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地震や津波、水害等で避難情報が出ても、ほとんど避難しないということが多いのはなぜか。


いわゆる正常性バイアスがまず影響している。


ちょっとした変化なら「日常のこと」として処理してしまう人間心理のことである。


また体が不自由なことの多い高齢者などの場合では、避難生活の不自由さや環境変化への「不安」が「なるべく避難をしたくない」という行動抑制につながっている部分もある。


「不安」を軽減しながら、安全に避難をするためにできることとは。


防災・危機管理アドバイザーの古本尚樹さんが解説する。



 

災害関連死への懸念

最近の事例では、災害関連死のことも影響しているだろう。

直接の災害では生き延びても、その後の避難生活中の環境変化や、医療、保健等アクセスの不具合による関連死の問題は、必ずしも避難先やその生活が「安全ではない」ことを印象付けている。


実際、熊本地震では死者の約8割は関連死になっている。


関連死の背景となる要因として挙げられているのが、東日本大震災では「避難所などにおける生活の肉体的・精神的疲労」や「避難所などへの移動中の肉体的・精神的疲労」が指摘されていて、なるべく移動しないほうが安全では、という意識において、拍車をかけている可能性がある。


また、熊本地震では「地震のショック、余震への恐怖による肉体的・精神的負担」が最も多く、次いで「避難生活の肉体的・精神的負担」が大きかった。


だれも知らない、新しい環境での苦労をするのを避けたい、なるべく避難したくないという気持ちが影響していると思われる。


こうした意識になりやすいのは、過去に避難行動をしたことがなかったり、避難所での生活を経験していなかったりする階層が多い。


経験したことのない未知なる不安が少なくない。


ではこのような不安を軽減しながら、安全に避難をするためにはどのような対策が可能なのだろうか。



 

自ら情報を得る姿勢が大事

事前に、家族が離れているときの安全確認の方法を決めておく。


建物の倒壊の危険がなく、周囲が浸水した場合には、避難所に避難するよりも、自宅の二階以上や付近のビルに避難する方が安全な時もある。


周辺の状況を確認して避難する。


テレビやラジオ等での避難の呼びかけがあった場合、警戒レベル 1の「心構えを高める」から警戒レベル5の「すでに災害が発生、または切迫している」のうち、警戒レベル3の「避難に時間を要する人は避難」では、要配慮者(高齢者や障がいのある人等)は避難を開始すべきである。


 そして、大事なのは、情報を待つのではく、自ら情報を得る姿勢である。


自力で避難ができない人に対して、頑丈な建物ならば、より高い階層での利用や入院にしておくことが重要である。


自宅等であればコミュニティとの関係を強化してサポートしてもらえるような近所付き合いが欠かせない。



 

迅速な避難を

実際の避難行動で、独断での行動は危険なので、警察・消防・地元の防災責任者などの指示に従う。


動きやすい格好で、2人以上での行動をこころがける。


避難中はできるだけ浸水していない場所を歩き、避難途中で危険を感じたら、自宅の二階以上や近所のビルに避難する。


浸水している場合には下水道のマンホールや側溝等への転落のおそれがあり危険なので注意する。


健常者は近所のお年寄りや子供、病気の人などの避難に協力する。


自動車が水に浸かると動かなくなったり、水圧で扉が開かなくなったりして危険。


自動車での避難は特別の場合を除き、やめる。


川の近くには近寄らないようにして、川や用水路の様子を見に行ったことで流されて被害に遭う場合があるから、大雨時には絶対に川や用水路を見に行くことは絶対にしない。


そして、早く情報を得ることと同時に、迅速な避難を実践してほしい。


「空振りの三振は許されても、見逃しの三振は許されない」のが、防災・減災の鉄則である。


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