昨日 カイのリハビリに通う療育センターである妊婦さんと話す機会がありました。
彼女は妊娠5ヶ月でお腹の胎児に病気があり、出生後も障害が残る可能性があると医師に告げられたそうで。
中絶が可能な期間はあと2週間
障害児を育てる事になるかもしれない事に悩み、障害児の保育を見学しにきたそうで。
涙をためて話す彼女をみて胸がパンパンになりました。
私も妊娠中 同じ時期に近い経験があるからです。
14週で破水 陣痛がきてしまい切迫流産で入院した時
ネットで同じ様な例を検索すると
この週数での破水の先には
流産 死産 障害児 ……の話ばかり。
「無事に生まれ幸せに暮らしてます」
という言葉は どんだけ探してもなく
病院のベッドで 気が狂うくらい
「無事に生まれて幸せに暮らしてます」
の言葉を毎日毎日探した
おまけに私は子宮筋腫が変性し胎盤の横にあり、大出血する可能性が高い為
今回の赤ちゃんを諦めたとしても、子宮を全摘出するかもしれないと。
そうなると、2度と妊娠も不可能に。
週数が増えていくにつれて 生存の可能性が上がる、障害の可能性が減る
……でも、母体がもたないかもしれない
……そんな毎日祈る入院生活の中で
18週になった時 先生に
「一度破水してるからあまり長期になると母体が危ない。23週までもつ可能性は少ない。23週まで妊娠が継続できても生きていける可能性は少ない。この状態で28週までもてば奇跡。でも障害が残る可能性が高い。
ここの病院では中絶はできないから他の病院を紹介できるから」
と言われた時
……中絶。
……死産。
……障害児……
私達夫婦にはこの3択しかなかったのだ。
泣きながら夜勤の看護婦さんに話した
「中絶するかも……」と。
実際 自分でその言葉を口にした瞬間から
何かが変わった
次の日 たまたまディズニー映画を病室でみた
綺麗な音楽 絵 話……
久々に安らかな気持ちで赤ちゃんと話しながら映画を楽しんだ
この子は今日 生きている
この子は今 生きている
浅はかな私が命を決める権限があるのだろうか
もう泣くのにも 悩むのにも
その先には薄っぺらなものしかない気がして
そう。今を感じてこの子と共にしよう
毎日ひとつひとつの愛に感謝して
命を感じる幸せに酔いながら
そしてカイは生まれたのです
お腹の破れた羊膜の穴を塞ぎ
減ってしまった羊水を増やし
元気にお腹を蹴って
体重を増やし
3度の陣痛を乗り越え
おぎゃーっと!!
生まれてからも
10分間の心肺停止 蘇生
長い入院生活
5回の手術
リハビリ生活
でも……
カイに会えて 幸せです!
何が正しいかはわからないし、きっと正解もない
ただ……あの時は想像もできなかった
ミラクルな幸せが ここにあります。
私のあの時の3つの選択肢に
ひとつ足すとしたら
「我が子と共に過ごす幸せな毎日」
あの頃の自分に教えてあげたい
そんな気持ちを思い出した日でした