第9部 幻(フレア) 第13章 偽りの花嫁 | ブログ小説 第10部 ブルー・スウェアー

(死んだらどうなるんだろう?)みずほはふとそんな考えが過ぎると満博の顔がふと過ぎった。

そうか父親に会えるんだ。きっと父親が会いたがっているのかもしれない、とみずほは突然そんな考えにとらわれると、それはそれで悪くないような気がした。家族にも本当のことを打ち明けられずに苦悩を抱えてこの世を突然さった父親が自分の呼んでいるのではないかと思うと同時、死にかかっていた少年の顔が突然浮かんできた。

(立場が逆転したな・・・)

そう、あの時から私とあの子の立場は逆転したんだ。みずほはつくづくそう思った。今度は私の命が消えていくのかもしれない。それでも父親に会えるのかと思うとそんなに寂しくないような気がして来る。母親とはそんなに絆が強くなかったようだったけれど、父親を雑木林の中で見つけたのは自分だったし、父親が寂しがっているのかもしれないとさえ、思えてくる。

母親の芙美は案外情が薄いし、兄はまるで他人であったかのように音信さえないし、結局、この家族に絆などないことをいやということを感じては、1人絶望的な気持ちになった。悲しみを乗り越えて絆が深まっていくとは世の中の美談で聞くけれど、絆なんてこれっぽっちもなかったんだと思うとあんなに普通の家庭だったはずなのに、どうして何だろうとつくづく思ってはその答えを未だにわからずにいた。

みずほはいつしか真っ暗な部屋の中で泣き出していたけれど、やがて眠りに落ちた。


「どぉ?このドレス綺麗じゃないかしら?」文香は母親の良子に満面の笑みを浮かべながら問いかけた。

「文香ちゃん、とっても綺麗っ!!」高田良子も自慢げな娘だといわんばかりににっこりと笑った。

「ありがとう、ママ」文香もにっこりと笑った。

「ちょっとママ、席を外すわね」良子はそういうと安心したように部屋を試着室を出ていった。良子が部屋をでると、純白のドレスをきた文香は鏡の前に座り、ただ鏡ごしに自分の表情(かお)をじっーとみつめていると、だんだんと文香の表情(かお)が強張っていき、次第に自分で自分の顔を睨みつけていた。手がわなわなと震えていた。

(・・・別に好きじゃなくてもよいの。愛する人と結ばれるなんて、所詮、たわごとでしかないの。結局愛だなんだっていったって時間が過ぎれば別れるものだってたくさんいるんだから。愛なんて幻想(まぼろし)なのよ!!)

文香はいつか悠人に吐き捨てた言葉を思い出して思わず握りこぶしでテーブルを叩きながら、どこか鋭い顔をテーブルの下にむけた。

(愛なんてない。愛情なんてもある訳ではない。でもそれでもいいの。偽りの結婚であったとしても)

文香の脳裏に、晴れた日のあいつのガッツポーズがしつこい位に浮かんでくる。

文香はウエディングドレスの試着を終えてショップを後にすると太陽が眩い光を放っていた。眩しすぎて思わず出て顔を覆った。

ブッブー、車のクラクションが鳴り響き、文香にぶつかりそうなりながらも急停車した。

車の中の男が車の中から顔を突き出して文香を睨みながら怒鳴った。

「どこをみて歩いているんだよ!!信号が赤だろ?何なんだよっ!一体」男はどこか上の空に文香に怒鳴ると文香は慌てて、その場を信号が赤のまま小走りで渡った。文香は少し動揺するかのような動悸が胸にしていた。ほんの一瞬、あの人のまばゆい笑顔に心が奪われていただけだったのに。太陽が強く照らされただけで車に轢かれそうになるなんて。あの人のことを考えるだけで電車にも落ちそうにもなるし、まるで触れてはいけない人でもあるかのように死にそうになってしまう。文香は胸の動揺を隠すように足早に歩きだした。さっき轢かれそうになったのはあいつのことを考えていたこともそうだったけれど、太陽が眩く照らし出したことであまりにまぶしくて手で目を覆っただけで前が見えなくなったからなのだと、文香には思えてきたのだった。

(あともう少しで死ぬところだった)

文香の携帯に電話が鳴っていたから、文香は電話にでた。ディスプレイに表示されていたのは坂下の名前だった。

「もしもし」

「あっ、俺。今、どこにいるの?もう店を後にしたの?」

「ええっ」

「決まった?」

「ええっ。決めたわ。あとは日取りだけね。できるだけ早い方がいいわ」文香は意気込んでいった。

「急に積極的になったね。どうしたの?」坂下は少し意外そうにいった。

「いや、決めたことなのよ。ならば早い方がいいわよ」

「そうか。結婚はビジネスだといっていたけれど、俺は少なくともそんな風には思っていなし、君を愛しているよ。偽りの花嫁さんであったとしてもね」坂下は真剣な声でいった。

「ありがとう」文香も真剣な声で返した。


p.s

1月が終わりますねっ。いやー、大変だった。すごく大変だったけれど、すごく頑張った、その一言。密度の濃い月でした。なんか今日は熱があり、関節痛でしたが、サプリとイヴを飲んだら、熱があっと言う間にさがり、元気!!になりました。すごい★

今月はとにかく感動したのは、何度もかいているのですが、手作りファンデが綺麗に塗れ、これが作り続けられると思うと、感動しちゃいました!

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上の液体のようなBBクリームが時間が経つと下のように固まるんですよ。固まったBBクリームはとにかくよく伸びる!!そしてその上からクリームファンデを塗ると透明感がやばい!!感動しちゃった。もうBBクリームとファンデを作れるのかと思うと何気に今でも感動しています。



来月はナイトクリームとコンディショナーを作ることが目標。ナイトクリームはハンドクリームと同じ要領なのでたぶん簡単ですが、、コンディショナーは初めてですよ。一気にガバッーと作ることができないので、少しずつレシピを増やしていく感じですねっ。