では、『生島ヒストリー24』です。



…それから毎日、生活の足がかりを求めて東奔西走したけれど、
不案内な土地と情報不足でさしたる成果も上がらなかった。


ガックリして、ホテルのロビーでフラフラしていると、
小柄だけれどもたくましい体をした元気のいい日本人と知り合いになった。


なんでも、しばらく前までアメリカ系航空会社のパーサーをやっていたとかで、現在は休職中であると、その人は語るのであった。


ボクは地獄で仏とはこのことだと、ハワイに来たいきさつなどを一気呵成にしゃべりまくった。


すると元パーサー氏は、「サンフランシスコに行けば、アダルトスクールといって、無料で英語を教えてくれる学校もあるし、
ボクの友人のレストランで皿洗いでもしながら通ったらどうだ」と快活に話してくれた。

その時のうれしかったことといったりゃありゃしない。

これはモー、すがりつくというか、おぼれる者ワラをもつかむ心境で、「それでは連れて行ってくれますか。」即時回答をした。



ボクは不安は不安だったが、一かばちか賭けをしてみようと心に決めたのだった。