イクと不思議の森２−５ 夜ヒカリ（アーカイブ集）

２－５『夜ヒカリ』

わああぁ～   

イクは
みちる祭りの広場に
到着するなり

思わず   草むらを
弾んでしまった。


なんせ
パラレルワールド。。。

テーマパークなの？的な

面白さがある。


リスさんが

肩を組んで酔っている。

カチ～ンと
ワイングラスみたいので
乾杯しちゃってたり。


　

え？  

あれってだるまちゃん？

あの絵本の「だるまちゃん」
隣のこびとさんと
なにやら歌をうたっている。

虫さん達のオーケストラ。。
（ファンタシーだわっ！）

猫さんとウサギさん。
りんご飴を持って、
おしゃべりしながら

歩いてる。。

あ～  あそこで
音楽に聴き入っているのは
ゾウさんでない？

えっとぉ。。。
この森の仲間って
どんな生態系なんだろう。。


そこで
モリクマさんがヒトコト。

きっと   イクちゃんも  

みんなからは珍しいかもよ～


確かにー
人間的な存在が

少ない気がする。

どうみても
こびとさんみたいだったり
妖精さんみたいだったり
お人形さんみたいな。

でも、、人間は。。。

私　ひとり？？

私ったら人間代表って

感じかしら～ん。

コトちゃんと
モリクマさんに連れられて

ゆったりとした場所に座った。

芝生のような草が心地良い。

風が   横髪を
頬から 

さらら と後ろへーー
さわわとゆれる　
髪。

そして

樹々の  サラララ。。

葉達が揺られて
弾んで

フラダンスのように
緩やかに   優しく

踊る。

きっと   風も踊りに

来てるんだろう。






イクちゃ～ん、
はい　これをどう～ぞ。

モリクマさんが
ジュースのようなものが

入ったコップをくれた。

。。わわ。。
光ってる。。。


例えるならば

蛍光色 。。
スターウォーズの
ライトセイバー。。

もしくは
ホタルの静かな光
といおうか。。。


これは
飲み物なのですか？？


うん。と～っても 

美味しいんだよ～。

    


モリクマさんとコトちゃんは
嬉々として   飲み始めた。

ゴクゴク、、、


途端、

口から喉そしてお腹まで

通っていった順に

光の筋が  体の中から 

透けて  輝いて見えた。

わわわ～

す、、すごーい！

ドキドキしながら、

イクも早速、飲んでみる。


　ゴクリ。


　



口の中に
まずひろがったのは

なんだかす～っとした
清涼感のある冷たさ。
ペパーミントのような。

でもすぐに   全く違った
マンゴや黄桃のような甘み。
ちょこっと酸味。

そして最後、アップルみたいな
すっとした甘味。


お、おいしぃぃ。。    

目をつぶって味わっていたら
隣にいたコトちゃんが
チチ　チッチ～！

イクは
目をあけてみた。。。

わわぁ～

自分も

口からお腹にかけて
とっても綺麗な金色の光が
上から下に流れていた。

綺麗。。。。



なんて素敵な

飲み物なんだろう。

そして
それから暫くの間

その光の筋は

やわらか～く 光っていた。



まわりをみると

みんなが
いろんな色に光っている。

モリクマさんは
オレンジ色。

小鳥のコトちゃんは
透き通った水色の光のよう。



なんてスペシャルなの！

このジュース。。。
いろんな色にいろんな味が

あるのかな？


ううん、違うんだよ。

ココロの声に
答えてくれるモリクマさん。

これはね、「思い出ジュース」

っていうんだよ。

思い出ジュース？


そう。  それもね

嬉しかった時の思い出。

その時に味わった気持ちが

味と色になるんだよ。

へええ～～  

ふと  あたりを見渡すと

ピンク色や緑色。

青や紫、と色とりどり。

そしてあたたかく

優しい光を放っている。

みちる祭り。

   いいお祭りだなー。  

イクは   自分のお腹が

呼吸にあわせ

ふわん  ふわん  と

光ったり暗くなったりするのを

優しく手で  なでながら

楽しんだ。

　　




つづく