音読

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育心の小学5年生と6年生は、国語の音読を行っています。
小5は近代の文学から、小6は古典から、著名な文章を読んでいます。

会話に近いやわらかい文章に慣れ親しんでいる小学生にとっては、
最初は聞き慣れないかたい文章に感じるはずです。

それを私のリードで音読していくうちに、口が、耳が、脳が慣れていくのを感じます。
1か月間、毎授業時に、同じ文章を音読していくうちに、だんだん意味も分かってくるようになってきます。
まさに、昔から漢文などを素読によって学んできた、日本古来の勉強法です。

10月、5年生が読んでいる文章は、芥川龍之介の「鼻」の冒頭部分です。

ちょっと声を出して読んでみてください。なかなか難しいですよ!
私がリードしていますから、子ども達が持っているプリントにも漢字のルビは一切ふっていません。

さあ~お母さん読めるでしょうか?
育心ではこんなトレーニングをお子さんがやっているのです。

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禅智内供の鼻と云えば、池の尾で知らない者はない。

長さは五六寸あって上唇の上から顋の下まで下っている。形は元も先も同じように太い。云わば細長い腸詰めのような物が、ぶらりと顔のまん中からぶら下っているのである。

五十歳を越えた内供は、沙弥の昔から、内道場供奉の職に陞った今日まで、内心では始終この鼻を苦に病んで来た。

勿論表面では、今でもさほど気にならないような顔をしてすましている。これは専念に当来の浄土を渇仰すべき僧侶の身で、鼻の心配をするのが悪いと思ったからばかりではない。

それよりむしろ、自分で鼻を気にしていると云う事を、人に知られるのが嫌だったからである。内供は日常の談話の中に、鼻と云う語が出て来るのを何よりも惧れていた。

----(生徒のプリントの半分ですが、ここまでにしておきます)

大人でもなかなか読めない文章、子ども達が本当に読めるんだろうか?と思われた方も多いのではないでしょうか。

そこで、小5生の音読の様子を、ビデオに収録しましたので、ご覧ください。

 

どうですか?

このようなトレーニングを自然に楽しく行っていると、脳に大量の刺激が到達し、日本語を理解するために必要な回路が脳内にどんどん作り上げられていきます。

小5生が読んでいる文章は次の通りです。

3月 夏目漱石「草枕」
4月 川端康成「雪国」
5月 三島由紀夫「金閣寺」
6月 夏目漱石「吾輩は猫である」
7月 宮沢賢治「注文の多い料理店」
8月 芥川龍之介「羅生門」
9月 志賀直哉「暗夜行路」
10月 芥川龍之介「鼻」
11月 島崎藤村「夜明け前」
12月 二葉亭四迷「平凡」
1月 森鴎外「山椒大夫」
2月 島崎藤村「春の歌」

リンクを押すと実際の音読プリントのPDFファイルが開きますのでぜひご覧になってください。
冒頭部分が多いので、お父さんお母さんも、ああ~知っている、読んだ覚えあるな~って感じがするはずです。

でも、なかなか読めないかもしれません。
舌をかんでしまいそうです。
実は、このレベルの文章は、中学生になれば、国語の教科書に出てきます。

小学生のときに、このようなトレーニングを積んでおれば、自然と文章の中身に入っていくことができますが、

初めて、このレベルの文章に出会ったときは、文章を読むだけで、四苦八苦して、中身の理解はなかなか進まず、読むのが嫌になってしまうことでしょう。

だからこそ、私としては、ぜひ、こういうトレーニングを小学生の間に積んでおいてほしいな~と思い、授業で取り入れているのです。

小6の読んでいる文章は次のとおりです。

3月 室生犀星「小景異情」
4月 「竹取物語」
5月 清少納言「枕草子」
6月 吉田兼好「徒然草」
7月 「平家物語」
8月 松尾芭蕉「おくのほそ道」
9月 鴨長明「方丈記」
10月 紀貫之「古今和歌集仮名序」
11月 紀貫之「土佐日記」
12月 福沢諭吉「学問のすゝめ」
1月 「日本国憲法前文」
2月 漢詩「春望」「黄鶴楼にて、孟浩然の広陵に之くを送る」

中学校、場合によっては高校で学ぶ古典です。
リンクで確認してみてください。
きっと懐かしく感じられるでしょう。

このレベルまで育心の小6生は、自分で読めるようになっています。
頼もしいですね!