「南方録」の覚書に、
「野がけ、狩場などにて茶会催すことあり」 で始まる野点ての一文があります。
当初は、旅先でお茶一服頂けるように、点前道具一式を仕組んだ携帯用の箱であったようです。
現在の茶箱の点前作法は、裏千家十一代・玄々斎が伊勢路へ旅をした折に
雪・月・花の点前を創案したのが初めだそうです。
その後、夏に寄せた点前を創案しますが、真っ白な卯の花をみたときに
「雪月花一度に見する卯木(うつぎ)哉」という句を思い浮かべました。
それで、夏季に寄せての茶箱の点前を「卯の花点前」と、称するようになったとのことです。
十四代淡々斎がこれに、色紙点前・和敬点前を加えました。
卯の花点前は、茶箱の習い始めには誰もが、まず習得する点前だそうです。
お茶碗、茶匙、茶筅が小ぶりになっており
とても可愛らしいお道具です。
因みに、先生の茶箱一式は、お嫁入り道具だそうです。
お母様の愛情が感じられますし、
50年間、大切に使ってこられた先生のお母様へのお気持ちにも
何だか、感動してしまいました。
また、金平糖を入れる「振出し」も、茶箱点前特有です。
本日は、振出しの中に、金平糖だけでなく、「松の子」というお菓子も入っておりました。
特別に、主菓子までご用意頂き、幸せ者です。
お月見を意識した、季節感溢れる設えです。
茶花は、ススキ、キンミズヒキ、シュウメイギク。
香合は、鳴子です。
玄関のお花は、ススキ、シュウメイギク、シロハギ 。
秋を感じます🍁🍁🍁