イギリスで蝶々飼育キットを買った話 | さっちまん日記 in イギリス

(※これは2021年4月30日の記事を別の場所から移動してきたものです。)

 

今年のイギリスの春はなんだかいつまでも肌寒いです。4月なんて毎年こんなもんだったっけ?とも思うのですが、不思議と毎年去年の事は全く思い出せないのであります…。

それにしても問題は雨不足で、今月は記録史上一番降水量が少ない4月だったようです。それでちょっと心配していましたが、一昨日の晩に遂にまとまった雨が降ってくれたのでちょっと安心したところです。

ところで今の季節になると虫たちも元気に動き回り始めるわけですが、そうなると虫好きの長男(5歳)は張り切っちゃうわけですね。虫の中でも長男は特に蝶々が大好きなもんで、去年の5歳の誕生日には蝶々飼育キットなるものを買い与えてみました。このキットが買えるのは一年のうちのある期間だけなのですが、長男は誕生日が8月なので、蝶々が飛び回る時期にギリ間に合ったという感じでしょうか。

ここで買いました↓

Insect  Lore

キットは注文時に発送日を指定し、その数日後には届くというものでした。届いた箱の中には小さな透明のカップが入っており、カップの底には硬いペースト状の餌が入っていました。そしてまだ1センチにも満たないサイズの幼虫が5匹入っていましたが、動かないので死んでるのかと思って説明書を読むと、じきに動き出すから心配ないとのことでした。

実際に幼虫達は元気に動き始め、ペーストの量はどんどん減り、そしていつしか幼虫が立派な毛虫となり、最後はフタの部分にくっついて蛹になるわけです。フタ部分には針で指したような本当に小さな穴が空いていて、それだけで空気の心配はないそうです。つまり観察だけしていれば良く、世話は必要ありません。よく出来たもんだ。

正直言って、デカくなった毛虫が小さなプラスチックのカップの中で蠢く様はゾワゾワして凝視できませんでしたが、まあ何とか無事に蛹となり、そうなったら遂にカップのフタを開け、蛹がくっついたそのフタをネットで出来た蝶々飼育ケースに移し、蝶々が出てくるのを待ちます。

蝶々が出てくると、彼らは勝手にネットによじ登り、そこで羽を乾かすのですが、その時に血のような液体が尻のほうから結構したたり落ち出てくるのです。これは血ではなくmeconiumってやつです。人間の新生児が初めてする黒っぽいウンコもmeconiumですね。

まあそれで無事に羽が広がって蝶々になったら、数日飼育して(オレンジやバナナをスライスした物をあげる)、あとは外に放してあげましょうという流れでした。

こんな写真ですいません。他にも写真はあるのですが、けっこうグロいのです。



蝶々好きの長男は放すのを相当嫌がりましたが、最後は納得してやっと放せました。

Painted ladyという蝶々です↓



ちなみにその年は長男があっちゃこっちゃから毛虫やら青虫やらを持ち帰ってくるもんで、世話は全て私の役目となり、虫が死ぬほど嫌いなのに家には何匹もの毛虫が蠢き、更にカタツムリなども持ち込まれ、餌やりやら糞の掃除など(毛虫青虫のウンコの量が半端ない!)、虫にまみれた夏でした。

そう言えば、長男は家の2階の物陰にいた大きな蜘蛛にまで名前をつけてケースに入れてペットにしだした為、私はハエたたき片手に庭で必死のエサ採取をした夏のおもひで…。長男がすっかり飽きた後も、私は一人律儀にハエ採取…(泣)サッサと外に放しちまえば良かったのに、なぜそうしなかったのだろうか。

蝶々の飼育ケースは、本当ならば保存してまた来年使いましょうという物でしたが、蝶々から出た赤い液体のシミだらけとなり、洗うのもキモくて捨ててしまいました。

というわけで、蝶々飼育セットを勧めてんだか勧めてないんだか分からん内容となりましたが、子供達は喜んでいたよということで、この話は終わりにしたいと思います。