北ドイツの美しい森のなかを歩きながら、
自然のなかで心を癒やし、五感を磨く感覚を思い出す。

 

 

 

    

2022年9月。

 

自閉スペクトラムの大学生息子との親子旅で、

かつて駐在家族として暮らしたドイツ・ハンブルクを拠点にヨーロッパ各地を訪れました。

 

息子本人の【自己受容】を深めるために、幼少期の思い出をたどってみたいということで計画したものの、

コロナ禍で延期を余儀なくされ、待つこと2年半を経てようやく、出発できました。

 

思い出を振り返るとともに

この数年で激変してしまった世界を

自閉症スペクトラムの息子の目線で

どう感じたのかも交えて綴る旅行記です。

 

【過去記事】

【1】海外で自閉症スペクトラム児を育てた思い出を振り返る旅①

 

【2】海外でASD息子を育てた思い出を振り返る旅② ドイツのマスク事情

 

【3】海外でASD息子を育てた思い出を振り返る旅③現地幼稚園クビ事件

 

【4】海外でASD息子を育てた思い出を振り返る旅④ 孤軍奮闘だった当時の子育てを思い出す

 

【5】ASD息子との欧州旅行記⑤ハンブルグ日本人学校へ

 

 

 

 

前記事の続きです。

 

2022年9月、北ドイツ。

ハンブルグ日本人学校訪問を終えて、

 

まだ日が高かったので、

もう一か所、行きたかった場所へ。

 

 

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ピンネベルクの森(Pinneberger Wald)

 

と地元で呼ばれている森のなかを
日本人学校ですぐにお別れするのが名残惜しく

幼稚部時代の担任i先生といっしょに散歩しました。

 

 

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かつての住まいや日本人学校のあるエリアから

ほど近い、管理人によって整備された

美しい森です。

 

この日は、暑くもなく寒くもない

秋の始まりの過ごしやすい時季で

最高のおさんぽ日和でした。

 

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ドイツ在住時には、園や学校の遠足で、

そしてプライベートでも

何十回も、この森を訪れました。

 

小さな息子の手をひきながら、

 

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森のなかの小道をゆったりと歩いたり、

遊具がある公園で思いっきり遊んだり…。

 

ベンチに座ってぼーっとしたり。

 

この場所でただ呼吸をするだけで

それだけで心の緊張がほぐれて

ホッとできる場所でした。

 

当時の私は、過酷な駐在家庭生活や

発達障害児の子育てで疲れた心と身体を

この自然に癒やしてもらっていたんだなぁと

しみじみ。

 

 

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このピンネベルクの森には、

プライベートだけではなく

 

森の日(Waldtag)

という幼稚部の遠足でも

なんどもここに来ました。

 

日本人学校と交流のある現地幼稚園との

共同イベントで、

 

日本人学校の子どもたちも簡単なドイツ語で

現地の子どもたちとミュニケーションをとりながら

 

葉っぱ、お花、木の実…

森のなかにあるものすべてを使って遊ぶ日です。

 

 

 

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日本人学校幼稚部と現地幼稚園の共同イベント

ヴァルトターク・森の日遠足は、

雨の日も雪の日も決行です。

 

雨で地面がぬかるんでいようが

雪遊びでびしょびしょに濡れようが

 

 

レーゲンヤッケ(Regenjacke)と

レーゲンホーゼ(Regenhose)という

防水ジャンパーとズボンを着て

 

どろんこになって遊びます。

 

究極の自然遊びです。

 

 

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あれから一か月がたった10月下旬の今頃は

紅葉した葉っぱがすべて落ちて、

空がよく見え明るくなって

この画像とはまったく違う風景になります。

 

 

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幼稚園でのイベント時に

学校から要請のある保護者付き添いの

常連だった私も、

いつも子供たちといっしょに森を満喫したものでした。

 

 

森の日遠足にも落ち葉や枯れ枝を

さまざまに利用し、工夫して遊ぶ姿に

こどもたちの生命力を感じました。

 

 

 

 

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ちなみに、日本人学校との交流はありませんでしたが

この森には

 

この森そのものが活動拠点、この森のなかで過ごす

森の幼稚園の子どもたちをいつも見かけました。

 

 

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実は、この森に行ってみたいと言いだしたのは

私ではなく息子でした。

 

成り行きで当時お世話になったi先生と一緒に

この森のなかを歩くことができたこともあり、

 

当時の出来事をいろいろと思い出してきたようで

先生とふたりで楽しそうに懐かしい話に

花を咲かせていました。

 

 

 

 

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この森の片隅には

バラ園(Rosengarten)もあり、

盛りをすぎてもまだ美しく咲いているバラに癒されました。

 

 

このバラ園には小学部1年生のときに

日本人学校から電車に乗っての

校外学習でも来たよね、なつかしいね、と

息子と懐かしい思い出に浸たりました。

 

i先生とも当時の幼稚園や学校生活の思い出を

ふりかえりながら

幼稚部でも小学部でも同級生はひとケタという

少人数学級だったので、目がいきとどいて

息子の特性に対してもていねいに対応してもらえたことも

ありがたかったです、とお礼を言うことができました。

 

 

 

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森のすぐ目の前にはピンネベルク駅(Pinneberg)があり、

i先生とはここでお別れです。

 

ここから電車1本、約40分かけて

ハンブルク中央駅まで一気に戻りました。

 

 

私にとっては、子育ての最もつらいどん底時代

とも重なる北ドイツ生活でしたが、

 

息子にとっては、楽しい思い出がいっぱいの場所

だと再認識できたようで、

幼少期のたのしい思い出をたくさん思い出し、

幸せな気分になれた、と帰りの電車の中で

嬉しそうに話してくれて、

 

ああ、親子でここに戻ってこれて良かったなぁと

しみじみ思いました。

 

 

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森の入り口の面したピンネベルク駅。

Sはドイツ近郊電車Sバーン(S-Bahn)、

DBはドイツ鉄道(Deutsche Bahn)の略です。

 

 

 

欧州親子旅はまだまだ続きます。

 

 

 

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