Specoco制作日記part22 〜神と海の祭〜 | IMAGINE VOICE

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有限会社イマジンボイス 

ただいまー。色んな意味で。


本日は島根県から東京に帰って来ましたね。そしてブログもかなり空いてしまったね。

この1ヶ月本当に怒涛の日々でした。そしてやっとその1ヶ月を振り返れる。長くなるでー。今回のブログ。


島根県はね、美保神社というところへ行ってきましたよ。

「神と海の祭」というお祭りがあってね。この神社は音楽の神様が祀られているということで、毎年神社でライブが行われていますね。奉納ライブ。

鳴り物がお好きな神様に音楽を奉納するという儀式。

そんな神聖な場所で歌われたのは、Salyuさんと安藤裕子さん。

Salyuさんと言えば、そう、僕が最も尊敬するプロデューサー、アレンジャーの小林武史さんがプロデュースされてます。そして大好きな岩井俊二さん監督の「リリイ・シュシュのすべて」のまさにリリイ・シュシュ役をされたアーティストさんですね。


安藤裕子さんは元々女優をされていて、今はシンガーソングライターとして活動されている、僕がドワンゴで着メロや着うたを作っていた時代によく安藤さんの楽曲を聴かせて頂いてましたね。独特の世界観で、多彩な表現力で歌われている尊敬するアーティストさんでございます。


そんな方々がメインで出演されるお祭り「神と海の祭」に、なんと僕らSpecocoがオープニングアクトとして出演させて頂くことになったのでありんす。

普通に考えてありえないでありんす。

まだライブ活動を始めて4ヶ月足らずの新米が、こんな方々のオープニングアクトをさせて頂けるなんて。

しかも小林武史さんは本当に僕にとって最も尊敬する音楽家でございますから。先に言っておくと、小林さんのオーラ半端なかったです。

最初ご挨拶した時、ちびるかと思った。


僕らは当日の一番早い飛行機で米子空港に向かいました。メンバーはフッキーとおかむーとの3人。朝6時に羽田空港で待ち合わせ。

僕は締め切りものがあったので夜中の2時に寝て、4時に起きましたね。2時間睡眠。飛行機で1時間でも寝ようと思ったけど、緊張してたのか全く眠れず。

メンバーに聞いてみたらおかむーも2時間睡眠。フッキーは寝たら起きれないかもと危惧してそのまま起きてたらしい。ノー睡眠。


米子空港に着くとイベントスタッフの方が車でお迎えに来てくださり、そのまま美保神社へと向かいました。向かう道中の景色が既に神がかってたね。

米子空港は鳥取県なんだけど、橋を渡るとすぐ島根県というような場所でして、曲がりくねった山道を30分ほど行くと美保神社に着くわけですが。

美保神社の前は港みたいになっていて、海の向こうには鳥取県が見えるというドラマでしか見たことのないような情緒あふれる景色でしたね。

水辺にはカモメなのかな、鳥たちが優しく水に揺られていて。こんなところで青春を過ごしたことないのに、なんだか青春を懐かしく思い出させてくれるような場所で。

この写真の鳥居の向こう側が海になってる感じで、船が停まってたりする感じね。


僕らのリハーサルは12時からで少しだけ時間があったので、イカ焼きを食べたり、小道を散歩してみたり。普通に旅行で来たい街でしたよ。うん、てか絶対また行く。

そう、でも旅行じゃないねん。今回はステージを用意して頂いたねん。いざリハーサル。


リハーサルの前にメンバーには白く細長い布を渡されて、これをリハーサルの時に肩にかけてくださいと。きっと神様への礼儀なんだね。


いつもね、ぼくはリハーサルでは全く声が出ないタイプなんだけど。今回もまさにそうで。特にほとんど寝てないってのもあって、時間も早いってのもあって、体が全く鳴らない感じ。

でもね、焦りはしなかったね。心穏やか。きっとここ4ヶ月でライブたくさんやったからかな。自分のことが少しわかってきたんだと思う。本番はきっと鳴る。

そして音響さん、現地の方々だったと思うんだけどすごくやりやすかった。きっと神社での、野外での音作りってすごく難しいと思うんだけど、

リハーサルやってても安心して本番に臨める感じで包んでもらえたね。心ごと。

ちゃんと最後にお礼を言えなかったなぁと、今更心残り。


僕らのリハの後にはメインの方々のリハがあるから、なるべく早くリハを終わらせて、本番まで4時間くらいあるからどうしようかなと思ってたら。

スタッフの方が地元の美味しいご飯屋さんに連れて行ってくれて。


お刺身定食。写真ボケちゃってる。。たぶん早く食べたくてって想いが撮影技術を低下させたのでしょう。

美味しかった。島根はお魚が美味しいね。茶碗蒸しも魚介がたっぷり入ってて美味しかったね。


そしてお腹いっぱいになったので楽屋で一眠りだけしようと思ってたら、やっぱり寝れなかった。

聴こえてきちゃったのね。Salyuさんの歌声が。神社からは少し距離があったけど歌声が風に乗って聴こえてくるってこういう感じなのね。

しかもSalyuさんの声ってやっぱりすごい力を感じる。魂の声。ちょっと人間離れしてるよね。うまく表現出来ないけど、神々しい。


眠るのはもう諦めて、勝手に足がリハーサル中のSalyuさんと小林さんのところへ。

いつもメディアやコンサートの遠くから見ていたお二人を間近でみてゾクゾクしたわ。


オーラ半端ない。オーラってその人から出るものなのか、それとも見るものがそれを一方的に感じてしまうものなのか。

しかし、確実に出てたね。Salyuさんと小林さんからユラユラとオーラと呼ばれるものが出まくってたね。


そしていよいよ本番が近づいてきて。

まずはライブの前に出演者全員が、美保館というところに集まってそこから神社の本殿まで歩いていくのです。

ぶっちゃけこの時が一番緊張しましたね。なんせ、Salyuさん、小林さん、安藤さんが近くにいらっしゃる。近いのです。とにかく近いのですよ。

そしてその時の記念写真がこちら。どんっ!



