ためになる健康情報 第19回 ペーシングボード

北本中央クリニック 神経内科 藤本健一

 

パーキンソン病では様々な構音障害を伴います。

かすれ声で音は小さくなり、声が震えることもあります。

抑揚がなく単調で早口になるため普段でも聞き取りにくいですが、

コロナ禍でマスクを付けるとさらに聞き取りにくくなります。

 

研究によると2割くらいの患者さんは、

吃音のような話し始めの音の反復や発語の停滞を伴います。

パーキンソン病では全てのリズムが1秒に4回の震えのリズムに近づく傾向があります。

 

動作には全て固有のリズムがあり、

たとえば歩行は1分間に70歩前後のリズムです。

1秒に4歩、すなわち1分に240歩で歩こうとすると、足がすくんで前に進めません。

会話でも1秒に4語を発しようとすると吃音となります。

 

歩行では、床に40センチメートル間隔で横線を引き、

それを踏み越えるとすくみ足を回避できます。

 

会話ではペーシングボードを使います。

ペーシングボードは数種類の色分けされた

横並びのスロットからなる簡単な用具で自作も可能です。

 

単語や文節ごとに一つのスロットを指でタップしながら発語することで、

発語速度を強制的に低下させ、聞き取りやすくします。