168回芥川賞受賞作は二作品
もうひとつの「この世の喜びを」は
あたたかい黄色に惹かれて
受賞が決まる前に単行本で読んだ
こちらも 単行本を求めなくては
不公平な気がしたが
三つ回った書店はどこもおいていなかった
だから コンビニで買った文藝春秋で読んだ
でも このわら半紙を彷彿とさせる
色気のない紙で読むのもなかなかしっくりした
著者が紡ぐ一定のリズムと
植木屋さんの作業音 鋏 砂利 石の音
波の音 風の音
頭の中でちゃんと聞こえた
AIの音声で淡々と読まれるのを
聞いてみるのも
素敵だろうなと感じた
会津若松から大船渡を出て
さらに花巻へ上がるために
周辺の電車などを乗り継いだのは
もう7年も前になる
あの時ひとりで静かに
ただただ乗り継ぎ旅をしたことも
この作品を味わううえで
とても役立った気がする
頼まれちゃあいないけど
どちらか一作を選ばないといけないとしたら
受賞作にはこちらを推すだろうなと
読み始めてすぐ考えつつ
二作品を読む機会を得られて
本当に幸せだ
ベガルタ仙台がJ1に復帰した暁には
仙台の丸善にサイン本を求めに行きたい
