気がつくと外の雨音がどんどん強くなっていた。1粒滴り落ちた雨に続いてもう一滴が落ちてきて、規則正しく次々と落ちてきた。みずほが見上げた天井は木の板が小さな円を描くように濡れていた。
「・・・まじかー。これじゃあ寝れないじゃん」みずほは俊に電話をしようと思いながらもアパートの外に脚立が置いてあったことを思い出して、大雨が降りしきる中でアパートの外にでると、階段の下に少し泥がついている脚立が置いてあった。みずほはその脚立を降りしきる雨の中、担ぎながら部屋にもっていくとビニール袋に雨が入るようにセロハンテープではっていた。
ゴロゴロゴロー、遠雷が遠くでなっている。ドッカーン。雷雨がまるで大太鼓を叩いているかのように鳴り響いた。
「きゃー」みずほはひとり声をあげた。
ぴっかーん、と外が白く光っていた。心臓に響きそうなくらいの大きな音だった。
ドッカーン。二度目の遠雷は心臓の心拍がまるで早鐘を打っているかのような大きな音だった。みずほ思わず飛び上がるように立ち上がると電気が今にも消え入りそうにカチカチと音を立てて消えそうになっていた。
(・・・電気まで・・)
心配そうに電球を見つめている、消えたりついたりを繰り返していた電球がぱたっと灯りが消え落ちてしまった。
(マジかー。どれだけボロいんだよー)みずほは更に心ぼそくなり、床にペタンとしゃがみ混んでしまった。
(何から何までついてないのよ。ついていないということはある意味、これが本当の私なのかも・・)みずほは携帯電話をとりだして、LED機能をつけて灯りつけてみた。
(なんか戦時中みたい・・・)
みずほは思わずクスッと笑った。
ー雷にお臍をもっていかれてしまうんだよー昔、母親が自分と兄に向けていった言葉を思い出していた。兄と自分は慌てて雷雨が鳴り渡ると毛布に包まってお臍を必死に隠していたことを唐突に思い出してしまっていた。
あの頃がとても懐かしく、愛おしい思い出変わってしまうなんてあの頃は思いもしなかった。みずほは遠くで鳴り響く遠雷に思わず耳を塞いだ。
血をわけて共に過ごした兄でさえ、こんな他人のようになっていくなんて、何かしたとでもいうのだろうか?みずほの耳奥に今日に限って、兄・喬平とはしゃいでいた遠い昔の声がこだましていた。
(どうして?どうして?お兄ちゃんの声が聞こえてくるのかしら?お兄ちゃんの身に何かあったのかしら?)みずほはそんな気持ちになりながらも、電球も切れた真っ暗な部屋の片隅で耳を塞ぎながらかろうじて雨がビニールにぽちぽちと当たっているようなみすぼらしい部屋の片隅で耳を塞いでいた。
(幼い頃の兄の声がこだますなんて、死期でも近いんだろうか?死ぬとしたら孤独死なのかな?)みずほの折れた心は生きる望みさえ潰えていくようだった。あの時、誘拐された少年は青白い顔でみずほを見つめていた。もっと心は絶望的な気持ちだったのだろう。明日、命が潰えてしまうかもしれないという気持ちでこちらをみていたに違いない。あの少年はこちらを青白い気持ちでこちらをみていた頃、何の変哲も少女だった。ピアノを習っていた。ラジオ体操がうざったいと思っているくらいの少女だった。今にして思えばあの少年は自分をきっと羨ましいと思っていたに違いない。死の縁をさまよっていて、自分は何も知らずぬくぬくと生きている人だと思っていたに違いない。それでもあの子はうっすら笑顔を浮かべていた。微かに微笑みを浮かべていた。もう死ぬのかもしれないという気持ちが悟りとして出てくると、人は恐怖よりも穏やかな気持ちになれるのかもしれないとふと思った。だからあの子は青白い表情(かお)の中にも穏やかな笑みを浮かべられたのかもしれないと、みずほはふと思った。
p.s
寒い😵しばれる❄️な日でしたね。もういろいろあった日でした。朝起きて、、お湯が凍結しているし💦超〜最悪な朝でした。水で頭をあらい、ブルブル💦死にそうにさむーい朝でした。こんな極寒にこんなことが起こるなんて、、こたえました。日中も寒気が止まらないんです。電車はとまるし、具合悪くなり、、でも、普段いかない場所へ遠出したら寒すぎてしんどくなり、かえりバーガーショップで休んで、、ひっさしぶりに銭湯♨️へ。行った先の目の前に♨️があったんです。朝から水で頭を洗ったせいか♨️がキモちいー。お湯がでることのありがたさを感じました。寒すぎて無理ー!でも帰ってきたらお湯がでて、よかったー。