はい、僕ら3人とも顔が青ざめてます。全く笑えてませんね。そりゃそうですよ。はっきり言ってこの時の記憶ほとんどないです。

小林さんが話しかけてくれたのに、何も返事が思いつかずニコリと笑うことしかできず。しかもそのニコリもきっと全く笑えてなかったはず。


そして歩いて神社に向かう感じがこちら。せーのどんっ!


棒ですよ。棒。僕はこの時棒でした。

もう一枚。

こちらはビートルズのアビーロード感出てるね。


そしてまずは神様に儀式。お祓いもして頂きました。


それから安藤さんがアカペラで歌を奉納。マイクを通さないで歌うのでお客さんにはきっとうっすらしか聞こえないんだけど、透き通った声で奉納されている安藤さん。神聖な雰囲気が漂ってましたね。

リハーサルの時はお昼で明るかったのですが、もう18時の時点では空もすっかり暗くなっていて。さらに神聖度は増してましたね。


はい、いよいよ僕らの出番です。

いつもライブ前はメンバーで円陣組んで「行くぞ!ウェーイっ!」みたいなことやるんだけど、今回はそんな感じではないので、しっとりとステージへと。

正直すごい景色だった。境内がたくさんの人で埋めつくされていて。その向こう側にはきっと海があって。

そして目の前にいるほとんどの人が初めましてな訳で。ライブでなくても初めましての人と会う時、僕は緊張するのです。そう、思い返してみればこんなにたくさんの初めましてな方の前で歌うのは初めましてなのです。


トークは何もせずに「愛しさを数えて」から始めました。

イントロのピアノが鳴り始めて、第一声の声を出して、自分でもわかったね。声が震えとる。いつもならこのままずっと震え続けるんだろうけど。歌いながら自分に言い聞かせてたね。

「あくまで前座だよ」「気に入ってもらうために歌ってるんじゃないんだよ」「神様に奉納するんだよ」

この曲のサビに入るまでずっと自分と語ってた気がする。あれは自分ではなく神様の声だったのかなと今更ふと思ったり。記憶としてはふんわりしてるんだけどさ。

なんか吹っ切れた気がしたんだよね。


1曲目を歌い終わって皆様にご挨拶をしましたね。スペココと申します。

今日は短い時間ですがよろしくお願い致しますと。

そしたら温かい拍手が聞こえてきて。正直、ステージからは暗いのと、スポットライトが直接飛び込んできててお客さんの顔は全く見えなくて、どんな表情をされてるのかもわからず。

でもその拍手の音は確かに温かかった。ありがとう。


そして2曲目に「笑顔が消える前に」を歌って。

3曲目に「夏に舞う花」を歌うんだけど。

この曲の前半でさ、いきなりギターの弦が切れたんだよね。そんなに珍しいことではないんだけど、ライブ中に弦が切れたのは僕にとっては初めてで。

もちろん弦を張りなおす時間なんてないからね。きっと神様からの試練だなって思ったら、なんだか笑顔で歌えた気がする。


最後の4曲目の「スクリーン」の前に、また皆さんのお目にかかれるようにこれから頑張っていきますので、心のどこかにspecocoという記憶を残してもらえたら嬉しいですって言ったら。

「頑張れー!」って温かい声と拍手を頂いて。素直に嬉しかった。


もちろんあくまで前座なんだけどね。でも僕らにとっては僕らの中ですごく大きなメインアクトの場所だったから。

こんな機会を頂けたことに本当に感謝です。これはね、僕らの演奏が終わって、安藤さんとSalyuさんのステージを見て更に深く思いましたね。


本当にお二人のステージは素晴らしかった。次元が違うというか、もうそれぞれの世界にただただ引き込まれていく自分がいました。きっとお客さんもみんなそうだったと思う。

一文字一文字を大切に歌われるお二方を見て、僕の歌は本当にガサツだなと実感しました。

でもまだまだ未熟な僕らがそんな方々のオープニングアクトをさせて頂けたことの有り難みを感じると同時に、僕らがこれから向かうべきスタンスと方向を改めて認識させてもらうことが出来ました。

上手く言えないけど、何かが始まった気がします。本当に。そんな実感がしてる。


普通ではあり得ない経験をさせて頂いたから、僕らはまた進まねば。


音楽の神様にもご挨拶出来たから、次にお会いできる時には良い報告と感謝が出来るように。やっぱり進まねば。


「出逢いを焦るな」。この言葉をたくさん感じた1日でした。

忌野清志郎さんなどたくさんのアーティスト方が聖地として大切にしてこられた美保神社と出逢えたこと。僕が最も尊敬する音楽家、小林武史さんと出逢えたこと。神と海の祭を主催している素敵なスタッフの方々と出逢えたこと。

そしてその祭のライブを見に来られたたくさんの人と出逢えたこと。

このたくさんの出逢いを「本当の出逢い」に出来るかは、これからの僕ら次第だ。


本当の意味で出逢えるように、進もう。行けるとこまで行こう。


まだまだ島根の話も大阪でのライブ、福岡でのライブの話もしたいから、すぐまた書くね。

最後に島根での写真をいくつか。



それではまたね♪