない」んです。だとしたら,単語を羅列することでは用をなしません。日本語の語感で英語を書いたり読んだりすることはできません。日本語と英語の間に,それを使いこなすための何か道具が必要です。それが英文法です

 

 そのため,日本人にとって,英文法は特に大事です。英文法の学習なしに,日本人が英語を使いこなすことは不可能です。

 

 前から書いているとおり,日本の英語学習の問題点は,リスニングやスピーキングに力を入れようとしていることです

 

 学校英語は文法中心でいいと思います。ただし,今まで以上に,ライティングに力を入れるべきです。

 

 リスニングは,1か月か2か月,英語を聞きまくれば能力は上がります。リスニングを学校でやる必要はありません。また,ライティングのスキルがあればスピーキングはできます。スピーキングを学校でやる必要はありません

 

2 TOEIC

 

 「TOEICなんて日本人と韓国人しか受検していない。何の意味もない。」

 

という意見もよくネットで見ます。

 

 私は韓国語は勉強したことはありませんが,日本語とよく似ており,一語一語,逐語訳するだけで意味が通じると聞いたことがあります。

 

 日本人にとって(おそらく韓国人にとっても),TOEICは極めて有益です。

 

 使用されている単語が,7000語~8000語という限られた語数であること,そのような限られた語数で,ほぼナチュラルスピードのリスニングと,時間内に読み切ることが困難なほどの量のリーディングのテストが行われます。

 

 これにより,今までの日本人の英語学習ががらっと変わりました。

 

 今までは,「難しい単語を知っているのが偉いんだ」「複雑な構文を読み解く能力があるのが偉いんだ」とばかりに,難解な単語,難解な構文にチャレンジする日本人が多かったわけです。

 

 それが,TOEIC出現後は,「簡単な英語でほぼナチュラルスピードのダイアログを聞き取る」「簡単な英語のドキュメントをでネイティブ並みのスピードで速読する」ということに価値を持つようになったわけです。

 

 前者(難解な単語・難解な構文)と後者(簡単な英語をナチュラルスピード)で,どちらがいいかというと,後者なわけです。もちろん,後者をマスターした後に前者にチャレンジするのはいいと思います。

 

 フランス語とかスペイン語とか,英語に似た言語の話者にとって,ほぼナチュラルスピードで英語を聞き取ったり読んだりすることは大したことではないと思います。

 

 でも,日本語という,英語とはまったく異なった言語の話者である日本人にとっては,それができませんでした。それがTOEICによって可能になったわけです。

 

 TOEICは,「簡単な英語でほぼナチュラルスピードのダイアログを聞き取る」「簡単な英語のドキュメントをでネイティブ並みのスピードで速読する」という,日本人の英語学習者にとって一番大事な汎用的なスキルを身につけることができます。

 

 しかもほとんどお金がかかりません。公式問題集や非公式の模擬問題集を10冊や20冊解きまくるだけです。

 

 その上,時間もかかりません。毎日残業続きのビジネスパーソンでも,子育てに追われている人でも,1時間の時間があれば勉強できますし,極端な話,リスニングセクションのCDのデータを携帯プレーヤーに入れて歩きながら聞いたりカーステに入れて車の運転をしながら聞くだけでもリスニング能力は上がります。

 

3 まとめ

 

 以上のとおり,フランス人やスペイン人はともかく,日本人は,文法中心の学校英語を勉強しない限り,英語はできるようになりません

 

 また,学校英語を終えた大学生や若手のビジネスパーソンは,TOEICの高得点を狙い,「簡単な英語でほぼナチュラルスピードのダイアログを聞き取る」「簡単な英語のドキュメントをでネイティブ並みのスピードで速読する」という,日本人の英語学習者にとって一番大事な汎用的なスキルを身につけることが大事です。

 

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