事業立ち上げにあたって、始めからキャッシュフローがいいビジネスって、魅力的ですよね。

資金が潤沢にあって1年ぐらいは利益が出なくてもがんばっていける、という人はいいですが、まったくビジネスをやった事がないのに、いきなりうまくいくかどうか分からないものに賭ける事って、なかなか出来るものではありません。とても勇気がいります。

起業のコツは決断だ、なんていう方もいらっしゃいますし、確かに事業をおこなう事は決断の連続なのですが、はじめから大きな投資をしたり、なかなか売上が立たないビジネスを、はじめから決断してやる必要はないのではないかと思います。

ですので、事業立ち上げのハードルをなるべく低くする、お話をしたいと思います。


キャッシュフロー改善のポイントは商品形態の選択

少ない初期投資で小さくビジネスを始めて、はじめから少しずつでも収入を得るためには、商品形態として何を選ぶのか、が重要になってきます。

特に、自宅でインターネットを使って、お店や事務所などの初期投資とランニングコストをできるだけかけないでビジネスを始めようと思った場合、それ以外にかかるものは、商品の原価・経費、あとは広告費ぐらいだからです。

ですので、商品については大規模な初期投資がなく、かつキャッシュフローがいい商品形態を選んだほうがいいということです。


それで、今回ご紹介するのが、先に代金をいただいて、あとから商品やサービスを提供するかたちの商品形態です。

これらは、僕自身をはじめ、ビジネスクリエイターユニバーシティの受講生が実践している実例をもとにした商品形態ですので、参考にしていただければと思います。


代金先もらいの商品形態・11種類

1.受託業務
行政書士、税理士、ファイナンシャルプランナー、会計士、その士業など、資格を使って、受託して役務提供を行なう商品形態、サービス形態です。原価は商品であるあなたの人件費のみ。営業フローを工夫したり年間契約など期間契約のパッケージにすることで、キャッシュフローをよくするようにできます。

2.コンサルティング
コンサルティングも、受託業務の1形態ともいえます。同様に営業フローを工夫したり年間契約など期間契約のパッケージにすることで、キャッシュフローをよくするようにできます。

3.カウンセリング、コーチングなど個別セッション
このような特定のスキルを用いたサービス提供も、原価は商品であるあなたの人件費のみで、しかも予約と決済を、サービス提供の前に完了するようにルールを決めるだけで、代金先もらいの形にする事ができます。グループセッションにしてもいいですね。

4.オーダーメイド
オーダーメイド、受注生産のかたちの商品提供も、在庫を抱える必要がないのでキャッシュフローがいいです。さらに、「代金受領をもって生産開始」のようにルールを作って運用することで、キャッシュフローがよくなるだけでなく債権回収の業務も必要なくなります。

5.予約販売
商品の生産前、もしくは生産中に、予約をとって販売する方法です。予約権を販売するという意味で予約販売は、1つの商品形態と言えます。情報販売やDVD販売などのコンテンツ販売でも予約販売にすれば、先に代金を預かって売れるようなら生産するというようにする事も可能です。そうする事によって、企画して、販売し、その後に制作するということも可能になります。限定性や予約特典などを付けると、購入してもらえる率を上げることが可能です。

6.セミナー
セミナーも、先に代金をいただいて、セミナー当日に役務提供をする、代金先もらいの商品形態です。

7.講座
講座というのは、セミナーと似ていますが、ここでいう講座というのはセミナーが何日分かがまとまって1つのプログラムになっているような形態の商品のことを指します。ここでセミナーと講座を分けたのはキャッシュフローで見たときに大きな違いがあるからです。講座の形にすることでセミナーのまとめ売りのようになるので、単価を上げる事ができ、しかも代金をすべて先にもらう事ができるのでキャッシュフローが大きく向上します。
講座にすることによってキャッシュフローだけでなく、単発のセミナーでは起こせない大きなブレイクスルーを提供できるようになり、お客さんの満足度を上げられる、というメリットもあります。

8.ツアー
ツアーもまた、代金先もらいでキャッシュフローのよい商品形態です。

9.代行業
お客さんの代わりに、お客さんがやりたくないこと、やれないことを代行してあげる商品形態・サービス形態です。あなたにしかできない専門性や特殊性を活かした代行業であるほど、価値は高くなります。代行業は初めは自分自身が代行を請け負いますが、組織化して組織的に代行を請け負う事で仕組化しやすい商品形態でもあります。

10.ドロップシッピング
インターネットを使った物品販売で、お客さんから注文をもらったのちに商品を仕入れて発送する取引形態です。ですのでお客さんに対しては注文から納品までに時間がかかることを謳う必要があり、仕入れ先には都度注文に応えてもらう必要があります。

11.ネットワークビジネス
商品の仕入れが必要なく、販売とチーム構築に集中できるという意味では、マルチレベルマーケティングの商品もキャッシュフローがいいですね。ただしネットワークビジネスは代金は先もらいではなく、1ヶ月後とか2ヶ月後です。



まとめ

以上、代金先もらいの商品形態についてお伝えしました。

代金を先もらいにする事で、キャッシュフローが良くなる事は理解いただけたかと思いますが、その代わりに成約率が落ちることも懸念される方もいらっしゃるかもしれません。

ですが、代金を回収するタイミングを前に倒すか、後ろに倒すか、この違いだけで経営的には、天と地ほどの違いがもたらされます。特に立ち上げ当初の資金が少ない状況では、このキャッシュフローの違いは致命的です。ですので先もらいにすることで成約率が落ちる場合は、セールスフローとセールススキルを磨き上げる事でカバーするのがいい、と僕は考えます。

大体において、代金の回収を後ろに倒してしまうのは、お客さんから拒絶される恐怖によることが多いからです。