脱走事件から一夜明け、ずっと考えていました。
このまま福を閉じ込めていていいんだろうか?と。
脱走から帰って来た夜は、すぐに窓を閉めたので出れないことをわかってふて寝していました。
朝、起きてからいつにも増して外に出たがる福。
外はすごい暑さで出ただけで体力が奪われそうな気温です。
ノラちゃんたちはこんな暑い中、涼しいところを探して休憩しているんだろうなと思うと、家猫は幸せだなと思います。
夜に出歩いていたせいか、昼間は寝ていましたが、夕方になってまた悲しそうに切なそうに私を見つめて鳴く福。
『お外出たいよね、出たいよね』
そう言いながら福を撫でようとするけど、すっとすり抜けていきます。
元々触らせてくれるくらいでしたが、前にも増して近寄ってこなくなりました。
嫌なことしてるから、嫌われても仕方ありません。
福には自分が長くないことは理解できないでしょうし、だから、外に出してもらえないのが不服でたまらないと思います。
私が福の立場だったらどうだろう。
①残り僅かの時間、毎日出して欲しいと鳴きながらストレスを抱えて過ごして長生きする。
②たとえ寿命が短くなっても自由に自分らしく生きる。
どちらを選ぶか、ずっと考えていました。
私にとっても福を閉じ込めておくことが、とてもストレスになっています。
毎日毎日、この子の自由を奪った自分を責めています。
昨日の夕方、少し涼しくなったころにまた福が出口を求めて彷徨い始めました。
鳴きながら私の顔を見上げる福。
福は、たぶん近所で生まれた4匹の内の一匹です。
元々のお家はご近所さんです。
そこは福の兄弟たちは外飼いです。
毎日福にとっての実家を訪れて兄弟で遊んでいたのかもしれません。
外にも出れず、お友達にも会えず、かなりストレスを抱えていると思います。
生まれてから今まで、ずっと外が長くて、人との接点もあまりなく過ごしてきた福。
お家の中は安全に眠る場所、ごはんをもらえる場所、それくらいにしか思えないのかもしれません。
9ヶ月一緒に過ごして、少しずつ少しずつ私には慣れてはくれましたが、寝ている時間以外はほとんど家にいませんでした。
そんな福を、余命短い福を閉じ込めるのは、私のエゴなんじゃないかと思うようになりました。
長生きして欲しいから、閉じ込める。
それは福にとって幸せ?
ずっと考えました。
福の気持ち、私の気持ち、両方考えて出した結論は、
今まで通りに好きなように過ごさせる
昨日の夕方、福と一緒にお外に出ました。
玄関を開けてそのままにしていたら恐る恐る近寄ってきました。
え?出ていいの?そんな反応でした。
玄関で喜んでゴロンゴロンする福を見たら、幸せそうで・・・。
これでよかったんだよねと自分に言い聞かせました。
いろんなところの臭いを嗅ぎながら、ゆっくり家から離れて行きました。
帰ってくるか心配でしたが、今朝ちゃんと帰って来てくれました。
ご飯もたくさん食べて、ゴロゴロして撫でさせてくれました。
生き生きしている福。
やっぱりこれが本来の姿。
外に出すことで、心臓の状態が悪化するかもしれません。
私のこの決断をおかしいと思われる方もいらっしゃると思います。
でも、ずっと福と過ごしてきた私が福のことを思って出した結論です。
どうか、温かく見守ってください。